6272声 時をはさんで

2025年08月09日

中之条町のはしっこ、市城に「うた種」という手芸カフェがある。店主の曽根原さんは、中之条町つむじが立ち上がった際につむじで働いていて、その時からの顔見知り。店では裁縫を教わることもでき、曽根原さんが目利きした雑貨を買うことやコーヒーを飲むこともできる。曽根原さんのパートナーである原沢さんは隣接する建物で「フクロコウジ」という名の小さな本屋を営んでおり、原沢さんとも彼の前職、中之条町観光協会時代から一緒に仕事をしてきた。その夫婦については色々書けるが、ようは長い付き合いという一言でも済む気がする。

看板を新しくしたい、という話をずいぶん前からもらっていて、ようやく事を進めている。いつも仕事をお願いしている看板屋もあったが、はじめて、渋川市の「中央広告」に施工のお願いをしてみた。僕が仕事で関わっている東吾妻岩島の「Serenite」でとてもこだわりを感じる看板を作っていた会社だったからだ。詳細をメールすると、その日のうちに現地に来てくれるという。

話をしてみると、僕が通っていた中学校の先輩であり、「フクロコウジ」の原沢さんと同級生の方がその看板屋さんだった。そういう偶然が起きても、そういうことあるよね、と慣れてしまっている自分がいる。とにかく、いくらか知った関係で良かった。いい仕事をしたい。

原沢さんと看板屋さんとは、同級生話でプチ盛り上がっていた。そうなるだろう。話し合いを終え、遅い昼飯でも買おうかとスーパーに寄った。買い物を済ませ外に出たら、ベンチに白髪の男性。ぼーっと目の焦点があっていない感じでただ棒アイスを食べていた。ふと、それは僕の同級生のSくんではないかと思った。齢45にして完全白髪は早い気がするが、顔がどうやらそうに違いないと。僕は声をかける・・ことはせずにその場を後にした。「おう、久しぶり」と声をかけるほど昔、話をしていたわけではないし、そのぼーっと目の焦点があっていない感じが接点をもつことを拒否している感じがした。中学生の同級生だからお互いにその倍以上の年月をはさんだのだ、お互い色々なことがあってもそれが普通である。

なんとなく、生きてるだけで良かったな俺ら、と思った。