今日、祖父母と話していると、話の分岐から、カブト虫の話になった。
この話は、祖父母と私の会話において、分岐しやすい話題の一つで、
学生時分から何度となく話している。
幼い頃の私は、カブト虫やクワガタ虫が好きだった。
と言う、孫の思い出話なのだが、祖父母はこの話が好きなのだ。
会話中に出て来る、カブト虫やクワガタ虫の呼称。
それが特徴的で面白い。
先ず、カブト虫は、雄が「カブト」で雌が「マグソ」。
次にクワガタ虫だが、ミヤマクワガタは「へータイ」。
それ以外は全部、「クワガタ」と呼んでいる。
これは、方言による地域変名なのだろうが、カブト虫やクワガタ虫は、
地方によって様々な呼称が付いているので、面白い。
私の住んでいる地域で変わった呼称と言えば、ノコギリクワガタ。
その小型なものは、(それが大きくなるのかは分からないが)
角(大あごの事)が湾曲しておらず、直線的になっている。
それを、「バリカン」と呼んでいた。
他にも、クワガタの雌は総称して「ブーチン」だった。
よって、ノコギリクワガタの雌ならば、「ノコのブーチン」となり、
ヒラタクワガタの雌ならば、当然、「ヒラタのブーチン」となる。
後は、カブトムシの雌には、「ブタ」と言う、
いささか申し訳ない呼称が付いていた。
人気のカブトムシの雄は、時々、全体が赤身がかっているものがいた。
コイツは、「赤カブ」と称され、より一層、子供たちの間で珍重されていた。
そして、赤身がかったものは、ノコギリクワガタにもいて、これも同様であった。
異常に蒸し暑い今宵は、橙色に輝く半月。
カブト虫は樹液を吸い、私は道草を食う。
紆余ならまだしも曲折、しつつまた明日。