584声 世知辛人の侵入を禁ず

2009年08月06日

80代の半ばに差し掛かる私の祖母祖父は、田舎で静かに暮らしている。
不精をして、余りか顔を出してなかったのだが、
先日、お盆も近い事だし、行ってみた。
暫く見ない内間に、また一回り小さくなった印象を、特に祖母から受けた。
最近は、めっきり足腰が弱り、外へ出るのが億劫だと言う。
「ちっとんべぇだけど」
そう言って、もういい歳になった私に、いつも、小遣いをくれる。
数年前から、気掛かりな事がある。
今回の訪問も、半ば、それが気になって、足が向いた。
それは、体調も然りなのだが、金銭の問題なのだ。
近年は、振り込め詐欺だとかで、高齢者を狙った詐欺が横行している。
祖母祖父、振り込め詐欺には引っ掛からないが、
細かい詐欺や、高齢者を狙った悪徳商法には幾度となく遭っている。
電気ブレーカー交換においての、過剰な代金請求。
通信販売の、怪しげな健康薬品。
訪問販売の、粗悪品の数々。
私が知るのは、氷山の一角である。
つい先日は、テレビの調子が悪く、電気屋を自宅まで呼んだ。
数分、異常箇所を見てもらっただけで、帰る時、
ガソリン代として約五千円取られたそうだ。
勿論、部品交換も何もしていない。
後で話を聞くと、何も異常は無く、単に、
リモコンボタンの押し間違えによる、勘違いだったらしい。
勘違いするほうも悪いが、それにしても、出張料金五千円は、
ちとボリ過ぎではないか。
この手の、商売以上詐欺未満ってのが、本当に多い。
世知辛い人には、あまり近づいてもらいたくないのだが、
中々、此方の思う様にはならない。
田舎も暮らしにくい。
とは、思いたくないのだが。