「いちいち、苺」
いや、何とは無しに、1115声と言う文字を見ていて。
先日、郊外の住宅街を通った折、或るお宅で一本の木を認めた。
冬ざれの庭、立ち並ぶ裸木の中で、その一本だけが、
白く可憐な花を咲かせていた。
俳句的なインスピレーションを受け、直ぐにペンをとったのだが、
はて、花の名前が一向に分からぬ。
そのままペンを置き、後ろ髪をひかれつつ、通り過ぎた。
直ぐに書店へ行き、文芸コーナーで見繕って、一冊購入して来た。
「俳句の花図鑑」監修 複本一郎(尚美堂出版)を、である。
「季語になる折々の花、山野草、木に咲く花460種」
と言うサブタイトルにあるように、
四季の花が写真入りで紹介されているので、
とても分かり易い。
早速、「冬」の項を引いてみると、見付かった。
どうやら、あの庭木の花は、「枇杷の花」で間違いないようである。
「枇杷」と言うと、夏の季語で、初夏に実っている印象が強い。
しかし、その花は冬季に咲いているようだ。
日本への渡来は奈良時代から平安時代、と書いてあるから、
やはり、枇杷の花に、俳味を感じる訳である。
付随してある、例句の一つが、
職業の分らぬ家や枇杷の花 正岡子規
やはり子規は、絶妙である。
さて、私が思い付いた句は、どんなであったかが、一向に思いだせぬ。
【天候】
終日、穏やかな快晴。
満月。朝晩、良く冷える。