晴れているが風が強い。
そんな、得なのか損なのか、判断に困る天気だった。
私などはどうも、未だ花粉症を引きずっていて、油断していると「ツーッ」と、
鼻水が垂れて来る始末。
今日みたいな日は、一層、症状が顕著になる。
一日、何か、ここに書くべき目新しい事柄はなかっただろうか。
などと考えていると、自らの日常が、如何に変化に富んでいないかを思い知る。
変わっている事と言えば、朝、夕の食膳の内容くらいなもので、
時にそれさえも怪しい。
では、先程済ませた食膳の内容から、着想を得る事にする。
巷では、「食べるラー油」なる関連商品が、爆発的に流行しているらしい。
「江戸むらさき」で有名な、桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」、
と言う商品がこの市場の火付け役。
江戸むらさきの様に瓶詰になっており、食べ方も一緒でご飯の上にかけて食べる。
この食べるラー油市場が沸騰するや、次々に関連商品が乱出し、
3月から4月にかけては、市場で品薄状態が続いていた。
そして今夕、私が食べ終えたのは、この食べるラー油であった。
私が食べていたのは、桃屋と人気を二分する、
ヱスビー食品の「ぶっかけ!おかずラー油」と言う商品。
丁度、一月前くらいに、心ある人から頂いたのだ。
その時分は、品薄状態だったろうから、その人は骨を折って入手されたのだと思い、
感謝しながら箸を進めた。
桃屋の商品の味は、私には分かり得ないが、このラー油は美味しい。
美味しい、と素っ気無い表現だが、味に関するボキャブラリーが少ないので、
勘弁願いたい。
と同時に、この商品の流行から「丼」隆盛の予感を感じた。
この商品の醍醐味である、「ともかく飯にぶっかけて食う」と言う点は、
まさに丼料理の本義である。
この商品で手軽に作る「ラー油丼」が、広く人気を得ていると言う事は、
丼料理が広く人気を得ていると言う事になる。
それを裏付ける様に、牛丼チェーンの「すき家」などは、低迷する外食産業の中で、
大いに繁盛している。
巷の飲食店では、猫も杓子も丼料理。
そう言う苛烈な丼の流行は、酒飲みには酷な流行である。
現に私は、この食べるラー油をかけていたのは、あつあつのご飯、でなく冷奴。
それで麦酒を一杯、やるのが至福だった。