882声 シュークリームの形

2010年05月31日

今日はやけに、御菓子に縁があった一日だった。
朝起きて身支度をしていると、どうにも体に倦怠の色が濃かったので、
冷蔵庫からアルファベットチョコレートを出して、2、3個食べた。
甘い物に倦怠を取り除く成分がある。
なんて事は無いのだろうが、疲労や倦怠を感じている時は、そこはかとなく、
体が甘味を欲している様な気がする。
それは、日中も続いていて、仕事中、飲み物を買いにコンビニへ寄ると、
ついでにシュークリームを買ってしまった。
思い当って、家へ帰ってから本棚を探してみると、目当ての本が見付かった。
内田百?の著作、「御馳走帖」である。
その中に、「シュークリーム」と言う随筆があるのだ。
『私が初めてシュークリームをたべたのは、明治四十年頃の事であらうと思ふ。』
という書き出しなのだが、まず、シュークリームが明治四十年頃から、
既に日本で販売されていたと言う事に吃驚する。
シュークリームには悪いが、昭和の中頃に日本にやって来た、
つまりはショートケーキなどが台頭する日本洋菓子界では、
随分と新参者の御菓子だと思っていた。
それが、随分と古参の洋菓子だったのだ。
百?先生が高校生だった時分、夜、机に向かって勉強していると、
シュークリームが食べたくなって来る事があった。
そんな時は、百?青年を溺愛している祖母に言って、買って来てもらっていたと言うのだ。
暗い町に下駄の音をさせながら祖母が向かう先は、文房具屋。
その時分(百?先生の故郷、岡山で)は、文房具屋でシュークリームが売っていたらしい。
その頃のシュークリームがどんな形をしていたか、文中にその描写は無いので、気になる。
現代とほぼ同じだと想像するが、もしかしたら、違うかもしれない。
私が今、これを書きながら食べているのが、また御菓子なのだが、最中である。
「スバル最中」と言って太田市の銘菓で、その形は自動車。
レガシィと言う、スバルの看板車種の形なのだから、
そのシュークリームだって、丸まったキャベツの様な形かどうかは、分からない。