4711声 魔法みたいに

2021年03月12日

2021年の3月11日の黙祷は、前橋市の小学校の教室の中だった。今日たまたま学校の撮影で、午後2時46分を迎えた。担任の先生は「みんなは覚えていないかもしれませんが、あの時生きれなかった子どももいます。あの時生まれた子どももいます。静かに、思いましょう」という声かけをした。そこにいた小学6年生の子どもたちは震災当時2才。もうすでに東日本大震災を知らない子どもたちが育っているということに、時間の厚さを思った。

 

夜ふとyoutubeを見たら、寺尾紗穂さんの自身のチャンネルに「魔法みたいに」という過去曲がアップされていたことを知った。音楽発信も時代とともに代わり、彼女は自分の過去作の音源を次々にアップしている。いちファンとしては嬉しい。そして僕はこの曲を聞くと、ある友人夫婦と、2011年直後にその夫婦が営んでいた八百屋にふと訪れた福島出身のMさん夫婦を思い出す。僕が撮影でその八百屋にいたら、Mさん夫婦がひょっこり訪れたのだ。

 

もしも2人が笑えるのなら 美しい時を歌えるのなら 欺く言葉に立ち向かえるよ 魔法みたいに

 

震災直後にMさん家族が僕の会社近所のホテルに避難してきたことで、僕はMさん夫婦と知り合った。どんなに大変な状況にあっても、Mさん夫婦とその子どもたちは、他の家族同様に、家族としてそこにいた。もちろん1人で色々なことに向き合っていた、向き合ってきた人もいたとは思うが、八百屋にて笑い合う友人夫婦とMさん夫婦をみて、当時から好きだった寺尾紗穂さんのこの歌の通りのことが、この2組の夫婦にもたらされると良いなと思った。