1444声 見慣れぬ句集

2011年12月15日

今日、ふらりと古本屋へ立ち寄った。
俳句関連の棚を見ると、見慣れぬ句集が大量に並んでいた。
この店には、月に一度くらいは訪れており、その都度、俳句関連書籍は、
変わり映えのせぬ品揃えだったので、いささか驚いた。
これは掘り出し物があるかも知れぬと、句集を端から一冊ずつ手に取り、
頁を捲って品定めした。

新しく入荷した句集は全て、とある俳句結社の俳人たちによるものだった。
俳句愛好者であれば、古本屋にこの手の句集が大量に出回る。
と言う事が、何を意味しているかは、大体、察しが付く。
つまり、ある俳句結社に属していた俳人が亡くなった、と言う事を暗示している。
遺品整理で、古本屋に出回って来た書籍ではなかろうか。
本棚に並んでいる句集を見ると、著者は全て同じ結社に属している俳人である事。
そして、その大半に、「著者謹丁」の折り紙が入っている事。
この二つの点から、私の予想はかなり手堅いものだと思う。

古本。
ましてや古書などになれば、四代、五代目の人の手に渡るなどと言う事はざらである。
店内に蛍の光が流れ始めたので、慌てて一冊購入して帰って来た。
その遺品句集と思しき品でなく、地元俳人の句集を買った。
著者の生まれ年は、昭和2年。
平成23年の今年、御健在ならば84歳である。
写真を見る様に、俳句にも「時」が描写されている。
したがって、一冊の句集を読んでいると、
その人の日記を読んでいる様な印象を受ける。
大袈裟に言えば、その人の人生がある。

【天候】
終日、いさかさ雲と風あるも、冬日和。