丁度、一月前のこと。
松井田町の「ろうばいの郷」を車で通ると、満開を迎えていた。
妙義山を背に置き、早春の日差しを一輪に集めている、ろうばいの木々。
車を停め、そぞろ歩けば、風に漂う、やわらかな香り。
その明媚なる景色に、そこはかとなく、心が安らいだ。
ろうばいはろうばいでも、心安らげない方の「ろうばい」が、
現在、郷では咲き乱れている。
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震) の影響を受け、
巷の量販店では、所謂「買占め」が目立っている。
つまり、コンビニやスーパーで、米、パン、飲料水などを、
買い物かごに山積みにして買って行く人たちが、多くみられるのである。
報道などを見て、不安に駆られた消費者の心理状況が、色濃く出ている。
これによって、現状、生活必需品は、品薄状態と言える。
昼に、弁当を持って、スーパーのレジに並んでいた。
私の前に会計している、おばちゃん。
何やらインスタント食品を、仰山かごに詰め込んでいる。
その中に、1Lの牛乳パックが3つ。
「育ち盛りの子供が何人いるんだよ」
などと、思わず、心の中でつっこみを入れてしまった。
小学校の時分。
隣のクラスの給食が、何らかの事故で無くなったとする。
それを知ったら、当然、自分のクラスの給食を分けてあげる。
そう言う風に、育ってきた。
隣のクラスの友達が、もし、お腹が減っていたら。
昼休み、一緒に遊ぶ元気が出ないではないか。
おばちゃんは、ガサゴソと忙しげに、商品をビニール袋に詰め込んでいる。
全て詰め終え、両手にビニール袋を持つと、
BOXティッシュが持ち切れない。
一寸、考えを巡らす。
結局、買い物かごに袋を入れ、BOXティッシュをその上に乗せ、
かごごと持って行ってしまった。
【天候】
日中、穏やかな晴れ。
夕方より雲多く、夜半にかけて下り坂。
依然として、花粉大量飛散。