80代の半ばに差し掛かる私の祖母祖父は、田舎で静かに暮らしている。
不精をして、余りか顔を出してなかったのだが、
先日、お盆も近い事だし、行ってみた。
暫く見ない内間に、また一回り小さくなった印象を、特に祖母から受けた。
最近は、めっきり足腰が弱り、外へ出るのが億劫だと言う。
「ちっとんべぇだけど」
そう言って、もういい歳になった私に、いつも、小遣いをくれる。
数年前から、気掛かりな事がある。
今回の訪問も、半ば、それが気になって、足が向いた。
それは、体調も然りなのだが、金銭の問題なのだ。
近年は、振り込め詐欺だとかで、高齢者を狙った詐欺が横行している。
祖母祖父、振り込め詐欺には引っ掛からないが、
細かい詐欺や、高齢者を狙った悪徳商法には幾度となく遭っている。
電気ブレーカー交換においての、過剰な代金請求。
通信販売の、怪しげな健康薬品。
訪問販売の、粗悪品の数々。
私が知るのは、氷山の一角である。
つい先日は、テレビの調子が悪く、電気屋を自宅まで呼んだ。
数分、異常箇所を見てもらっただけで、帰る時、
ガソリン代として約五千円取られたそうだ。
勿論、部品交換も何もしていない。
後で話を聞くと、何も異常は無く、単に、
リモコンボタンの押し間違えによる、勘違いだったらしい。
勘違いするほうも悪いが、それにしても、出張料金五千円は、
ちとボリ過ぎではないか。
この手の、商売以上詐欺未満ってのが、本当に多い。
世知辛い人には、あまり近づいてもらいたくないのだが、
中々、此方の思う様にはならない。
田舎も暮らしにくい。
とは、思いたくないのだが。