昼間、である。
郊外の幹線道路を何気なく運転していると、
視線が釘付けになった。
そこは、カラオケ店。
店舗入口脇の駐車場に、夥しい数の自転車が連なっている。
その自転車の大半。
後輪の泥除けに、鑑札シールが貼ってあるので、
学生の自転車だと言うのが一目瞭然。
3月の平日の昼間。
群れをなして街にいる学生。
と言えば、十中八九、卒業生だろう。
卒業の解放感。
級友と別れる寂しさや、新生活への期待。
様々な感情が交錯し、兎も角もう、馬鹿騒ぎをしているのだろう。
一寸、羨ましく思いつつ、進んで行く車は、いやが上にも、
私を現実世界へと運ぶ。
すると、前方。
随分と安全運転の車が、一台、二台。
よく見れば、路上教習中の車、である。
3月の平日の昼間。
路上教習中の車と言えば、十中八九、卒業生。
だと、これは言い切れないかも知れないが、おそらく間違いない。
桜が咲く頃には、彼らは新しい生活を始めるのだろう。
郷里の群馬県に残る者、そこから離れてゆく者。
このY字路を、進む時。
どちらの路でも、大丈夫。
必ず、桜は咲いているのだから。
【天候】
終日、雲多くも晴れ。
やや風強く、朝晩特に冷える。