今月の最後のほうは体はそこそこ普通だが気持ちが上がらない日が続き、ふと、これはもしかすると鬱的なものの手前の手前くらいだったのかもしれない、と思った。だったのかもしれない、というのは、過去にも仕事が詰め詰めになっていたり、酷い失敗をしたりして今かそれ以上に気持ちが上がらない日々があり、そういう時も僕自身は「自分は鬱とは無関係だから」という意気込み、というか思い込みでそれが過ぎるのを待っていた。けれど例えば
仕事はある程度集中もしてできるが、仕事以外を含め色々を見ても面白いと思わない、食べものは健康でいたいという気持ちとは別で簡易的でジャンキーなものを欲する、自分に自信がない、など、そういう状態がしばらく続く。自信については、先日「うた種」で新しく仕事をする看板屋さんに自分が今までにしてきたデザイン仕事、それはカフェSereniteの中綴じ小冊子や、スーパーまるおかのパンフや、チームで作る高山村の小冊子、酒蔵イベントのチラシ、出来立てほやほやのスタン・アンダーソンさんの回顧展のフライヤーなどなのだが、それを説明している時に、1つ1つを相手が褒めてくれるということもあるけど「あれ、俺いい仕事してるじゃん」と思い出すというか・・わりとヤベー状態だったかもしれない。
坂口恭平、という人物を知らない人は、ぜひ彼の書籍を読んで欲しいのだけど、僕が好きなのは彼を慕う一人のカメラマンが彼の言動をひたすら長く撮影するyoutubeの「TRUE KYOHEI SAKAGUCHI SHOW」。レール無用の独自な生き方を言動を続ける彼を加工なしで記録していく樣は、令和の新しいドキュメンタリーと言ってもいいと思う。坂口恭平、本は大ヒット、描くパステル画も神がかり的なタッチにまで修練され、歌う歌もいい。「いのっちの電話」と称して携帯番号を全国に知らせ、死にたいと思ったら僕に電話しなさい、という奇行?(素晴らしい活動)もしている。華々しいとも言える行いの一方で彼はまた、長年抱えている鬱があり(最近もそれで外に出ないまま表現を続けていた)、彼の諸々を見ていると才能や良い環境と鬱とは無関係であることがわかる(そして鬱すらも彼独自の捉え方で肯定していく樣が力強い)。
自分のことに話を戻すと、もう時期は抜けたのかなと思う。相変わらず待たせている仕事も多いが、気持ちが上がってきた。それはひとえに、自分が一人ではなく、いろんな人と共にあれるからであるように思う。無理をしすぎずに、忙しいであろう11月くらいまでを乗り切りたい。

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