日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

1017声 読書漫筆「女湯に浮かんでみれば」

2010年10月13日

自分の本を買ってくれたお返しに、相手の本を買った。
ってのも何だかややこしい話だが、先日の銭湯ナイトにおいて、
そう言う経緯で購入して来た本が、一冊。
『女湯に浮かんでみれば』堀ミチヨ著(新宿書房)、である。
都内の銭湯情報に疎く、この本の存在を会場で初めて知った。
帯に一番大きく書いてある惹句、「東京、女、風呂ナシ。」に、どこか魅かれた。
先程読了し、女湯はやはり未知の世界と言う実感を再確認し、
銭湯の物語は女湯にこそあるのではないか、とも感じた。
この本はエッセイである。
10年程前、京都の銭湯でその面白さを体感し、銭湯に目覚めた著者。
北アフリカのチュニジアに留学していた時分、授業において、
「ハンマーム(アラビア語で公衆浴場)と銭湯の比較」と言うレポートを製作した。
それを機に、本格的に銭湯への興味を深めて行く事になる。
その後、日本へ帰国し、「風呂なし=銭湯通い」の生活を始めた著者。
土地土地の銭湯から、また、その女湯で出会った、様々な人間模様の中で、
「女としての生き方」と向き合う。
時代の中で消えゆく銭湯を憂いながら、銭湯のある豊かさを説く。
とまぁ、これは書評で無くて、単なる私なりの内容紹介である。
若輩の私が言うのもおこがましいが、著者も30代と言う、若い世代。
銭湯華やかなりし時代に生まれた世代でなく、
銭湯が衰退の一途を辿っている時代に、生まれた世代だ。
そんな謂わば、銭湯非日常世代の著者と、
銭湯日常世代である、常連客との触れ合いが面白い。
そして、銭湯フリークならば頷けるエピソードが多数ある。
女湯の人間模様を読んでいると、つくづく、男湯の方が断然に気楽。
だと感じ、「女ってぇのも、大変だな」、とも感じた。
【天候】
朝、薄曇り。
午後から晴れて、気温が上がる。
夜半に雷と強い雨が降ったが、直ぐに遠くの桑原に行ってしまった。

1016声 都会の毒

2010年10月12日

酔眼朦朧となりつつ、新宿歌舞伎町の路上を千鳥足で歩行していた。
餌に群がる烏の如く、酔っ払いに群がる呼び込み人の、眼光。
雑居ビルと雑居ビルの間で、集会中の野良猫が一斉に向ける、眼光。
眼光は弓のように射られる。
都会の眼光は、後からじわじわ効いてくる。
まるで、毒矢のように。
ってな実感は、田舎者の自らをして、本当の田舎者たらしめる。
田舎者がたまに都会へ行くと、疲れる。
郷里の群馬へ帰って来た今は、「ほっ」と肩の力が抜け、落ち着いている。
落ち着いているけれど、耳の奥に残っている喧騒が、
懐かしくなってしまうのは、何故なのだろうか。
それもまた、都会の毒。
【天候】
終日、曇り。
気温は高く、長袖シャツ一枚で丁度良いくらい。
夜風は涼しく、秋虫盛んに鳴く。

1015声 カプセルの中

2010年10月11日

「おはようございます、朝8時となりました」
ってなアナウンス音に起こされたのは、今朝の事。
目の前に迫る天井、横になっている体の直ぐ脇には、壁。
私が起床した、この薄暗い閉塞的な空間は、どうやらカプセル。
朦朧とした頭で、昨夜の記憶を逆再生してみる。
その一部始終は、おぼろげながら憶えている。
どうやらしたたかに泥酔してしまったが、世間様に醜態は晒していない。
と思う。
説明は結論から端的に。
昨夜は『第6回東京銭湯ナイト』に参加し、その後、打ち上げ。
梯子酒後、歓楽街のど真ん中にそびえ立っている雑居ビルの、
サウナ兼カプセルホテルで、独り受付していたのが、丑三つ時。
と言う記憶が、我が脳内では再放送されている。
先月も、川越のカプセルホテルに一泊したので、我が人生は最近、
カプセルホテルとの関係が密になって来た。
その時の状況は、十中八九、深酒による終電乗り過しなので、
あまり良い関係とは言えない。
あの狭いカプセルの中でも、意外と良く寝れるのは、おそらく、
私の身体構造がガサツに出来ているから。
ではなく、酒酔いによる感覚麻痺に起因していると思う。
肝心の、『銭湯ナイト』自体は、盛況も盛況。
勿論、会場は満席になり、残念ながら入り切れない方々も居る様子だった。
今回私は、自著を売らせて頂いた。
売れなかった場合、群馬まで持って帰ってくるの労苦を思い、
少し及び腰になっていたが、終演後は随分と軽くなったので、
ほっと一安心すると共に、感謝の念が一層強くなった。
宴もたけなわになり、ネオン輝く繁華街に、千鳥足を一歩踏み出す。
「この辺りで、どこか泊まれるところなんてのは」
と聞けば、的確なる周辺のサウナ情報が、小気味よく返ってくる。
下北沢つかささんがいらして、本当に良かった。
そうでなければ、行き倒れになっていたかも知れない。
【天候】
終日、雲一つない秋晴れ。
気温は上がり、半袖で丁度良いくらい。
「こんな好日は一年でそうは無い」
と言う文句が、世間話の冒頭に出るような日。

1014声 赤字商売と郷土紹介

2010年10月10日

寅さんみたく、朗々と口上を述べて啖呵売出来れば、
少しは本だって売れるのだろう。
しかし、私などが、つっかえつっかえどもりながら、
口上を申し述べたところで、販売が促進されるわきゃない。
ともかく、本の売り子となるべく、これから「銭湯ナイト」へ行くところである。
考えてみれば、自費出版と言えど、製作から販売までをこなしている作者は、
稀有ではなかろうか。
書店を回って在庫の確認。
請求書の発行から集金まで、1から10まで、作者の手を離れる事が無い。
そこで、素人商売人の私は、在庫管理及び集金回収が、
ままなっていないと言う状況。
これを言えば身も蓋もないが、いくら手広く売っても、
赤字を補填するばかり。
つまり、利益などは毛頭出ない。
自分で、「それでいい」ってんだから、それでいいのである。
「手間」
と言えば、確かに手間が掛かり過ぎだが、
自ら望んで取り組んでいる節もあるので、愚痴は言えない。
回想の中で、印象的な言葉がある。
それは、発売日に、本を初めて店頭に置かせて頂いた、書店の店長の言葉。
「マーケットをつかむ事が大事ですよ」
確かに、と今改めて思っている。
本の性質上、万人が購買するようなものではない。
だからこそ、マーケットをつかむ事が、とても大事なのだ。
それは分かっていつつも、やはり、商売ってのは一筋縄ではいかない。
これから行く「銭湯ナイト」などは、絶好のマーケットになるのでは、と踏んでいる。
しかし、素人商売人の私のやる事なので、過度の期待は出来ない。
とまれ、群馬の銭湯を紹介するのは元より、
「群馬に一度お越しやす」
ってな、お国自慢調の郷土紹介、と言う心持で臨もう。
随分と、ねじ曲がった紹介ではあるが。
【天候】
終日、薄曇り。
雲間から日が射し、前日の雨と相まって、甚だ蒸し暑し。
半袖の人も、チラホラ(東京都心部)

1013声 雨はつらいよ

2010年10月09日

天気予報が的中し、時刻は正午現在、無情にも雨が降っている。
無情、ってのは、今日明日と、「前橋まつり」が開催されるからである。
雨天の祭りが、如何に高揚する気分を削ぐか、そして、どれ程渋滞を招くか、
関係者一同の気持ちをお察しする。
私も本日、前橋まつりの出演者の方から、以前より連絡を頂いていた。
しかしながら、不義理をして東京へ出掛けようと言う考えに至っている。
と言うのも、この雨は夜半にかけて強くなり、明日の午前中まで降り続く。
と言う予報だからである。
雨では、前橋まつりを観覧するに、何が不味いのか。
祭り観覧が問題ではなく、自らの明日の予定に問題がある。
明日10日の予定、ってのは、東京へ行商に行く用事。
明日起床した時点で、強い雨を目の当たりにした場合、
足が向かなくなるのを懸念して、と言う次第である。
今晩中に現地付近へ行き、一夜明けて、現地へ入る。
と言う、実に行商人らしい行動を試みようと思う。
「アンタ、まつりに来るって言ったじゃないか」
と言う声が、出発する私の背中に投げかけられたならば、こう言う。
「そこが、渡世人のつれぇところよ」
寅さんが居てくれれば、百人力なんだが。
【天候】
終日、冷たい雨。
本来ならば、運動会の季節である、秋晴れの三連休。
各地の催事関係者また観覧客は、気の毒である。

1012声 本日開店

2010年10月08日

「開店」
と言うほどの事でもないが、心持はやはり、開店。
この「めっかった群馬」の中の店が、である。
「店」っても、ひとつ、ショッピングカートの付いたコンテンツを増設した、
と言う話。
新規開店、あるいは開業の場合。
大いに売り出すべきであろうが、
こんなにひっそりと開店してしまって良いものか、と思っている。
もっとも、この新コンテンツの名前が「小商い」なので、分相応とも言える。
現在の商品は、「群馬伝統銭湯大全」の1点のみであるが、
徐々に増やして行くつもりである。
「さて、何売ろうか」
って、商いを始めてから考えているようでは、私の商才もたかが知れている。
ふと耳に入ってきたのは、スピーカーから流れている落語。
その演目は、5代目志ん生の十八番、「火焔太鼓」。
商売の事を考えながら聞くと、また、違った角度で噺が聞けて、ちと新鮮。
古道具屋で太鼓でも探して来て売ったら、どんどん、儲かるかしら。
【天候】
終日、薄曇り。
西上州山間部では断続的に、微弱なる降雨。
昼間は長袖、夜はジャケットを羽織って、丁度良い。

1011声 低きに流れる

2010年10月07日

漫然と過している日々の中でも、気付けば、自分の居やすい場所の方へ足が赴く。
水が低きに就くが如しで、自然とそうなってしまう。
と、自分が居ずらい場所へ行った時に、そう感じるのである。
平日の昼時。
私が居るのは、何の変哲も無い、ファミリーレストラン。
座っているのは、禁煙席。
しかし、通路を隔てた向こう側の席から、
モクモクと渦巻く紫煙が押し寄せているではないか。
横目で見ると、ちと異様な光景に、一瞬、釘付けになった。
座っているのは、子連れの若いお母さん。
年の頃、20代中頃と言ったあたりで、子供は4、5歳。
それが、携帯電話を横向きにテーブルに立て、ワンセグを視聴しているのである。
バラエティー番組(笑っていいともであろうが)特有の観覧席からの笑い声が、
店内に響いている。
その画面を眺めつつ、お母さん、煙草を吸っているのだ。
問題は、その吸い方。
煙草の煙を吸引し、吐き出す時に携帯電話掛からぬよう、
唇の左を開けて左側に煙を出している。
そこには、子供が居るではないか。
お母さん、どうやらワンセグに夢中。
すると、私の隣の席で、和風ハンバーグランチを食べている、
ネクタイ締めたおやっさん。
深いため息何度もついて、何やら、憤慨しているようで、
さっきら一向に落ち着かない。
「そうだ先輩、注意してくれ。あくまで、やんわりと」
などと、期待を託して自らの注文品を待っていると、そのおやっさん。
ツーッと一気に水飲んで、もはや猟奇的に青ざめて引きつった顔をさげて、
行ってしまった。
早足のおやっさんとすれ違って、先程のウェイトレスが、
和風ハンバーグランチを私のテーブルへ運んで来た。
向かいのお母さんは、依然として美味そうに煙草を吸っている。
さっきのおやっさん。
さては、先頃の煙草増税に伴う、禁煙組だったのであろう。
食後に向かいの席の状況を目の当たりにしたら、そら、顔も猟奇的に引きつる。
ウェイトレスがまた戻って来て、空になっている私のコップに、荒々しく水を注いだ。
【天候】
終日、穏やかなる晴れ。
気温は温暖で、半袖で心地好い。

1010声 銭湯における極私的な近況

2010年10月06日

さて、書こうかな。
って段になって、初めて気付いた。
今回で、第1010声。
と言う事は、「銭湯」の回と言う事になる。
では今回は、極私的な銭湯関連の内容に終始する、とする。
銭湯と言えば、丁度タイムリーに、今週末の10月10日(土)が「銭湯の日」である。
それに因み、
東京は新宿区歌舞伎町のロフトプラスワン(トークライブハウス)ではこの日、
「第6回東京銭湯ナイト」が開催される。
昨日も少し書いたが、私も本(群馬伝統銭湯大全)を携えて、
行商に伺わせて頂く段取りになっている。
そこで現在、「当日どうやって本を会場まで運ぶか」と言う、
行商人らしい悩みを抱えているのである。
束になった本は、とても重たい。
そして、現在進行形で、「茨城路地裏銭湯記」などと銘打って、
茨城県の銭湯を訪ね歩いている。
調査、と言う程でもないが、ちと調べたら、茨城県で現在営業中の銭湯は6軒。
その数も、この目で全てを確認していないので、確信を得ない。
その中、訪問できたのが2軒。
残り4軒を訪問し終えるのは、年を跨いだ、来年(2011年)の春頃になりそうである。
茨城県の銭湯を全て訪問し終えれば、
群馬県、栃木県、茨城県の北関東3県で営業している、あるいは営業していてた、
伝統的な銭湯を全て訪問した事になる。
その時点で、その結果を踏まえてやらねばならぬ事がある。
「群馬県立女子大学」
などと突如として、女子大に縁もゆかりも無い私が、鍵括弧付きで書くと、
ちとアヤシゲな雰囲気漂うが、決してアヤシイ者ではない。
因みに、アヤシイ事も企んではいない。
端的に説明すると、群馬県立女子大学では、「群馬学」と言うものを提唱している。
その「群馬学」の普及啓蒙及び確立を目指す為、
先頃、「群馬学リサーチフェロー制度」を創設したのである。
この「リサーチフェロー」ってのは、平たく言えば、「研究員」。
で、この制度ってのは、群馬学確立に向け、各分野で群馬に関する調査・研究をする、
このリサーチフェローを、一般公募のうえ選任し、期間を設けて活動するもの。
今期(第1期)は、25名が選任された。
その中の一人に紛れ込んでいるのが、私。
と言った状況である。
さて、ここで漸く登場するのが銭湯で、私の研究テーマが、
「群馬の銭湯」なのである。
北関東3県において、伝統的銭湯の残存率が、群馬県は突出している。
それは何故か。
私も分からん。
そこんとこ詳しく教えて頂きたい次第である、はい。
【天候】
終日、雲の多い秋晴れ。
気温が上昇し、暦を半月戻したようであった。

1009声 世界は麦酒の季節

2010年10月05日

10月は麦酒の季節である。
っても、日本の街中ではビアガーデンも閉まり、
日を追う毎に風が冷たくなっている時節。
「大将、冷えた麦酒ね」ってよりは、「女将さん温めの燗で」ってな具合になる。
大将でなく女将さんと言う所に、秋思を感じて頂ければ幸いである。
毎年この時期になると、ドイツのミュンヘンでは、
「世界最大のビール祭り」と称される、「オクトーバーフェスト」が開催されている。
会場ではおよそ2週間、飲めや歌えで、夜毎の酒宴。
背中を丸めてお猪口を啜っている日本人とは、えらい違いだ。
近年は日本でも、このオクトーバーフェストを模したイベントが、
各地で開催されている。
ドイツが本家なら、さしずめ、分家と言った具合であろう。
本場ドイツから輸入した、地麦酒を並べ、
つまみもポテトやウインナーなど本格的な品々が並ぶ。
そう言い切れるのは、私も2年前の2008年、
横浜は赤レンガ倉庫のオクトーバーフェストに出掛けた事があるから。
そこでことごとく散財し、赤レンガ倉庫の脇で地べたに這いつくばっていた記憶が、
おぼろげながら残っている。
本年の「横浜赤レンガオクトーバーフェスト」は、
10月1日から17日までの17日間に亘って開催される。
開催期間等、本家に酷似している所が、麦酒フリークの心をくすぐる。
エルディンガーだとかポーラナーなど、日頃、
酒場のカウンターではお目にかかれないドイツビールが腹一杯呑めるのだ。
しかし、確か一杯に付き、野口英世が一枚無くなるくらいの価格だった気がする。
それでも、会場では空樽の山が出来るのだから、日本人には麦酒狂具合も、
捨てたもんじゃない。
もっとも、横浜と言う土地柄もあってか、会場は狂乱の国際色が豊かだった。
回想の一部始終を書いていたら、なんだ無性に麦酒が飲みたくなって来た。
今週末は、丁度、第6回銭湯ナイトで都内へ行商に出掛ける用事がある。
ちと、真剣に考えてみよう。
【天候】
朝より曇天。
日中薄日射すが、次第に下り坂。
夕方より降り始め、夜半には一時的に土砂降り。
強く降る雨は久しぶりだ。

1008声 断髪断念

2010年10月04日

汗かいて髪を切りたき大暑かな
ってのは、私が今夏に作った句である。
そして今日、大暑でなくとも、汗をかけば髪を切りたくなる事に、気付いた。
私は大体、一月に一度は床屋に出掛ける様にしているが、
種々雑多な用事に翻弄され、いつもつい忘れがちである。
すると、汗をかいた時、食事をしている時などに、伸びた前髪がうっとうしくなる。
その時突発的に、「髪切ろ」と思い立つのが常である。
今日も、テレビを見ていると、昨日行われた、
元横綱である朝青竜関の断髪式のニュースが流れていた。
それ見て、突発的に髪を切りたい衝動に駆られたのである。
私は大銀杏も結っていなければ、断髪する差したる理由もないのだが、
なんとなく「節目」をつけたい時節柄なのだ、近頃。
急いで行きつけの床屋に電話しようと思い、
スタンプカードを財布から引っ張り出すと、「月曜定休」の文字。
そう、今日は月曜日、床屋が一斉に休みになる日なのだ、巷では。
そもそも、何故、月曜日には床屋が一斉に休みになるのだろうか。
銭湯なんかでは、近隣で定休日が重ならないようにしている例が良く有る。
しかし、床屋は決まって月曜日。
そして、歯科は概ね木曜日。
ってのが、巷、少なくとも、私の住んでいる群馬県高崎市近隣では、
常識となっている。
もっとも、最近では、常識に捉われない所も少なからず見受けられるが。
髪を切りたい。
からってんで、見知らぬ床屋に入るのは、
なんだか行きつけの床屋に不義理を働いているようで、気が引ける。
歯科などに至っては、カルテなるものが保管されているので、
容易に開拓してみる気にもなれない。
と言う訳で、断髪を断念した私は、今少しばかり土俵に残って、
髪を振り乱しながら、あくせく日常を過さねばならない。
夜半のテレビニュースには、また断髪式の模様。
大銀杏を切り落として、土俵にお別れのキス。
高々と掲げたガッツポーズで去った元朝青竜関に、私、羨望の眼差しを送っている。
【天候】
朝より曇天時々小雨。
夕方頃、雲間から薄日射す。
街中では、ジャケットを羽織っている人、いない人、半々。

1007声 手拭い片手に茨城、はしご湯

2010年10月03日

最近、国道50号線を行ったり来たりしている
目的地は茨城県の銭湯。
今日は、結城市と筑西市。
結城市では「喜与の湯」。
筑西市では「松の湯」と言う銭湯を訪れた。
まず着いたのは喜与の湯で、午後3時前に暖簾をくぐった。
早い時間だったので、男湯に相客は無し、
貸切状態で浸かる湯船は実に心地好かった。
心地好いのだが、開店直後の湯ってのは、決まって熱い。
女湯から響く、地元おばちゃんであろう話し声を聞きつつ、
歯を食いしばって腰を沈める。
地元のおばちゃんなので、会話の茨城弁濃度が、とても濃い。
その独特のイントネーションと男勝りの声量を聞くと、異境に居る実感が湧いて来た。
この銭湯の雑感として、煮詰めた様に染み込んだ伝統の濃さ、を感じた。
建物に、改修、補修が余り加えられておらず、昔のまま現存している。
入口には「草津温泉」ってな看板が有り、浴室内に、
長らく使われていないであろう浴槽が一つあったので、
昔は薬湯をやっていたと、推察される。
出る時に番台のおばちゃんに聞こうと思って、忘れてしまった。
時間も早かったので、欲張ってはしご湯。
筑西市の松の湯を目指す。
目的地までは、車でおよそ30分ほどであろう。
下館駅の程近くに、高い煙突と重厚な唐破風を発見。
しかし、暖簾は出ておらず、入口には「本日休業」のプラ板。
しかたなく、概観を拝み、柏手打って帰路に着いた。
沿道に広がる稲田では、稲刈りの真っ最中。
足早に訪れた空の黄昏に、過ぎ行く街がどこか寂しげに映った。
【天候】
終日、雲も少なくすっきりとした秋晴れの一日。
日を追う毎に、黄昏時間が早くなっている。

1006声 金借りたい茅刈りたい

2010年10月02日

「茅葺」
と書いてみて、こう言う漢字を書く事を、恥ずかしながら初めて知った。
これで、「かやぶき」と読む。
あの、かやぶき屋根の「かやぶき」である。
古くは縄文時代の竪穴式住居であったり、江戸時代の農家であったり。
現代では稀になってしまったが、県内でも、
主に養蚕農家などでかやぶき屋根の家が見られる。
集落としては、岐阜県の世界遺産である、
「白川郷・五箇山の合掌造り集落」が有名である。
そのかやぶき屋根の家を、中之条町に建てよう。
ってな事をやっているのが、ほのじ氏。
「中之条に家建てようと思うから、抜井もまぁ、ひとつ手伝ってよ」
「分かりました、で、あたしゃ何やりゃ、いいんです」
「今度、みんなで草刈りに行くから、鎌持って来て」
「あいよ」
その草刈りの日が、今日だった。
「草刈り」ってから、私はてっきり、住居建築予定地の除草作業だと思い込んでいた。
しかし、着いた先は、一面のススキ畑。
十五夜はもう大分過ぎてしまったが、お月見とは風流な。
などと思っていると、周りの人たちはそそくさと着替え始めて、
長靴とジャージに首巻タオル。
そう、この「草刈り」ってのは、かやぶき屋根に使う「かや刈り」の事だったのだ。
根元から2,3cmの所を、鎌で鋭角的に刈って行く。
じゃあ、ってんで刈ろうとすると、鋭角的に飛び込んできた声。
「おまえそれで刈るの」
「えっ、はい、草刈りに役立ちそうなものがこれしかなかったんで」
「それは、おまえ、枝切りばさみだろ」
私が持って行った、枝切りばさみで一本ずつ切ってたんじゃ、
確かに日が暮れてしまう。
本職の方も来ていらして、鎌一本で短時間の間に、
山のようにかやを刈ってしまった技には驚いた。
私はもっぱら、かやを集めて紐で縛る。
と言う作業にやり甲斐を見出し、一心不乱に縛り上げていた。
家が建ったら、囲炉裏で燗でもつけてみようか。
ともあれ、未だ先は長そうである。
【天候】
朝、薄曇り、後、爽やかな秋晴れ。
終日、風も無く、穏やかなり。

1005声 猫の福

2010年10月01日

昨夜は俳句の先生宅で行われている、句会に参加した。
出掛けるのが億劫になる冷たい雨も、
俳句を詠むにはチョイとオツなもので、好適と言える。
「一日一句」などと自分に言い聞かせ、7月より毎日句作してきた。
そして、「一日一句は無駄に非ず」
と言う事を、環境の違う場所で突発的に句作してみて、改めて実感できた。
よって、「一日一句」、今少しばかり続けてみようと思う。
一日一句はまだ3カ月だが、およそ3年も毎日やってきたのが、
この日刊「鶴のひとこえ」である。
1000声記念企画から一夜明け、また走りださねばならない。
次に目指す地点は、1100声。
沿道からの声援が聞こえないのが、ちと寂しい。
句会から帰宅し、夜半の玄関をそっと開けると、
ポストに突っ込んである封筒が見えた。
部屋の灯りを点けて、送り主を確認すると、「招き猫美術館」。
「猫世界からの招待状だろうか」
などと奇妙な物語を想像していると、思い出した。
そう言えば、先頃、「第4回招き猫俳句大賞」に応募したのだった。
この俳句大賞で大賞を得た場合は、「木彫りの招き猫」が貰えるのである。
何かの折、その招き猫を一目見て、何故だか分からんのだが、
「これさえあれば福が来る」、
突然そうひらめき、筆をとった。
封筒の中に入っていたのは、賞状。
結果を言うと、大賞。
ではなく、入選だった。
2010年9月30日から12月14日まで、「第4回招き猫俳句大賞展」として、
美術館に展示されるらしい。
入選句を見ると、なんだか、ワルノリ俳句に通ずるものが少なからずある。
群馬県からは、どうやら私だけらしい。
封筒の中には、招待券も同封されていたので、
もし御覧になりたい方は1名様にプレゼント。
っても、「招き猫美術館」の在所は岡山県岡山市。
群馬県からはちと遠いし、岡山県の方が読んでいる筈も無かろうし。
木彫りの招き猫は獲れずとも、副賞でもらったポストカードに描かれている、
様々な招き猫を眺めていると、副が来そうな予感。
【天候】
朝、曇天。
正午には回復し、雲が溶けた様な穏やかな青空。

1004声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第5回(全5回)

2010年09月30日

■クレインダンス対談 第5回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
偶然ゲスト:M先生
場所:ほのじ(伊勢崎市)
〜話は現内閣、つまり政権の中枢に至って〜
M先生:今、S(閣僚の方)に電話してみようか。
一同:(必死で)いや、勘弁して下さい!
M先生:ちょっとこれ、ワイン塩、パイナップルに付けて食ってみ。
抜:はい。(一口食べて)うん。
M先生:甘みを引き立てるか。
抜:いや、全く。全く、あいません。
M先生:そうか。(一口食べて)駄目だな。全くあわない、と言う事が分かった。
それが、その「分かる事」が、大切なんだ。
物にも「五行陰陽」がある。
抜:先生、ちょっといいですか。
M先生:うん、なんだ。
抜:先生は川端康成に会った事がある。ってのは本当ですか。
M先生:いや。会った、んじゃなくて、骨董仲間だよ。
抜:(目玉が半分飛び出しつつ)えーっ。
M先生:あるよ、買った物が。
堀:抜井、この機会だから、聞きたい事は聞いといた方がいいよ。
抜:じゃあ、先生は、あの、佐藤春夫にも…。
M先生:うん、知っとるよ。しかし、佐藤春夫とは、おまえもメランコリックなヤツだな。
抜:(苦笑)
小林秀雄が借りてた別荘に、佐藤春夫とか鈴木大拙とか来ててな。
そこにガキの頃、居た事があった。
抜:はぁ(絶句)
M先生:俺は、色々な人に会ったけど、小林秀雄はうん。やっぱり、頭良いね。
そう、小林秀雄は俺は、今際の際にいたんだ。
堀:嘘のような本当の話ですね。
M先生:そう、今、一番幸せなのは誰か知ってる。
抜:分からないです。
M先生:(元総理の)H氏だよ。信楽で仏像造っちゃうって発想が良いな。
堀:信楽の土で、ですか。
M先生:焼き物の信楽で、だよ。じゃあ、一寸、モリファツァー飲んでみよう。
〜T女史に、茶器等を一式用意して頂いて〜
M先生:これは、一煎目から飲んでいいから。じゃあ、チョコをレディーファーストで。
T女史:じゃあ、赤いの。(一口で食べて)うん、フルーティー。
M先生:カカオマスの味が、ちゃんと残るでしょ。
T女史:うん。あっ、美味しい。
一同:じゃあ、一個づつ、食べましょう。
M先生:あなたは女性だから、もう一個いいよ。
抜:あっ、ズルイ。
M先生:このお茶はな、一煎ずつ、変わって来るから。
〜チョコとお茶を味わい、しばし沈黙〜
T女史:美味しい。
堀澤:うん、美味い。
抜:うん、美味いけど分からないなぁ。分からん。
堀:酒を飲んだ後に、茶を飲む習慣がないからじゃない。
M先生:だからな、お前は俺の歳に近づいたら、きっと、気付く。
お前の言ってるのは、渋いんだよ。渋いって感じが、美味くないんだ。
抜:はい。
M先生:文化がだんだん爛熟してくるとな、厭な味が、その、納得できるようになる。
抜:じゃあ、全然、僕は爛熟してない(笑)
M先生:ほら、このチョコレート。
だんだん、カカオマスの香りが強くなって、その消える余韻を楽しむ。
チョコレートも必死に作れば、これくらいになる。
まさに、「本」なんだよ。
(実際、「hugo&victor」のケースは本のようになっている)
抜:はぁ、本ですか。
M先生:この「モリファツァー」と「hugo&victor」を食べてな。
「一生懸命生きなくっちゃいけない」
と言う気持ちに、少しでもなる事が、大切なんだよ。
この後、話と酔いは更に深くなり、机上を舞う会話は、
モリファツァーの馥郁たるジャスミン香りと共に漂っていた。
まるで、夢。
のようなひとときを過し、途中から、対談である事も忘れていた。
夢から覚めれば、待っているのは現実。
それでは明日からも、日刊「鶴のひとこえ」で。

1003声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第4回(全5回)

2010年09月29日

■クレインダンス対談 第4回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
偶然ゲスト:M先生
場所:ほのじ(伊勢崎市)
〜裏口から、フラリとM先生(既にほろ酔いで、稲荷寿司を持って)登場〜
堀:(酔眼、飛び出そうに驚いて)あっ、先生だ!!こんばんは。
抜:こんばんは。
M先生:わんばんこ。はい、これ「ワイン塩」。諸君等は知らないでしょ。
一同:はい。
M先生:(テーブルの皿を見渡して)芋は塩だよ。そして、シメに※「モリファツァー」と「hugo&victor」でやろう。
堀:ついさっき、先生の噂してたんですよ。
M先生:あっ、そう。そう言えば、この間、チェンダオに行って来たんだよ。
〜旅行譚から善と悪の話に至り〜
ゲーテのな、ファウストを読んで、その、つまりメフィストも神の使いなんだよ。
堀:その、メ…なんとかってなんですか。
M先生:「メフィスト」って、悪魔。俺はゲーテが好きでな。つまり、メフィストフェレスって「悪魔」も「神」の使いなんだよ。
堀:はぁ、悪魔も神の使い。
M先生:まぁ、俺は色々あってこうなっちゃったけどな。
一同:(笑)
M先生:プライーベートでは最近、和服を着てるんだけど。三亀松ってのが、俺の「粋」の師匠なんだけど。
抜:えっ、「みきまつ」って、あの「柳家」の…ですか。
堀:抜井、聞け聞け。
M先生:そうだよ。ガキの頃、親父に連れられて会ってな。こう言われたんだよ、
「坊ちゃん、大きくなったら、社長とか先生とか言われる人になっちゃいけません。旦那と呼ばれる人にならなくっちゃ」
抜:ほーう。
堀:先生それ、どこで言われたんですか。
M先生:新橋。新橋の新喜楽って料亭。
抜:それは先生、いつ頃の話ですか。
M先生:幼稚園。あがる前ぐらいかな。
堀:幼稚園上がる前に、三亀松から、「旦那」。
一同:(笑)
〜たしかめる事は、人間的でない〜
M先生:小学校の時は100点取らないようにしよう、って。
堀:それは、どう言うことですか。
M先生:人間ってのは間違いをする。
だから、テストの時は、上から下まで、パァーっとやったら、スィーっと帰っちゃう。
堀:わざと?
M先生:わざと、じゃない。普通に、一回やったら見直さない。
抜:それで、どこか間違えているだろう、と踏んで。
M先生:間違えている事が人間的なんだ。100点を取るってのは、おかしい。
一同:(感心して)はぁー。
M先生:100点を取ろうとすると、一回やってまた見直して、2回目もまた見直して。
それは、意味がない。確かめる、って事は人間的でない。
そう思ってたから、一回やったら、直ぐ帰る。俺は一回も見直した事が無い。
抜:(腑に落ちぬ表情で)左様、ですか。
M先生:そう。問題に対して、間違っているかどうかなんて、考えてる事がよくない。
その恐怖心が、精神的に良くないんだ。だから、見直さなかった。
堀:聞けば聞くほど、すごい。
M先生:すごくない。普通だよ。間違えるってのは、人間的なんだよ。
それを許容できないのは、おかしい。
だから、100点を取るためだけに努力する、ってのは絶対におかしい。
抜:確かめても、間違いだらけだったな…。
先生の話。
それはまるで、イリュージョンショーを見ているかのよう。
しかし全部、タネあかしの無い、本当の話。
そして、いよいよ明日は、最終回。
※補足
「モリファツァー」ってのは、中国のお茶。
「hugo&victor」ってのは、パリで流行しているチョコレート。
先生から何度も聞いたが、私には発音さえ覚束ない(発音あってるかな)、逸品。

1002声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第3回(全5回)

2010年09月28日

■クレインダンス対談 第3回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
場所:ほのじ(伊勢崎市)
〜話のキャッチボールもままならぬ、酔っ払い対談続行中〜
堀:俺、始めたがりじゃん。
抜:極度の、始めたがりですよね(笑)
堀:始めるって事と、止めないって事。最近、「やめない」って事に、すごい価値があるって気付いた。
抜:ほう、ほう。
堀:抜井なんか、もしかしたらそういうタイプかも知れないけど。
俺は最近、選択肢が狭くなったってのもあるけど、「やめたくない」って事が、沢山ある。
抜:それは、例えば。
堀:「ほのじ」もそうだし、「めっかった群馬」も。二階に演芸場を造るってのもそう。
やめないで繋げて行く、そこには何らかの変化が必要なんだけどね。
抜:今回の、※「めっかった群馬リニューアル」もそうですね。
堀:「やめないでつなげる」これが重要だね、38歳にもなると。
抜井は、後10年くらいはどんどん始めた方がいいよ。
抜:後10年、そうですか(笑)
もう、相当自分にヤキが回ってきたような気がしますが、始めるなぁ…、そうですか。
「始める」って事は同時に、「やめる」って事と繋がってますからね。
やめた事が次に始める事にリンクしてる。つまり、やめる事が終わりでない、と考えて…。
堀:あれ、T女史もそんな事、言ってたな。始まりは終わりの始まりとか何とか…。
T:言ってた、ような、気がする。
抜:この感じですね。
堀澤さん、つまり、この軽くいい加減な感じでなくては、物事は始められないですね。
さっきの僕みたいに、始まりは終わりのナンタラなんて、言っている様ではまだまだ駄目なんです。
〜T女子が淹れて来たお茶で、一寸、一息つきます〜
T女史:はい、これ中国のお茶です。
抜:何茶ですか?
T女史:「がんちゃ」です。
抜:「岩」の「茶」ですか。
T女史:そうです、岩場に生えている茶葉です。
中国の方は商談の時なんかには、この岩茶を飲むみたいです。
抜:リラックス効果?
T女史:頭が冴えるんです。肝臓にも効くらしいですよ。
抜:じゃあ僕らは、ガブ飲みしなくてはなりませんね(笑)
堀:(厨房からウイスキーの小瓶を持って来て)変なウイスキーがあってさ。
抜:また、奥から何か引っ張り出して来ましたね(笑)
堀:これ、「無頼派」。知ってる?
抜:知ってますよ。昔、よくコンビニで買ってました。
堀:この前、知り合いの人がこれ持って来てさ、その時居た、M先生にどんどん注ぐんだ。
そんで、M先生一口飲んで、「これはひどい」って言ってた。
抜:(笑)
堀:「ひどい、けどいい」って人だからね、M先生。この前も聞いてみたんだよ。
「先生、立ち食いうどんはどうですか」って。
抜:ほう、それは気になる。
堀:そしたら、「あれはひどい。ひどいけど食えちゃうんだよな」だって。
抜:まさに、言い得て妙です(笑)
それにしても、この岩茶って、いけますね、美味い。
岩茶で一息ついてから、ぼちぼち、ハードリカーに手を出します。
ウイスキーを飲みながら、対談を再開したところへ、噂をすれば影。
明日は遂に、偶然ゲストの「M先生」登場です。
※現在、「めっかった群馬」を小さくリニューアルしようとしております。
来月下旬頃には、マイナーチェンジしたサイトが、お目見えできると思います。

1001声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第2回(全5回)

2010年09月27日

■クレインダンス対談 第2回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
場所:ほのじ(伊勢崎市)
〜二人とも、酒の酔いも馴染んで来て、舌もなめらかに回って行きます〜
堀:しかし、「めっかった群馬」のアクセス数は伸びないなぁ(笑)
抜:もう何年も横ばいですよね。
堀:始めた頃はさぁ、掘り出し情報と言うか、「群馬県面白情報サイト」を意識してたけど、
県外からのアクセスが、意外なほど少ないよなぁ。
抜:そうですね。リピーターの方は、ほとんど、県内の方だと思いますね。
堀:だけど、まだ4年目だもんな。
抜:そうですね。目指すは5年、と言うところです。
堀:20年くらい経ってから、良さが出てくるんだと思うよ。
抜:老舗の味ってヤツですかぁ…。
堀:ネット社会もその辺の飲み屋と一緒で、新陳代謝が早いからさぁ、10年もやったら老舗になるんじゃないの。
抜:(笑)それは、言えてるかも知れません。
堀:誰かに言われたなぁ、めっかった群馬のTopページが放つ独特なアヤシサが良いって。
抜:巷の店だったら、万人が暖簾をくぐれるような店じゃないですね。
入ろうとすると、一緒に居る人が腕つかんで「ダメ!」っていう様な(笑)
堀:そうだね、絶対に。店構えを見た人は思うよな、この店なんでやれてるんだろ。
丁度、俺の店みたいにさ(笑)
抜:あのサイトの、どこにも収益、つまり「金の匂い」を感じるようなところがないですからね。
堀:こうなってくると、白鵬の連勝記録とか、魁皇の角番とかさ。
抜:おっ、また、相撲に戻った(笑)
堀:つまり、やめられなくなってくる。
〜酔いが回るにつれ、話はさらに深い場所へ〜
堀:お客さんや他人としゃべってたりしてさぁ、
自分の伝えたい事が伝わらないと、昔の俺は、言葉を足してたんだよ。
それが最近は、すっと、引くんだよ、自分がね。これ、抜井の影響だと思うよ。
抜:はぁー、そうですか(笑)
堀:しゃべってると、「あっ」って(笑)
自分の中で「あっ」と思うと、「ふっ」と引く様になっちゃう。
抜:じゃあ、以前は押してたんですね。
堀:押してた押してた。それで、なんだか怒っぽかったし。楽になったなぁ、なんだか。
抜:それは押しの中の引き、だからじゃないですか。
堀:ほぉう。
抜:今までは、押しでやってきた。つまり、押しを知っているからこそ、引いた時に違う景色が見える。
だから、心地好い距離感を見つけたんですよ。
ずっと引いてたら、僕みたいにですけど(笑)、距離が離れ過ぎて、心地好くないですよ。
堀:はぁ、そうか。
抜:そうです。
この後、T女史が買い出しに行ってくれました。
勿論、酒を。
机に並んだのは、「トリス」やら「無頼派」やらのウイスキー。
どうなることやら、また、明日。

1000声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第1回(全5回)

2010年09月26日

■クレインダンス対談 第1回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
場所:ほのじ(伊勢崎市)
T女史:抜井さん「おきゅうと」って知ってますか。
抜井:知らないです。
堀澤:T女史が先週、九州に行って来て、そのお土産。
抜井:九州の郷土料理ですか。
T女史:そうです。
〜おきゅうとで一杯やりつつ、徐々に対談が始まります〜
堀:最近、読書したり文章を書いたりって言う時間がとれてないんだけど、
すごく大事だよね。
抜:大事ですね。
堀:そう言う時間が無いと、時間がダラーっと流れて行って、
一日の中で考える時間が持て無い。
その考える時間を抜井は無理やり、おそらく2時間くらい、
ひとこえの更新で作っているけど、それでも短いと思う?
抜:思いますよ。ただ、また持て余して腐らすほど、
有りすぎてもダメだと思いますね。
堀:そうだ、今回、魁皇が角番なんだよね。
抜:また、考える時間が短いですね(笑)
堀:13回目の角番。
抜:負け越したら終り、と言うヤツですね。
堀:そう、俺は思い入れが強くて。
抜:以前、何度か言ってましたね。
堀:うん、初土俵が昭和の力士って魁皇しか残ってないんだよね。
抜:へぇ、もう、そんなですか。
堀:そう。たぶん、魁皇、貴乃花親方、俺って同級生じゃないのかな。
常々、思ってるんだけど、魁皇がもし引退したら。
昭和が終わるんだよね、俺の中で。
抜:じゃあ、今日の一番には、昭和47年世代の昭和が、かかってるんですね。
厨房のラジオから、大相撲中継が聞こえています。
この後、白鵬×魁皇、注目の一番に、座の一堂、耳を傾けつつ、飲んでおりました。
この続きは、また明日。