943声 白球の清々しさ

2010年07月31日

先頃行われた、第92回全国高校野球選手権の群馬大会。
その結果、前橋商業が前橋工業を3対1で降し、3年ぶりで5回目となる、
夏の甲子園出場権を得た。
試合当日、行きつけの食堂へ入ったら、丁度、その決勝戦がテレビ中継されていた。
私は野球には疎いので、もっぱら食べる方に集中していたが、
店内のおやっさん連は、球児たちの一挙手一投足を食い入るように見つめている。
毎年目にする光景であるが、店の親父さんが野球好きな食堂なんかだと、
店内に独自予想のトーナメント表なんかが貼り出されている場合がある。
来月、8月7日からはいよいよ、47都道府県から予選を勝ち抜いた49高が、
甲子園で激突する。
先のトーナメント表の親父さんなんかはもう、新たなトーナメント表の作成で、
多忙を極めている筈。
この時期、高校野球を観戦していないと、なんだか夏の楽しみを一つ失ったようで、
いささか空しくもある。
しかし、自らの生活体験が野球と疎遠だったので、仕方ない。
数年前、仕事で県内の高校を幾つか訪れていた時があった。
そんな折、私が高校の渡り廊下を歩いていた時、すれ違う生徒で、
「こんにちは」
と、明朗快活に挨拶してくれる子たちがいた。
がっしりとした体躯に、良く日に焼けた丸坊主の顔。
とくれば、勿論、高校球児たちである。
彼らの挨拶が、蒸し暑い夏場、実に清々しく感じた。
彼らが見せる「心技体」の清々しさ。
それが、おやっさんたちのラーメンを摘んだ箸の動きを止めている、のだと思う。