週末の雨天から一転、本日は穏やかな冬晴れ。
これから第11回ワルノリ俳句ingに出掛けるところだが、
まさに、ハイキング日和の気候である。
行程は、中央前橋駅から大胡駅まで、上信電鉄に乗って行き、
大胡駅から銭湯「東湯」まで歩いて行って湯に入って帰って来る。
と言う、今回は単純明快なものなのだ。
当然私などは、何処かの赤提灯で引っかかるのだがら、
家を出掛ける前に、本日の更新分を書いてしまおうと言う魂胆で書いている。
冬は、一杯ひっかけてからが、眠くなって仕様がない。
昨日もそうだった。
千葉県は市川市の、京成八幡駅。
京成電鉄の上野駅から、快速で4,5駅も行けば着く、東京都に程近い都市。
小岩から江戸川を越えた先。
と言った方が分かりやすいかもしれない。
昨日は其処へ行って来た。
勿論、目当ての場所があっての事。
其処は、駅のすぐ目の前にある、「大黒屋」と言う和食の店。
永井荷風が、最晩年に行きつけだった店で、
亡くなる前日まで食べていたと言う、店なのだ。
その店には、現在「荷風セット」なるメニューがあると言う事で、
早速食べに行って来たと言う次第なのである。
カツ丼に上新香と日本酒一合。
これが、永井荷風御用達である、荷風セットの内容。
店に入り、荷風セットを注文し、カツ丼をつまみに一献。
しばし、耽美的な時が流れる。
ぼんやりと、虚空を見つめていると、女将さんが声を掛けてくれた。
「先生はいつも、この角の席に座って、食べてらしたんですよ」
そう、私は偶然ながら、永井荷風の定位置に腰掛けて居たのである。
菊正宗の熱燗で赤身の差した顔。
ぽわーんとして、「お雪…」などと呟きつつ、店を辞す。
「荷風の散歩道」なるタペストリーが掛かった、界隈の商店街を歩いてから、
駅へと戻った。
商店街の古本屋を覗くと、やはり荷風作品が並べてあり、
断腸亭日乗などが埃を被ったまま、店頭に並んでた。