796声 私の富士

2010年03月06日

ペンキ絵が、私の部屋には、有る。
銭湯の象徴である、あの富士山の絵が、飾ってある。
作者は高名なペンキ絵師である、中島絵師。
その絵が、今夜は無い。
無い。
と言っても、今日、自ら持って行ったのだ。
持って行った先は、「ほのじ」。
明日、同会場でささやかなるパーティーが開かれるので、
来場した人たちに観賞してもらおうと思い立ち、壁から外した。
外は雨。
ペンキ絵が外された壁を、眺めている。
部屋に漂っているのは、そこはかとない、寂寞。
晴れの日、曇りの日、朝、夕に関わらず、いつも澄んだ青空に聳えていた富士山。
それが、今日は見えない。
なんだか、調子も出ない。
ような気が、しないでもない。