車を停めて、菓子パンを齧っていると、窓の外。
枯田の畝に沿って、ちょこちょこと歩いて行く、野鳥が一羽。
瞬間。
俳句の題材になりそうな景色だったので、ペンを取って、
写生句を作ろうとしたのだが、ペンは依然として走らず。
どうしたのかと言うと、分からない。
あの、小さくて愛らしい。
ちょこちょこと歩いて行く、鳥の名前が、である。
思えば、野鳥や野に咲く花の名前などに、
ほとんど、意識が向いていない人生を歩んできた。
と、実感した。
そして、森羅万象を俳句として捉えるには、
今少し、花鳥風月に目を向けるべきだ。
とも、実感した。
おそらく、千鳥。
だと思うし、また、千鳥は冬の季語なので、句作上、
千鳥として解釈すべきなのだろう。
しかし問題は、この風景に対して私の感受性が捉えた意。
二葉亭四迷の「小説総論」で言う所の、
「浮世の形のみを写して其意を写さざるものは下手の作なり。
写して意形を全備するものは上手の作なり。
意形を全備して活たる如きものは名人の作なり。」
と言う事になろう。
俳句の場合、その意を、切れ字の向こう側にどう表現できるか。
とは、偉そうに述べているものの、一向に上手の作が出来ない。
気がついたら、お腹が一杯。
結局、3個買った内2個しか、菓子パンが食べられなかった。
こちらの方も、上手い具合に行かない。
【天候】
朝は晴れているが、次第に雲が出て、以降、薄曇り。