1165声 病室の窓の桜

2011年03月10日

群馬県の小中学校では、およそ今週から来週にかけて、
卒業式が行われている。
高校生は3月の第1週で、卒業式を終えている学校が多いので、
この時期の平日、街で頻繁に見かける。
この卒業式を終えれば、彼らには「春休み」と言う、
モラトリアム成分の濃い、休暇がまっている。

就職の決まっている、高校生や大学生などは、
入社先から早期研修に駆り出される事もあろう。
進学する学生らにも、入学先から、
宿題が課せられているやも知れぬ。
それらをかいくぐって、是非、一人旅にでも出掛けるのがよかろう。
と言う事を、入社も、入学も、遠い昔の思い出になってしまった、
一社会人として、切に思う。

私の春休み。
あれは、中学から高校に進学する、時分。
その期間を、病院で過ごした事がある。
病気、で入院していたのではなく、怪我で、入院していた。
中学3年生時分の冬、校庭の鉄棒でしくじって、
ちと、ややこしい骨折をやってしまった。
即日、入院して、骨を固定するボルトを埋め込んだ。
春になって骨折も治り、そのボルトを除去する為の、
手術入院、なのである。

在学中であった1度目の入院は、クラスメートや友人、先生などが、
連日病室に来て、落ち着く暇が無い。
卒業後の春休み、2度目となる入院は、お見舞いに来る者もめっきり減り、
落ち着いて入院できた。
入院中に、病院の近所の蕎麦屋に行って、ざるそばなどたぐっているのだから、
相当、自由に行動していた。
思えば当時の私、一人旅でもしている様な感覚だったのかも知れぬ。

退院の日の朝。
起床して、病室のベットから窓のカーテンを開けたら、景色。
朝日を浴びている、駐車場の桜の樹々。
空を走る枝の所々に、綻んでいる蕾を発見した。
しみじみと、これからの高校生活の事を思った。

【天候】
終日、風雲多くも、穏やかな快晴。