869声 瓶の向こうに思い描く

2010年05月18日

昨夜は、高崎市街地に、この度目出度く開店する、知人の店へ御邪魔していた。
レンガ調の壁や、舶来の調度品が並ぶ、そのカフェ・レストランの店内。
開店を祝う人たちで賑わっている中、私も麦酒などを片手に歓談。
非常に心魅かれたのが、店内の或る設備。
それは、瓶麦酒が冷やしてある保冷庫。
保冷庫なのだが、なんと表現すればよいか、蓋が無く、中には水と氷が入っており、
その中に瓶麦酒が沈んでいるのだ。
丁度、小さなバスタブを思わせる設えで、チェーン付きの水抜栓など、
まさしくバスタブのそれである。
こそこそと、その保冷庫に忍びよっては、羨望の熱い眼差しで眺め、
麦酒を一本手に取る。
と言う行動を、繰り返していた。
麦酒を取る為に、氷水の中に手を入れた際の、心地好く冷たい刺激、
良く冷えたその麦酒の味も、何だか瑞々しく、新鮮に感じた。
「欲しい」
ったって、家に置く場所がある筈もないし、かと言って、
家の浴槽に水と氷を入れたのでは、洒落た雰囲気に欠ける。
だから、羨望の眼差しなのである。
私が手に取るこの緑色した瓶の麦酒は、ハートランド。
このビール、多くの人が舶来品と思っているが、実はキリン。
しかし、この爽やかなピルスナービールを飲みつつ、想い馳せるのは、遥かなる異国。
そして、思い描くのは、夜毎の繁盛に活気づいている、この素敵な店。