1週間ほど前、豊洲市場の初サンマのニュースを見た。
卸値は、1キロ12万円とのことで、過去最高値を2年ぶりに更新した。不漁の影響だという。一匹あたり1万3,200円とのこと。
落語、『目黒のさんま』では、下魚ゆえ将軍様の口には入らなかったサンマだが、この値段ではもはや下魚ではなく、高級魚、将軍様の魚である。
サンマの話を書いたのは、所属している俳句の会の提出兼題が「秋刀魚」のためだ。俳句の結社を、わたしは他に知らないので、確かなことはいえないのだが、俳句をやる人は、季節を先取りする傾向があるようにおもう。
わたしは、『客観写生』とかでは、ほぼ俳句をつくれないので、構わないといえば構わないのだが。
それでも、あまりに先取りの兼題だと気分がのらない。写生を意識して詠むこともあまりないのだが、今年のさんまの匂いもかがずには、流石に俳句も浮かんで来ない。とはいっても、提出句をつくらねばならない。ということで。
今はむかし殿垂涎のさんまかな
下魚とはなんぞや高値の初さんま
庶民には秋刀魚は冷凍に限る
あえて命名すれぱ、当季妄想詠といったところか、いや、ちょっと違うか。