昨日、新幹線の中で柚月裕子さんのコラム「夏の大きな背中」を読んだ。
岩手県三陸にあるお父さんの実家に行ったときの思い出話だった。
子どもだった柚月さんは、海が近いこともあり、海水浴が楽しみだった。そんなある日、お父さんにおんぶしてもらい、沖のブイまで泳いで行ったときの、お父さんの大きな背中を思い出す、というものだった。
スケールが違うが、わたしにも似た思い出がある。平泳ぎする父の背中に乗って流れるプールで遊んだというものだ。
柚月さんは、不安になったり、迷ったりすることがあると、お父さんの大きな背中を思い出し、人生という航海の羅針盤としているようだが、わたしはこのコラムを読むまで忘れていた。
思い出しただけよしとしよう。
そして、いちおう父であるわたし自身が、子どもたちにこのような背中を見せることができたかは、はなはだ心もとない。