1170声 ろうばいの郷

2011年03月15日

丁度、一月前のこと。
松井田町の「ろうばいの郷」を車で通ると、満開を迎えていた。
妙義山を背に置き、早春の日差しを一輪に集めている、ろうばいの木々。
車を停め、そぞろ歩けば、風に漂う、やわらかな香り。
その明媚なる景色に、そこはかとなく、心が安らいだ。

ろうばいはろうばいでも、心安らげない方の「ろうばい」が、
現在、郷では咲き乱れている。
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震) の影響を受け、
巷の量販店では、所謂「買占め」が目立っている。
つまり、コンビニやスーパーで、米、パン、飲料水などを、
買い物かごに山積みにして買って行く人たちが、多くみられるのである。
報道などを見て、不安に駆られた消費者の心理状況が、色濃く出ている。
これによって、現状、生活必需品は、品薄状態と言える。

昼に、弁当を持って、スーパーのレジに並んでいた。
私の前に会計している、おばちゃん。
何やらインスタント食品を、仰山かごに詰め込んでいる。
その中に、1Lの牛乳パックが3つ。
「育ち盛りの子供が何人いるんだよ」
などと、思わず、心の中でつっこみを入れてしまった。

小学校の時分。
隣のクラスの給食が、何らかの事故で無くなったとする。
それを知ったら、当然、自分のクラスの給食を分けてあげる。
そう言う風に、育ってきた。
隣のクラスの友達が、もし、お腹が減っていたら。
昼休み、一緒に遊ぶ元気が出ないではないか。

おばちゃんは、ガサゴソと忙しげに、商品をビニール袋に詰め込んでいる。
全て詰め終え、両手にビニール袋を持つと、
BOXティッシュが持ち切れない。
一寸、考えを巡らす。
結局、買い物かごに袋を入れ、BOXティッシュをその上に乗せ、
かごごと持って行ってしまった。

【天候】
日中、穏やかな晴れ。
夕方より雲多く、夜半にかけて下り坂。
依然として、花粉大量飛散。