635声 流れ作業のかがり火効果

2009年09月26日

夜、近所の日帰り温泉へ行った。
行きつけの日帰り温泉なので、風呂場での行動は慣れたものだ。
浴室へ、入ってから出るまで、風呂を楽しむと言うよりは、
流れ作業式に、一連の動作を黙々とこなすと言う感がある。
体を洗ってから、サウナへ入る。
サウナから水風呂へ入り、またサウナ。
幾度かこの往復を繰り返して、露天風呂へ入る。
露天風呂から内湯へ浸かり、最後に体を軽く流して出る。
三度の食事を取る様に、あるいは顔を洗って歯を磨く様に、
生活の一部である風呂場での行動は、自然とその所作に無駄が無くなる。
公衆浴場で、良く見掛ける常連客を見ると、皆一様に、流れ作業式入浴方法である。
その流れ作業の中で、ふと千思万考の機会を得るのが、露天風呂へ浸かっている時。
此処の露天風呂には、温泉から出る天然ガスを利用したかがり火がある。
夜空の下、生き物の如く揺らめく炎を見つめ、滔々と湧き出る湯の音を聞きながら、
湯に浸かる。
物を考えるには打って付けの環境なのである。
しかし、どう言う訳か、揺らめく炎を裸で見つめていると、どうも、太古の人間の心持になる。
太古の人間の心持がどう言うものかは分からないが、
つまりは、本能を刺激される様な心地である。
若干ではあるが、野性的な思考回路になる。
そして風呂上がり、銭湯では無いので、腰に手を当て瓶牛乳とは行かない。
決まってコーラを飲む。
今日も例外無く、自動販売機でコーラを買ったのだが、
押したボタンは普通のコーラであった。
いつもなら、ダイエットコーラだの、ゼロカロリーコーラだの、
カロリーオフの商品に手が伸びるのだが、今日は違った。
これも、かがり火効果の影響だろうと思う。
久しぶりに飲む普通のコーラは、なんだか野性的な味がした。