秋気が日を追う毎に澄んできて、
朝の珈琲の香りが、心地好くなってきた。
まだ、日中は蝉の声を聞くが、夜には虫の音が聞こえ、
窓を開けていると肌寒いくらいである。
このくらいの気候になってくると、冷えたピルスナー麦酒よりも、
常温のエール麦酒を飲みたくなってくる。
そうなると、国内で開催されるオクトーバーフェストなども、
そろそろ待ち遠しくなってくる。
毎月参加している俳句会の仲間に、Oさんと言う方がいる。
Oさんはいつも、吟行場所である公園に、自転車で来る。
春も深まったその日も、颯爽と自転車で来て、木陰に停め、私の所へ歩いて来た。
片足を引きずるように歩いていたので、「怪我ですか」と問うと、Oさん。
苦虫を噛みつぶしたような表情で、「つーふーだよ」と、一言。
痛風。
風が吹くだけでも、痛いと言うのは聞いているし、
Oさんの表情を見ていれば、その具合が伝わって来る。
句会が終わり、会場から駐輪場まで、足を引きずりながら帰るOさんは、
冷や汗流しながらとても辛そうだった。
そのOさん、先月の夏の句会には来なかったので、おそらく足が痛むのであろうか。
メールでの不在投句で、Oさんの句には、「冷酒」と言う季題を使った句が多かったので、
静養していても、酒は飲んでいるのだろうかと、心配になった。
これから、夏にも増して、麦酒の美味い季節の到来である。
その入口にある今日この頃、Oさんの具合を心配すると共に、
自分の事も心配になっている。
読書諸氏で、もし俳句をたしなむ人は、夏に詠んだ句を見てみるとよい。
冷酒、麦酒などの句が多い人は、要注意かも知れない。
痛風になるのは、そのほとんどが男性、と言う。
「痛風になったら、痛風の句でも作るか」
なんて、Oさんの苦悶の表情を思い出したら、気軽に言えない。
私に場合は、痛風よりも、まず心配すべきは最近顕著になってきた、
麦酒腹かも知れない。
Oさん、秋の句会には出てくるだろうか。
【天候】
終日、曇天で涼しい日和。