1114声 薬局の難攻

2011年01月18日

近頃の群馬県内平野部は、快晴続きの穏やかな日が多い。
上毛三山はもとより、周辺の山並みがやけにくっきりと見える。
空気が、乾燥している証拠であろう。

かさこそかさこそ。
かさこそかさと、掻いていた。
体を、である。

私は元来、乾燥肌なのだが、それでいて、風呂好きと、きている。
そう言う人間は、冬どうなるかと言うと、カサカサの人間になる。
なので、この時期は、体のあちらこちらが、痒い。
最近は、痒みの方が、ことに勢力を拡大し、盛大に痒み出している。
ここらで奴らの鎮静化を図らねばと思い立ち、
今日、ドラッグストアへ寄って来た。

「痒み」
と言えば、やはり、「ムヒ」。
その名が一番に浮かんだので、店内でムヒを探していると、
背後に忍び寄っていた、薬剤師。

「お客様、なにをお探しでしょうか」
と、きやがった。
「はい、ちと、体が痒いので、ムヒを、と思いまして」
「こちらがムヒになります」
「どのあたりを、刺されになりました」
てぇから。
「いや、虫刺されでなく、乾燥です」
と答えた瞬間、瞬時に薬剤師の眉間が曇って。
「お客様、ムヒは虫刺されの、痒み止めになります」
と言う指摘を受けて、私、一寸、慌てふためいて。
「そうですか、じゃあ、オロナイン軟膏を」
「お客様、オロナイン軟膏は、ひび、しもやけ、あかぎれ、
それに、きず、です」
わわわ、と、完全にとり乱してしまって。
「じゃあ、正露丸を」
てぇんで、もう訳が分からない。

結局、「メンソレータムAD」ってのを、買って来た。
気付けば、何故か、オロナイン軟膏も、一本買っていた。
とても、安かったから。

【天候】
終日、穏やかな快晴。