4836声 お客さんが入っている所を見たことがない飲食店

2021年07月05日

お客さん入ってるとこ見たことないけど、「実は旨いんすよ〜」という話を聞いて決めつけで生きちゃいかん!と入った食堂。食べてなるほど!・・お客さんが入ってるとこ見たことないイメージが、確信に変わった。しかし大人ではあるので、○○さんに紹介してもらって来ました。ごちそうさまでした。と告げて外へ出た。ポジティブな何かに繋がる可能性はあるので。

 

実は数年前に、お客さんが入っている所を見たことがない飲食店に入る、という趣味をはじめたいと思っていたのだが、腰が上がらなかった。お店が続いているのは、よく目にしないだけでそれでも通うお客さんがいるからだとは思うのだが、売れる店に理由があるように売れない店にも理由はある気がしている。マーケティングによると・・という話は苦手なので、精神論で言えば、「店主の愛情が店のどこまでに行き届いているか、それを理解してくれるお客さんがどれだけいるか」という定規をひとつ持つだけで、売れる店と売れない店の違いは測れる気もしている。

 

実は、今日行った食堂は過去に何度か店が変わっている物件だった。思い出した。かなり前に、同じ場所で今とは違う経営者が営んでいた食堂も、お客さんが入っているとこを見たことがなかった。ので、1度だけ勇気を出して入ったことがある。そこで頼んだらーめんが実に変わっていて、スープの中におよぐ麺が「揚げて」あった。そんなの見たことありますか?あんかけ焼きそばとも別物。スープをすすりながら、わしゃわしゃした脂っこい麺をほおばった。美味しいものではなかった。

 

店主も暇そうにしていたので思わず「変わったらーめんですね」と言ったら、「厨房が狭いので茹でられなくて、揚げているんです」という返事だったと思う。確信がもてないのは、今思い返してみても「そんな理由ある?」と首をかしげる内容だからだ。でも聞き間違いでなければ店主はそう答えた。そして最後にこの一言。

 

「お客さん来なくてね・・頑張ってるんですけどね、ホームページ作り」

 

作り話のように聞こえるが、確か、現実にあった話だ。このように、売れない店にも売れない理由がある。それを確かめたくて、お客さんが入っている所を見たことがない飲食店に入る、という趣味をはじめたいと思っていたのだが、あまりに悪趣味なのでやめた。