968声 群馬の伝統野菜

2010年08月25日

やはり、こんなにも違うものなのか。
改めてこう感じた事は、その「味」であった。
最近、夏に入ってから行きつけの食堂へ行くと、店のおばちゃんが、
私の帰り際、必ず胡瓜をくれる。
ビニール袋にどっさり、10本くらいの胡瓜。
近所の畑で朝採れた、自家栽培の新鮮な胡瓜なのである。
しかし、この胡瓜たち、形と色が、どれも見慣れない様相。
スーパーの青果売り場で見るような、細く真っ直ぐ伸びた胡瓜と違って、
太い身をぐにゃりと曲げている。
その色も、店頭に並んでいる、青々としたものでなく、全体的に薄く、
しかもムラがある。
その理由を問うておばちゃん曰く。
「じばいきゅうり」なので、そうなるらしい。
この「地這い」ってのは、文字通り、地面に這わせて栽培する方法。
当然、主流の栽培法ではないのだが、こちらの胡瓜の方が、
見た目悪くとも味が良いのだと、育ての親自ら断言していた。
確かに、齧ってみて感じるのは、普段食べている胡瓜よりも、瑞々しく、
畑の味とでも言おうか、胡瓜特有の青味が濃い気がする。
群馬県に限らず、全国では今、「伝統野菜」を売り出している自治体が多い。
「地産地消」なんて取り組みの一環として、注目を集めている。
私の住んでいる近所にも、「国分にんじん」なんて言う、伝統野菜が栽培されている。
数年前、何かの折に、「入山きゅうり」と言う、
旧六合村の伝統野菜を食べた事があるが、これも、味が濃くて美味しかった。
そして先日、キャンプに訪れた高山村。
キャンプも無事終了し、現地解散となって、独り山道に車を走らせていると、
田圃の畦道に、無人野菜販売所を発見。
ふと、食堂のおばちゃんの胡瓜を思い出し、路肩に停車して、胡瓜を一笊購入した。
「細長い瓜」ではなかろうかと思うほど、太くて厳つい胡瓜なのである。
帰って、塩で揉んでから食べると、これがまた予想通りに美味かった。
もしやと思って、ネット検索してみると、先程の「入山きゅり」と並ぶ、
「高山きゅうり」ってな、群馬が誇る伝統野菜だった。
次は銭湯ではなく野菜。
「群馬伝統野菜大全」
ってのも面白そうだ。
しかし、自らの野菜に懸ける思いから見るに、現実性は薄いと思われるが、
「伝統野菜」
これは面白くなってきそうである。