801声 旅人へエール

2010年03月11日

3月も、ぼちぼち半ばに差し掛かろうかと言う時期。
学生諸氏は、今まさに卒業式シーズンなのだろう。
つまりは、別れの季節である。
こと社会人、それも勤め人に至っても、別れの季節は既に到来している。
移動、転勤ってのは、勤め人が背負う、逃れられない運命なのだ。
先日も、知人が或る営業店から居なくなってしまった。
彼の場合は、異動や転勤と言うのでなく、新境地と言うのが一番適当だが、
ともかく、他の場所へ行ってしまったのだ。
その場所は、群馬県以外の場所なので、以前の様に容易に会う事は出来ないだろう。
仕事で電話を掛ければ、
「某は移動に○部に異動になりました」
なんて、意表を突く応対が返ってくる。
友人から電話が掛かって来たかと思えば、
「4月から○店に異動になったから、引っ越す事になったよ」
なんて、寂しい連絡。
しかし、4月を迎えれば、入社や入学、今度は新しい出会いの季節。
営業店から居なくなってしまった知人は、勤め人から大学生と言う、
まさに新境地へと旅立って行った。
この別れの季節があるから、新しい出会いの季節がやって来る。
新境地へと旅立つには、今居る場所から、離れなければならない。
独り旅に出る時。
今から我が身に降りかかるだろう、困難苦難を思い、不安な心持になる。
「やっぱり止めようかな」
とも、一瞬思う。
しかしながら、見慣れた風景が見えなくなる頃には、意気揚々としているものだ。
今宵、飲んでいるビールはピルスナーだが、新生活へと向かう人たちに、
四季を通して何の変哲もない生活を送る私から、エールを贈る。