「第1回ぐんまの名店めぐり」から、一夜明けた。
今朝、起床した際、枕もとに空の麦酒缶が2本、立っていた。
枕もとに立たれるってのは、いささか気分が悪い。
おまけに、深酒の余韻が胸に残っており、身体的にも気分が悪い。
しかしながら、深酒の余韻は、昨晩の快宴に比例する。
めぐった名店は2軒。
どちらでも、非常に心地良く、酒食と歓談が楽しめた。
それに、往来から聞こて来る八木節の音頭が加わる、
これはもう痛快であった。
「居心地の良さ」
まずそれを客に提供するのが、
名店を名店たらしめる重要な条件だと感じる。
現在、小難しい顔をして、途切れ途切れな昨夜の記憶を引き揚げている。
そして、断片をつなぎ合わせて、本日、これを記載している場所は、
古びたホテルのタバコ臭い小部屋なのである。
場所は、信州の上田市。
何故か、上田に来てしまった。
今朝、枕もとに麦酒缶が2本立っていた事は、前述した。
その後、麦酒缶を退けて、寝床から這い出す際に、
床に散乱している本が目に入った、著者、池波正太郎。
そう言えば、昨晩深い時刻、太宰治論議を首に青筋を立てながら、交わしていた。
話を戻す。
記憶の引き揚げ作業は、稀に、思いがけぬも記憶を引き揚げてしまう事もある。
そう言えば、上田市街地に在る「池波正太郎・真田太平記記念館」は、
非常に見応えがあると、知人から聞いた。
時刻は未だ午前中。
其処で思い立ち、一寸、二日酔いの緩和も兼ねて、
足を延ばす事にしたと言う訳なのだ。
上田市街地は、七夕祭りの最終日。
夕方から、小雨が降り出し、山向こうに雷も聞こえる。
人通りも疎らで、街は落ち着いている。
今宵、桐生の名店に負けない店と、出会えれば良いんだけどなぁ。