1115声 枇杷で捜索

2011年01月19日

「いちいち、苺」
いや、何とは無しに、1115声と言う文字を見ていて。

先日、郊外の住宅街を通った折、或るお宅で一本の木を認めた。
冬ざれの庭、立ち並ぶ裸木の中で、その一本だけが、
白く可憐な花を咲かせていた。
俳句的なインスピレーションを受け、直ぐにペンをとったのだが、
はて、花の名前が一向に分からぬ。
そのままペンを置き、後ろ髪をひかれつつ、通り過ぎた。

直ぐに書店へ行き、文芸コーナーで見繕って、一冊購入して来た。
「俳句の花図鑑」監修 複本一郎(尚美堂出版)を、である。
「季語になる折々の花、山野草、木に咲く花460種」
と言うサブタイトルにあるように、
四季の花が写真入りで紹介されているので、
とても分かり易い。

早速、「冬」の項を引いてみると、見付かった。
どうやら、あの庭木の花は、「枇杷の花」で間違いないようである。
「枇杷」と言うと、夏の季語で、初夏に実っている印象が強い。
しかし、その花は冬季に咲いているようだ。
日本への渡来は奈良時代から平安時代、と書いてあるから、
やはり、枇杷の花に、俳味を感じる訳である。

付随してある、例句の一つが、

職業の分らぬ家や枇杷の花  正岡子規

やはり子規は、絶妙である。
さて、私が思い付いた句は、どんなであったかが、一向に思いだせぬ。

【天候】
終日、穏やかな快晴。
満月。朝晩、良く冷える。