862声 雨にけぶる山並み

2010年05月11日

仕事で西上州、下仁田町、南牧村、上野村へ出掛けた。
今日は朝から雨降り。
久しぶりの、まとまった雨である。
そして、久々に見る山間渓谷の風景からは以前にも増して、
緑が生い茂っている印象を受けた。
一雨ごとに、山の緑も濃くなり、てらてらと艶めかしい生命力の充満を感じた。
その山間の道。
車を走らせていると、窓の向こうの山肌から、立ちのぼる湯気が見えた。
雨に降られ、山がけぶるっているのである。
その光景は何だか、風呂上がり、腰巻タオルのおやっさんを連想させた。
そう思うと、雨に濡れた艶めかしい山々も親しみやすく見え、軽く苦笑い。
小糠雨に降られている山は、何だか、気持良さそうであった。
晴耕雨読。
の生活と聞けば、悠々自適ながらも、雨の日、屋内に逼塞し晴れの日を待ちながら、
本を読んでいる印象を持っていた。
しかし、雨にけぶる山を見て、その解釈を新しくした。
晴耕が叶わない、雨読の日。
屋内に居ながらも、窓を開け、雨にけぶる山並みを眺めながら、本を読む。
軒先から落ちる雨音が奏でる調べを、BGMとしながら。