807声 ローカル線を選ぶ

2010年03月17日

「次は、どうするんですか」
なんて質問を受けると、
「あたしゃ、オリンピック選手か」
と、心中でつっ込んでしまう。
その内容は、「銭湯の本」の次は、何を意図しているのかと言うものだが、
自身、模糊たる意図さえない。
つい先日、初版本を出したばかりである。
自らの感覚で言えば、予選が終わった辺り。
まだこれから準決勝、そして、決勝戦が残されている。
オリンピックになぞらえて言えば、この競技、この種目に出場した以上、
奮闘しなければならない。
しかしながら、誰も名前さえ聞いた事の無い様な、極弱小国からの代表出場である。
心許ない代表であるが、「代表」ったって、自作自演の結果と言うだけの話。
銭湯を巡って、本を作って、バーコードを付けて、書店で売る。
この一連の作業を振り返れば、ひとつの線路が敷かれている。
私の乗車したこの路線は、心細く途方も無く時間の掛かるローカル線だったが、
おかげで、様々な景色を眺める事が出来た。
そして、目的地までの距離を、正確に体に覚えさせる事が出来た様に、感じる。