1159声 3月の平日の昼間

2011年03月04日

昼間、である。
郊外の幹線道路を何気なく運転していると、
視線が釘付けになった。
そこは、カラオケ店。
店舗入口脇の駐車場に、夥しい数の自転車が連なっている。

その自転車の大半。
後輪の泥除けに、鑑札シールが貼ってあるので、
学生の自転車だと言うのが一目瞭然。
3月の平日の昼間。
群れをなして街にいる学生。
と言えば、十中八九、卒業生だろう。

卒業の解放感。
級友と別れる寂しさや、新生活への期待。
様々な感情が交錯し、兎も角もう、馬鹿騒ぎをしているのだろう。
一寸、羨ましく思いつつ、進んで行く車は、いやが上にも、
私を現実世界へと運ぶ。
すると、前方。
随分と安全運転の車が、一台、二台。
よく見れば、路上教習中の車、である。
3月の平日の昼間。
路上教習中の車と言えば、十中八九、卒業生。
だと、これは言い切れないかも知れないが、おそらく間違いない。

桜が咲く頃には、彼らは新しい生活を始めるのだろう。
郷里の群馬県に残る者、そこから離れてゆく者。
このY字路を、進む時。
どちらの路でも、大丈夫。
必ず、桜は咲いているのだから。

【天候】
終日、雲多くも晴れ。
やや風強く、朝晩特に冷える。