1694声 さびしい音色

2012年08月23日

木曜の句会であった。
いつものことながら、大幅に遅れて先生宅に到着した。
車を庭に停めると、もう薄闇のそこかしこに、句帖を握りしめた人たち。

取り合えず、机の上の残り物で腹ごしらえをして、
落ち着いたところで、裏の田圃まで出掛けた。
月は見えないが、降るような星空と一面の虫時雨である。
遠く、伊香保の灯が風に潤んで見える。

ぽつりぽつりと句を作り始めて、ふと、気がついた。
かすかに、かすかに、鈴を振るような音色。
鈴虫、である。
それも野生の。
近年、野生の鈴虫は激減しているので、とても久しぶりに聴いた。
しばしその繊細な音色に聴き入っていたが、
一匹しかおらず、さびしい音色である。
それでも、やはり、鈴虫の音色は他とは一線を画す趣がある。
句としては結実しなかったが、小さな感動を得た。

【天候】
終日、快晴。