日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

5422声 没頭する

2023年04月13日

仕入れ。カスゴがとてもいい。朝から晩まで献立のことを考える。ずっと考えていないと見落としやり残しがすぐに出る。ここまで考え続けられるのは料理人になって始めて。時間も体力もあったのに、若い頃はできなかった。やっと当たり前のことができそうな状態が訪れた。身にしみるのが遅い。紐に引っ張られて、総勢16名くらいの園児が散歩している。全員よちよち歩きだから、まだ2歳くらいに見える。このくらいの孫がいてもおかしくない歳だが、まだ成長の余地があるかもしれない。

5421声 チーム仕事

2023年04月12日

いい仕事ができたときは気持ちがいい。そう思える日はそうはない。まずこちらにリズムがあることが大事。お客様をそのリズムに乗せてあげて、お互いに気持ちいいと思える瞬間を探る作業。今日はともちゃんがいいきっかけを作ってくれた。一人仕事はどこまでも一人仕事だが、二人仕事になったとき、それが人数以上になることがある。チーム仕事の醍醐味だと思う。

5420声 ギアチェンジ

2023年04月11日

仕事のないつらさが予定の立たないつらさならば、やることが多すぎて予定が立ちすぎるつらさというのもある。予定が立つというのは、車で言うならギアを入れる状態のことで、予定が立たない、というのはギアを入れない状態か、あるいは低速ギアでいる状態に似ている。予定が立つことに安心を感じることもあれば、予定がないことに安心を感じることもあるのが人間かもしれないが、それは人それぞれで、それは、ギアチェンジの組み合わせは人それぞれ、ということであって、ギアチェンジをする人がいればしないですむ人もいる、ということではないと思う。ギアチェンジをしないですむ人、なんていない。自分以外の何かから要求されたことに従属し続けることができるならばそれも可能なのかもしれないが、従属であれ所属であれ、そこに合わせるためにギアチェンジをするのは自分以外の誰かじゃなく結局自分、と考えるほうが無理がない。うっかりしやすいのは、ギアチェンジはオートマチックに変わると思い込みやすいところである。若ければギアの間違いもガソリンがたくさんあるからやり過ごせるが、歳をとってギアの入れ方を知らないとすぐにガス欠か、故障する。要するに、人間はいつかギアチェンジを覚えなければつらさばかりが増していくということである。大事なのは、低速ギアを知るということだと、とくに、主体的であることに心地よさを感じる傾向にあるタイプはとくに、低速ギアを知ることが大事だと思う。低速ギアとは、最も今に近いモードである。高速ギアは、どうしても先のことに気が行く。そうするとつい、今がおろそかになりやすい。何を言いたいのかというと、生活のあらゆる場面で今に戻る瞬間を意識的に知ることが、自分を保つことにそのままつながると、最近思う。信号待ちのときこそ、人間が試される。

5419声 味談義の夜

2023年04月10日

今日も朝の市場から夕方まで仕込み。予約は19時から。板前仲間が来てくれた。同世代から10歳下くらいまでの店主たち。皆忙しい中休みを合わせて来てくれた。ビールが料理に寄り添うと印象を言われる。味の話ができるのは楽しい。それにしても食べるのが早くて驚く。

5418声 データをとる

2023年04月09日

朝からビールの仕込み。麦芽投入時の湯温が二度違うだけで麦汁の香りが違って感じる。倉林くんが細かいデータをとっている。ともちゃんがつけいてる方のお客様ノートしかり、自分一人ではなかなかできないことをしてくれて助かる。

5417声 回復傾向

2023年04月08日

昨日はゆっくりして早く寝た。今朝は起きられなかったが午後からは動けるように。疲れが溜まっているのだと思うが、こういう動けないときは本当にこれは疲れが溜まっているから動けないのであっていつか疲れが取れれば動けるようになると、にわかには信じがたい。夜のご予約二組。仕事に癒やされる。

5416声 夜中の腹痛

2023年04月07日

昨夜営業が終わって帰ったのが23時過ぎで、今日朝からビールの仕込みをする予定だったので早く寝た。深夜強い腹痛で目が覚めるが時計はまだ0時過ぎ。トイレに行くが下痢じゃない。下腹部と腰回りが締め付けられるような圧迫感で、息苦しく痛みをこらえていたら、右眼が見えなくなった。昨年暮れにも同じことがあり、今と同じように仕事を詰め込んでいた時期だった。眼が見えない時間はおそらく3~4分程で、次第に少しずつ見えるようになった。今回も同じ。前回見えなくなったあとに脳の検査をして異状がなかったので今回は少し落ち着いていられた。それでも見えていた眼が見えなくなるのは動揺する。その間中下腹部はずっと痛い。今回はその後も長く痛みが続き、痛みが治まってきたときは2時半になっていた。意識があってよかった。今日は身体を休めることにした。

5415声 長い一日

2023年04月06日

朝市場へ。特大の鳥貝があり購入。今夜は常連のお客様のため前回と違う料理を仕込む。市場に行く日は起きてから開店まで12時間の時間がある。すべてを仕込みに費やすことは体力的にできないので、夜の営業に体力のピークを持っていくためにも仕込みに費やせるのは長くても、半分の6時間程。残りは休息をメインに献立作成や書類整理など。長い一日だが、自分の好きなことに多くの時間を費やせる一日はありがたい。

5414声 草取りが始まる

2023年04月05日

書類整理の目処がついた。同時に庭の雑草が一気に伸びてきた。草取りの季節が始まる。夜のご予約。知り合いのご夫婦が来てくださった。軽快な会話にこちらが楽しませてもらってしまった。焼場を徐々に使えるようになってきて、炭があるのだから焼物は出したい。夜は食べずに寝た。

5413声 タンパク質レスト

2023年04月04日

ビールの仕込み。タンパク質レストを5分長くした。いつもより麦汁の香りが香ばしい。タンパク質レストは52~54℃で、もしかしたら麦芽だけじゃなく他の食材もその温度帯で一定時間置くと旨みが増すのだろうか?野菜で出汁を取るときに試してみたい。書類整理は今日もできず持ち越し。苦手意識が強い。

5412声 カタルーニャワイン

2023年04月03日

休み。たくさん寝た。過ごしやすい陽気になってきて眠気に誘われる。書類整理をするはずが集中できず。夜、カタルーニャのマカベウというぶどうの白ワインを飲む。シャルドネがレモンならこちらはミカン。飲み口が柔らかく、どこか日本ワイン的でもある。果実味はアルザスに通じるがそこまでのボリュームはない。和食に合いそう。フランスにもイタリアにもないゆるさが心地よい。

5411声 節目に思うこと

2023年04月02日

昨年はつらかった話で4ヶ月前のひとこえが終わり、もどかしいまま、その後もなかなかうまくいかない工事が続いたが、3月に店がオープンして毎日を過ごすうち、少しずつ、落ち着きを取り戻せるようになってきた。

悲しみがわからないと人生は始まらないと思っている。けれども悲しみが深すぎてしまうとそれを跳ね除けるのは容易ではなくなる。押しつぶされてしまうことだってあるだろう。

他者否定の克服はつらさを助長し、自己を傷つけもする。昨年はたくさん自分を傷つけた。けれども店がオープンして仕事ができるようになり、落ち着いていられる時間が増えた。何事もなく全力でお客様に向き合える時間がありがたい。

それで、よーく考えた。そろそろ自分はいいかな、と思った。自分の中のいろいろを放棄するのは、もうこのタイミングなんじゃないだろうか。

中島みゆきさんがうらみ・ますを世に出したとき、彼女は28歳だった。その後39歳で誕生を、49歳で樹高千丈落葉帰根、51歳で銀の龍の背に乗って、このあたりから、自分を、ある面においては放棄した曲の、歌詞の割合が増えた気がしている。ナイトキャップスペシャル、命のリレー、一期一会。そして60歳で恩知らず。

人生が自分のものだと思うやり方では、私はもうこの人生を乗り越えられない。自分はなにかのための容器だと思うことにした。いい機会だと思う。50歳という節目でもあるし。

私は独りが嫌いです/それより戦さが嫌いです/それゆえ違う土地へゆき/懐しがろうと思います(樹高千丈落葉帰根)

失うものさえ失ってなお/人はまだ誰かの指にすがる/柔らかな皮膚しかない理由は/人が人の傷みを聴くためだ(銀の龍の背に乗って)

5410声 マスク3年

2023年04月01日

あれから3年。コロナの話題を聞かなくなった。けれどもまだほとんどの人がマスクをしている。世界中でコロナ収束後もマスクを外さないのが日本人だけならば、実は日本人は日本人特有の、コロナにかかること以上の不安があり続けている表明みたいなものかもしれないと思うのは私だけだろうか。コロナにかかる不安はあれだけ話題になっても、マスクを外せない不安についてはあまり話題にならない。マスクを外せない不安を暗黙に共有してしまうと、むしろそれは全体的安心になってしまう。なぜ自分がマスクを外せないのかは漠然としたまま、言い換えれば不安は不安であるのかどうかもよくわからない漠然としたもののまま安心感を作り出して無意識的に共有してしまうのが、日本人なのだと思う。

5409声 2歳児というのはほとんどプーさんと一緒

2023年03月31日

今日で立ち上げから3年間いた職場が解散となり4月からメンバーも入れ替わり新しい課名となる。
課として実績を上げた3年間を総括して課長が挨拶。仕事の後に、缶ビールを買って自由参加の花見の会を催した。苦労話もありつつ、最後は笑って別れた。良きチームだったと思う。

家に帰り「プーと大人になった僕」を観た。なるほど2歳児というのはほとんどプーさんと一緒なんだ。だからいつも楽しいんだなと妙に納得。月曜からは新しい部下も増えて、1年がスタートする。今週末は妻も休みなのでたくさん娘と遊ぼう。そりゃもう、明日も良い日に決まっている。

5408声 中央アジアのとある国に

2023年03月30日

今年に入ってから上から降ってきた懸案事項。なんとか軟着陸を調整してきたが来年度、中央アジアのとある国に調査に行くことになってしまった。ほとんどの日本人が考えたこともない国だ。3階層ぐらいの上を連れて添乗員になるなんて考えただけでゾッとする。しかも急な話なので資金繰りからだ。。
今日は久々に子供を迎えに行けた。保育園は卒園式だったようだ。来年は一番上の3歳児クラスになる。
入園したころはまだハイハイしてたのに、早いものだ。今日の夕食は冷麺と餃子。痩せる気配はないが、そりゃもう、今日も良い一日だったよ

5407声 おしりフリフリ逃げ回っていた

2023年03月29日

悪意に満ちた湿っていじけたネガティブなメールを受け取りしばし呆然とする。全く自分を客観視してなく、ただ感情的に打撃を加えようとする内容。おそらく社会と有意な関係を築けず、自分の存在意義であった子育てが手詰まり、閉塞している自分しか見えていないのだろう。こういう感情には付き合えないのでスルー。今日は少し遅くなりささきで一杯飲んでから帰宅。ちょうどお風呂を上がった娘が、着替えの手をかいくぐり、おしりフリフリ逃げ回っていた。そりゃもう、今日も良い一日だったよ。

5406声 バナナ1本に大粒の涙

2023年03月28日

今日はG7関係の海外プレスツアーの取材。6カ国から7人の記者。あえてアンリアルエンジンの講座を実施して先進性をアピール。いつもより迎えの時間が遅くなり娘もお腹を空かせたのか「バナナ!バナナ~」と連呼。バナナ1本に大粒の涙をためて全力で泣きじゃくる健気さに打たれる。一生懸命さを見習わないと。家に帰ったらバナナを食べずおにぎりをカブリ。過去の自分に囚われないのも重要ですよね。そりゃもう、今日も良い一日だったよ。

5405声 家族で夜桜

2023年03月27日

今日は妻が都内で展覧会鑑賞のため、いつもより早く帰宅。帰りにお弁当と酒を購入し、家族で夜桜を見に。姉妹都市公園、見事な桜がライトアップされ芝生のフィールドも開けているのに、居たのは我々家族のみ、広い公園とまさに満開の桜を家族で独占。娘は枝を拾ってきたり、何かの碑を一生懸命吹いたり蛙さんがたくさん居るとか言って走り回っていた。漆黒の夜空に映える桜は綺麗だった。そりゃもう、今日も良い一日だったよ。