1498声 傘から出でざる息

2012年02月07日

朝から雨。
と言うのも、今年は初めてだし、随分と久しぶりである。
朝から日が出ておらず、どんよりと曇った空を眺めながら溜息をひとつ。
子供も大人も、そしていつの時代も、雨降りの朝には、
沢山の溜息が天に上っているのであろう。
地上の家々から、「ぽわんぽわん」と溜息が出てきて、
ゆらゆら上って行く光景が思い浮かぶ。

倦怠感が浮き彫りになった体を、背広に押し込んで家を出る。
傘をさして庭先へ出ると、息が白かった。
白い息は傘の縁まで行って、傘の外へ出ると消えてしまった。
傘の中から出られない様にも見えた。

【天候】
朝から雨。
昼過ぎには止み、その後曇天。