6115声 協働する

2025年03月05日

 不思議な仕事がある。群馬県高山村の仕事だ。僕が住む町の隣ながら、仕事で関わるまで「沼田市へと通過するだけの村」だった。せいぜい、ロックハート城が目立つ(その城では3回ほど結婚式の撮影もした)くらい。ふとした縁で、この村の広報物を作るようになった。ポスター、登山マップ、そして今行っているのが観光マップ。僕の役割としてはデザイン部分を担っているが、チームみんなで「村のブランディング」を行っている、という気概がある。

 たからのやまたかやま

 移住コーディネーターであり、村のすてきな雑貨店「カエルトープ」の飯塚咲季さんが言いだした言葉のような気がする(もとは村の農家さんかな・・誰かが言っていた言葉らしい)。少し長いがそれに続く彼女の言葉を引用すると「自然と人の手が紡ぐ 穏やかな風景広がるこの村で 人のあたたかさ 豊かな里山資源 こころから受けとれたなら ここはたからのやま」 実際に村を歩くようになると、その言葉通り、なんて素晴らしいところなんだろう、と思うようになった。

 不思議な仕事、というのは、僕や咲季さん、時には高山村ラブなフォトグラファーの丸山えりさん、高山村に住んだこともありメキメキとその腕を上げているイラストレーターの根井美智さん、役場担当者の廣田亜美さん、初期にはロゴマークを作ってくれたちぎらまりこさんと(なんと僕以外全て女性ではないか)仕事を行う時に少なくとも僕は「急がない、自分で見たもの聞いたことを重視する、否定ではなく良いものを探しそれを持ち寄る」ということを心掛ける・・というか、そのメンバーとの協働だと自然とそうなるのだ。これほどまでに穏やかな気持ちで進められる仕事は他にない。

 そして毎回、広報の仕事であるにも関わらず「誇張しない、嘘をつかない」の優先が認められる。村にある良いものを見つけ、整理し、そっと提示する、それで村の魅力を伝えたい。今日の地図ミーティングでも、そんなことを話した。地図は月内納品(そういう部分は急がない・・わけにはいかない)。道の駅などに置かれると思うので、ぜひ手にとっていただきたい。