906声 読むとちゃんぽん

2010年06月24日

私には、ちゃんぽん癖がある。
ここで言う「ちゃんぽん」ってのは、長崎方面ではない。
そして、酒場方面でもない。
では何かと言うと、読書方面の、ちゃんぽんなのである。
読書におけるちゃんぽんとは、端的に言えば、一定時間の読書中に様々な本を読む、
と言う事である。
つまり、読んでいる小説Aを切りの良い所で止して、小説Bに手を伸ばす。
小説Bも早めに切り上げてしまって、読みかけの詩集Cの栞を外す。
詩集Cを読み終えて、また、小説Aを読み始める。
と言った具合に、少しづつ、色々な本をつまみ食い、ならぬつまみ読みしながら、
読み漁って行くのである。
私は、飽きっぽい性格でもないし、酒に関しても、
あまり手の込んだちゃんぽんはしない性質なのである。
しかし、こと読書に関しては、そこら辺に転がっている本がどうも気になって、
ついつい手を伸ばしてしまう。
然るに、本のちゃんぽんは酒のちゃんぽんと違い、読み(飲み)過ぎて、
二日酔いになると言う心配が無い。
酒のちゃんぽんは、次第に自らが飲んだ酒の総量を不覚し、過剰に痛飲してしまう。
本のちゃんぽんは、それに比べ実に清々しい。
様々な本を、とっかえひっかえ読む。
その心持はまるで、ドラえもんの道具である、「どこでもドア」の扉を開け、
好奇の心を持って別世界を渡り歩いているようである。
中には、ほったらかしになって、二度読みしてしまう本や、
すっかり忘れていて二度買いしてしまう本が、無きにしも非ず。
何事もほどほどに、と言う点は、本も酒にも共通しているようだ。