781声 生きている雰囲気

2010年02月19日

もう、後戻りは出来ない。
最終校正を終えて、印刷作業に入っている。
現在制作中の本が、である。
期待に胸を膨らませて待っているのだが、
その膨らみの中身は、不安の割合が多く詰まっている。
フェザーの割合が多いダウンジャケットは、使って行く間に、
所々から羽毛が飛び出してくる。
まさにそれと同じく、不安が脂汗となり、体の所々から染み出てくる様な心持がする。
焦っていた。
年が明けてからと言うもの、急きたてられるが如く、自ら「2月発売」と言う、
期限を科して製作を進めて来た。
小学生の徒競争。
前のめりに全速力で走るがあまり、ゴール寸前で足が縺れて転げてしまう。
振り返り見れば、そんな光景を彷彿とさせる、縺れ具合だった。
どうにか、ゴールテープは切れそうだが、未だ油断は出来ぬ状況下にある。
何故、其処まで。
と言う自問に、自答出来ぬまま、速度だけが出てきてしまった。
一寸、其処まで。
で始めた銭湯巡りであるが、いつのまにか、引き返せない急坂を全力疾走していた。
銭湯に漂う、「生きている雰囲気」を、私の稚拙な文章と、ピントのズレた写真で、
果たして表現出来たのか。
いや、出来ていないだろうが、希望的観測だけは持つ様に努めてみよう。
ともあれ、明日は万座温泉へ行く予定になっている。
温泉と麦酒と俳句に、現を抜かして来ようと思う。