805声 少年の季節

2010年03月15日

「ちゃぷん」
と言う音は聞こえてこないが、弱々しく投げ放たれた石ころが、
断続的に水面の波紋を広げている。
橋の上には、少年たちが、4人。
年恰好から推察するに、小学6年生。
春休みで、暇を持て余しているのだろう。
川に向かって、無為に石ころを投げる。
なんて行為は、暇を持て余している人間ぐらいしかやらない。
丁度、青春映画の金字塔である「スタンド・バイ・ミ−」を彷彿とさせる様な、
連中だった。
そんな光景に、憧憬の眼差しを注いでいた。
「持て余すほどの暇」がある彼らが、とても羨ましく思えたのだ。
かつて私にもあった、暇をつぶすのに苦労していた時代が、である。
それが今となっては、暇をつくるのに苦労する様になってしまった。
それもまた、「スタンド・バイ・ミ−」を彷彿とさせる様な、筋書きである。
ふともう一度、観てみようかなと、思った。