日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和8年度は4月(坂)5月(ぬ)6月(岡)7月(す)8月(堀)9月(坂)10月(ぬ)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(坂)3月(ぬ)の順です。

5660声 収まること

2023年12月06日

友引の関係などで、亡くなった後、次姉は6日間を家で過ごした。お別れを惜しむ時間が長くあることは良い事だったように思う。

葬儀の一連を通して、清見寺の長田住職が、亡くなった方が成仏するためのあれこれを教えてくれた。なむあみだぶつの南無は「仏様に帰依します」という意味だと言う。僕と同じで全く信心がなかったように思う姉も、その決まりに従って旅に出たのだろうか。

拾骨の時間となり、2人1組で骨を拾う。係の人が手際よく、骨壺の中にすべての骨を収めていく。毎回、すごいものを見せるなと思うのは、そのままでは入りきらない骨をすりこぎのようなものでゴリゴリ潰す工程だ。それを経て、小さな骨壺の中に収まっていく。

ふと、亡くなることとは、それぞれの信仰の中に、骨壺の中に、きれいに収まっていくことなのかな、と思った。そしてその事に対して、自分の中に小さな怒りのようなものがあるのを感じた。人間がそう簡単に収まってたまるか、というような。

暖かい日だった。信心はないが、これは姉がそうしてくれたのかな、と思った。

5659声 なにげない生活

2023年12月05日

お昼に、悠貴さんが線香を上げに寄ってくれた。お寺や友引の関係で葬儀は明日となる。おかげでいくらか長い間、亡き姿の姉は実家にいることができている。たまに、棺桶を空けて顔を見る。病院で色々があった時は涙も出たし、いろいろな事を考えたが、今は静かな気持ちでいる。諸々を考え終えた・・というよりは、こんなに直面しつつも未だ実感が持てないのかもしれない。親父が亡くなった時も、実感を持つまでに数か月かかった気がする。そんな自分を否定もせず、そういうものかと淡々と過ごしている。

北軽から来てくれた彼女のために、酒徒著「あたらしい家中華」を読んで、客家式・蒸し豚と白菜の黒酢炒めを作った。急遽こしらえている別室のこたつに母と3人、飯を食べた。我ながら上手に作れた。食べ物の話や猫の話などをしながらばくばくと平らげて、親戚からもらった長ネギを悠貴さんの軽トラに乗せ、彼女は帰って行った。

先月は家族に限らず色々なことがあり、過去例にないくらい辛い1か月だった。渦中考えたことは「本当に大事なことは何か」ということだ。そしてその一番に「大事な人との生活」が浮かんだ。何を当たり前のことを、と思う人もいるかもしれないが、当たり前だと思って常に蔑ろにしてきたことだった。いつまで続くかはわからないが、なにげない生活を大切に暮らしていきたいと思っている。

5658声 あたらしい家中華

2023年12月04日

料理はかなり好きなので、料理雑誌をたまに買う。1冊の中から2~3個作れば良い方で、たいがいはそのまま読まなくなったり、1品を作るだけに買った豆板醤やクミンスパイスなどが台所で開かずの調味料となっている。・・が、出版することをSNSで知り楽しみにしていた本がある。メディアでも取り上げられて売れている、酒徒著「あたらしい家庭中華」(マガジンハウス)である。

この酒徒さんという人の存在は、SNSで知っていた。料理人や料理研究家ではなく、中華料理愛好家を名乗り、中国を渡り歩いての成果をツイッターやnoteに上げていた。そのどれもがシンプルで美味しそうで、でもnoteは課金しないと読めないようになっていた。そして、満を持しての初レシピ本の販売である。

中華料理というと、四川、広東、上海、北京、全体のイメージとして油こってこての濃くて香辛料が効いた味、というものがあるが、この本の良いところは「飲食店ではなく、普通の家庭の味をリサーチして再現」したところ。特殊な調味料は使わず基本は塩、醤油くらい。紹興酒を使ったりはするが、出汁を特別に作ることもなく、素材となる野菜や肉の持ち味と、火の通し方の組み合わせであっさり飽きない味になる。普段やらなかった「蒸す」という工程が多く、野菜も肉も蒸すことでこんなに美味しくなるのかという驚きもあった。

もう2回作ったが、例えば里芋の葱油炒め。大量の里芋を柔らかくなるまで蒸し、皮を剥く。菜種油でネギを炒め葱油を作り、蒸した里芋を入れてごく少量の水と塩を入れ鍋を振る。それだけで、とろっとろの里芋が葱の香に包まれ、ちゅるんちゅるんと胃に吸い込まれていく。

一言でほめるなら、どの料理も(まだ6品くらいしか作っていないが)「母ちゃんが子どもに小さいころから食べさせていたら、おふくろの味になる」感じなのだ。素朴で、飽きない。しみじみと旨い。

「あたらしい家庭中華」は書店員のおススメや口コミで売れているらしい。僕も、仕事でお付き合いのある普段から料理上手・・というか料理マスター的な人にあえて読んでみせたくて、2冊目を購入した。

5657声 スマイルスマイル! 

2023年12月03日

数年ぶりに「中之条まちなか5時間リレーマラソン」が開催された。どんなイベントかと言うと、名前のまんま。群馬県中之条町のまちなかで、5時間リレーマラソンをするのだ。コロナ禍では中止せざるを得ないイベントだったに違いない。この夏に見た中之条町の夏祭りでも思ったのだが、参加者たちのたくさんの顔に「数年我慢した後のハレの日」的なはつらつさを見ることができた。

タイトルには含まれないのだが、「仮装」もこの大会の大事な要素。必須ではないが、凝った人たちはほんと「欽ちゃんの仮装大賞」ばりに(例えが昭和)気合が入っている。リオのカーニバルみたいな露出衣装を着て走るおじさんや、着ぐるみを着て走る(歩く)人、仮装大賞を獲ったのは(そういう賞もあります)ゲゲゲの鬼太郎のチーム仮装だった。目玉の親父は段ボールで作った巨大茶碗を腰に持って走ったらしい。

数年ぶりの開催で数年ぶりに撮影ボランティアとして参加したのだが、コースの途中、写真を撮って掲示するサービスがあり、カメラマンの隣でその相方?らしきおじさんが走ってくるランナーに対して「ほら、写真撮ってますよ!スマイルスマイル!」と絶えず声出しをしていて、そばにいた友人と共にその声出しおじさんを微笑ましく見ながら

あ、コロナ禍は過去なんだな

と今更ながらに思った。

5656声 成功者

2023年12月02日

アートに詳しくない、という人も、奈良美智という名は聞いたことがあるのではないか。名に覚えがなくても、あのちょっと目つきが悪い子どもの絵、は一度は見たことがあるに違いない。

群馬県渋川市にある美術館「ハラミュージアムアーク」では、奈良さんの作品を常設展示している。今現在、奈良さんの故郷である青森の「青森県立美術館」で彼の大規模な個展「The Beginning Place ここから」を開催しており、渋川にあった奈良さんの作品も青森に貸し出されている。その間、新たに映像や写真、ドローイングを展示するというので、本人がそれを展示する様子やインタビューを撮影させていただいた。

奈良美智インタビュー(Full Ver.)原美術館ARC

そして今日は、県外からも多くのファンを招いてのトークだった。撮影のために機材を運び込む。トーク会場が奈良さんの彫刻作品をはじめ、プライスレスな作品が展示された展示室というのだから撮影もちょっと緊張した(壁際にカメラ置いたりしたからね)。

青森の展覧会もあり、話は青森での奈良さんの幼少期の話から始まった。昭和34年生まれの彼。田舎で撮られた生まれた頃や子ども時代の写真を見るに、日本アート界のトップランナー的な華やかさはない。もともと美術家を目指していたわけでもなく、絵が上手いよねと周りに言われて(なんで皆下手なんだろうと思っていたらしいから流石だ)美大へ進んだ。小学校の頃の集合写真を見て、驚くべきことに名前を今も覚えていて、だれだれはこうで、だれそれはこうで、と話している様子を見て、子どもを描き続ける彼の中ではきっと今も、その頃の思い出が大切なのではないか・・などと撮影しながら話を聞いていた。

「(今は)写真が面白い。キャンバスを貼ると、絵を描かなくちゃいけなくなるから」という話には、絵の成功者であることの辛さもあるように思った。多くの人が画家・奈良美智を求める中で、それに応えていた時期もあったろうし、子どもたちと一緒に絵を描いて値が付かないような作品を作る今もあるし、むしろ人のためにではなく自分のために描いていくこれからが続いていくのだろう。

成功者であることの辛さ・・・一度は味わってみたいなぁ・・・

5655声 12月1日

2023年12月01日

業者の方を家に招き入れ、お隣さんに事情を話す。長姉の到着を待って、共に銀行、役場で手続きを済ませる。家に戻り簡単に昼飯、母に留守番を頼み、姪っ子たちも乗せて近所のスーパーへ。次姉の好きだった菓子や寿司などを買い帰宅。再び業者の方が来て形式立ったものを行い、入れ替わりで住職が来てお経を上げて下さった。台所で簡単な茶碗蒸しを作り、みんなで晩御飯を食べた。長姉や姪っ子たちが帰り、母と2人。昨晩、次姉が亡くなった。まだそこそこ若いが肺の病で入退院を繰り返していた。外に対して無欲で、自分の世界を生きた人だった。風呂上がりの家は線香の香りで満たされている。

5654声 爆走

2023年11月30日

雲多くも冬ぬくし。昨晩は月がよく見えた。つねにインフルやコロナとニアミスしてきたが、何とか十一月も走り抜けられた。来年の句会の為、事前投句を三句。来年二月締切の同人作品用の作品をまとめはじめる。定例のWEB句会も投句を済ませ、あとは先日の鼎談の校正が来ればはやく確認したいところだ。人気作家の作品について、やや辛辣な発言をしてしまったが、それは本当にそう感じたのだからその通り掲載して欲しいのだが、本文に起こしたときにニュアンスなどが気になっている。本当のことだからそれでいいのだ、ということでは相手に真意は伝わらないのである。文章も俳句もそう。さて、明日から師走。明日からの担当は、今日も爆走しているであろう岡安氏です。

5653声 金沢の肝臓

2023年11月29日

雲多めながら、この時期にしては暖かな一日。健康診断の結果が最悪だった。その内容は、肝臓の数値と中性脂肪が多いという、完全に自業自得なものであった。とりかかっていた同人誌の原稿にケリを付ける。これでとりあえずはひと段落。WEB句会に十句投句。週末の句会、こちらはリアル句会なので、当日までに句を作らねばならない。句会の前日に金沢にいくことになっているので、そこで作ろうと思う。やはり句も鮮度が大切である。この時期は雨続きで、滞在中もおそらく雨だろうが、さて雨でできるかどうか。そして、金沢なので、肝臓の数値が悪くなることは半ば仕方あるまい。そういえば、昨日が芭蕉の命日であった。合掌。

5652声 苦笑

2023年11月28日

朝方は霜が降りるくらい寒かったが、日中は暖か。何気なくyoutubeで俳句関連の動画を観ていたら、自分の名前が出てきてぎょっとした。句集の朗読であったが、のっけからタイトル名が間違っており、やや苦笑しつつ視聴。引き続き、原稿の手直し。ややきつい表現が多く、こちらの方も自分で自分に苦笑。

5651声 落ち着くものと落ち着かないもの

2023年11月27日

朝方には雨が降ったようだが、冬麗の一日。ここ数日なんだか目まぐるしすぎて落ち着かない。歯の方はだいぶ落ち着いたが、先日、群馬へ帰った際に道端で盛大に転倒してしまい、擦りむいた。今はそっちの方が痛い。昨夜のZoom句会に参加していた知り合いにおそるおそる感想を聞いてみると、お世辞を引いてもなかなか上々だったようで、すこし安堵。苦戦している原稿の手直しを少しづつ進める。

5650声 Zoom句会

2023年11月26日

群馬での用事を終えて、とんぼ返り。割と早い時間に出発したのだが、関越自動車道が妙に混んでいて、年末近いことを実感した。夜には今回講師を務めることになったZoom句会。なんと過去最大の出席者とのこと。伝えたいことはなんとか伝えることができ、自分なりの選も出来た。唯一の心残りは自作の句がヘボかったことである。ともあれ、無事に終わりほっとした。

5649声 だいぶまし

2023年11月25日

三日前から歯が痛んでおり、昨日にもうピークを迎えたので、午前中に歯医者へ。思えば、昨日の鼎談中も歯が痛すぎて終始冷汗が流れていた。案の定、昔に虫歯治療したところが炎症を起こしており、その歯の神経を抜いてもらった。麻酔が残りつつ、用事があり一路群馬へ。今回は下道を延々と北上し、ついたころにはもう日暮れであった。歯がまだじんじんするが、ともかく痛み止めと酒の力で紛らわしていた昨日より、だいぶましである。

5648声 冬紅葉

2023年11月24日

2回目の合評鼎談の収録日。今日は東所沢なので、早めに行って角川武蔵野ミュージアムを観るつもりが、昨日の残りの原稿にてこずり、遅刻ギリギリでの出発することになってしまった。現地について聳え立つミュージアムの脇にある公園でしばし時間調整していた際の、冬紅葉のなんときれいなことか。ミュージアムは鼎談後に観る予定だったが、鼎談の時間が押して、外に出たときにはもう日暮れであったので、断念。皆でラーメン屋で一杯やって帰路へ着いた。

5647声 こどもハイク

2023年11月23日

冬晴れ。朝からJALのビルでこどもハイクの一次審査を行った。天王洲の眺めが良い部屋であった。海外の日本人学校などの通う子どもたちの俳句を、コンテスト用に俳人十名ほどで審査するのだが、クレヨンなどで描いた絵に俳句が書いてあり、楽しかった。審査はスムーズに進み午前中で終わった。ほっこりした気持ちで帰ってきて、午後は所属誌用の原稿の仕上げにとりかかった。

5646声 ゆく川

2023年11月22日

今年もあとわずか、今日の一報によると来年は身辺に少なからぬ変化が起こりそうである。方丈記の「ゆく川の流れは絶えずして…」ではないが、明日のわが身など本当に分からぬものだ。体調芳しからざるも、晩酌は進んでしまう。今日も鼎談のゲラに目を通す、なかなか手ごわい。明日はちょっとした俳句コンテストの審査をするため、天王洲へ。

5645声 読み込む

2023年11月21日

冬麗続く。引き続き、鼎談用にゲラを読み込む。読み込んだが終わらず、やや焦ってきた。句会の欠席連絡等する。掲載された結社誌や謹呈の結社誌などがいくつか届き、ぱらぱらと目を通す。地に足を付けた活動を行わなければならない。来月初旬締切の原稿にそろそろ手を付けなければならない。

5644声 きつい

2023年11月20日

冬日和。花粉症のような症状が続く。冬用のズボンに履き替えたところ、腹がだいぶきつくて履けずショックを受けた。すっきりと体調も良くならないし、年齢と不摂生がたたったのだろう。WEB句会の投句、次回鼎談用の原稿をチェックを始める。

5643声 冬夕焼

2023年11月19日

当然、二日酔いかつ寝不足で具合はなはだ悪し。茫然と過ごしつつ、夕方にリハビリを兼ねて近所を吟行した。クリスマスリースを付けている玄関がちらほら。深酒の影響下にあるこういうときは概ね駄目で、五感が働かず句も出来ず。しかしながら、冬の夕焼けが美しかった。とりわけ、遠くに山影を望む夕景が好きである。私の住んでいる付近では山影は見れないが、大気が澄んでいると、ちょっとした高台から富士山が良く見える。