864声 食べるラー油で飲むビール

2010年05月13日

晴れているが風が強い。
そんな、得なのか損なのか、判断に困る天気だった。
私などはどうも、未だ花粉症を引きずっていて、油断していると「ツーッ」と、
鼻水が垂れて来る始末。
今日みたいな日は、一層、症状が顕著になる。
一日、何か、ここに書くべき目新しい事柄はなかっただろうか。
などと考えていると、自らの日常が、如何に変化に富んでいないかを思い知る。
変わっている事と言えば、朝、夕の食膳の内容くらいなもので、
時にそれさえも怪しい。
では、先程済ませた食膳の内容から、着想を得る事にする。
巷では、「食べるラー油」なる関連商品が、爆発的に流行しているらしい。
「江戸むらさき」で有名な、桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」、
と言う商品がこの市場の火付け役。
江戸むらさきの様に瓶詰になっており、食べ方も一緒でご飯の上にかけて食べる。
この食べるラー油市場が沸騰するや、次々に関連商品が乱出し、
3月から4月にかけては、市場で品薄状態が続いていた。
そして今夕、私が食べ終えたのは、この食べるラー油であった。
私が食べていたのは、桃屋と人気を二分する、
ヱスビー食品の「ぶっかけ!おかずラー油」と言う商品。
丁度、一月前くらいに、心ある人から頂いたのだ。
その時分は、品薄状態だったろうから、その人は骨を折って入手されたのだと思い、
感謝しながら箸を進めた。
桃屋の商品の味は、私には分かり得ないが、このラー油は美味しい。
美味しい、と素っ気無い表現だが、味に関するボキャブラリーが少ないので、
勘弁願いたい。
と同時に、この商品の流行から「丼」隆盛の予感を感じた。
この商品の醍醐味である、「ともかく飯にぶっかけて食う」と言う点は、
まさに丼料理の本義である。
この商品で手軽に作る「ラー油丼」が、広く人気を得ていると言う事は、
丼料理が広く人気を得ていると言う事になる。
それを裏付ける様に、牛丼チェーンの「すき家」などは、低迷する外食産業の中で、
大いに繁盛している。
巷の飲食店では、猫も杓子も丼料理。
そう言う苛烈な丼の流行は、酒飲みには酷な流行である。
現に私は、この食べるラー油をかけていたのは、あつあつのご飯、でなく冷奴。
それで麦酒を一杯、やるのが至福だった。