日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

1003声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第4回(全5回)

2010年09月29日

■クレインダンス対談 第4回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
偶然ゲスト:M先生
場所:ほのじ(伊勢崎市)
〜裏口から、フラリとM先生(既にほろ酔いで、稲荷寿司を持って)登場〜
堀:(酔眼、飛び出そうに驚いて)あっ、先生だ!!こんばんは。
抜:こんばんは。
M先生:わんばんこ。はい、これ「ワイン塩」。諸君等は知らないでしょ。
一同:はい。
M先生:(テーブルの皿を見渡して)芋は塩だよ。そして、シメに※「モリファツァー」と「hugo&victor」でやろう。
堀:ついさっき、先生の噂してたんですよ。
M先生:あっ、そう。そう言えば、この間、チェンダオに行って来たんだよ。
〜旅行譚から善と悪の話に至り〜
ゲーテのな、ファウストを読んで、その、つまりメフィストも神の使いなんだよ。
堀:その、メ…なんとかってなんですか。
M先生:「メフィスト」って、悪魔。俺はゲーテが好きでな。つまり、メフィストフェレスって「悪魔」も「神」の使いなんだよ。
堀:はぁ、悪魔も神の使い。
M先生:まぁ、俺は色々あってこうなっちゃったけどな。
一同:(笑)
M先生:プライーベートでは最近、和服を着てるんだけど。三亀松ってのが、俺の「粋」の師匠なんだけど。
抜:えっ、「みきまつ」って、あの「柳家」の…ですか。
堀:抜井、聞け聞け。
M先生:そうだよ。ガキの頃、親父に連れられて会ってな。こう言われたんだよ、
「坊ちゃん、大きくなったら、社長とか先生とか言われる人になっちゃいけません。旦那と呼ばれる人にならなくっちゃ」
抜:ほーう。
堀:先生それ、どこで言われたんですか。
M先生:新橋。新橋の新喜楽って料亭。
抜:それは先生、いつ頃の話ですか。
M先生:幼稚園。あがる前ぐらいかな。
堀:幼稚園上がる前に、三亀松から、「旦那」。
一同:(笑)
〜たしかめる事は、人間的でない〜
M先生:小学校の時は100点取らないようにしよう、って。
堀:それは、どう言うことですか。
M先生:人間ってのは間違いをする。
だから、テストの時は、上から下まで、パァーっとやったら、スィーっと帰っちゃう。
堀:わざと?
M先生:わざと、じゃない。普通に、一回やったら見直さない。
抜:それで、どこか間違えているだろう、と踏んで。
M先生:間違えている事が人間的なんだ。100点を取るってのは、おかしい。
一同:(感心して)はぁー。
M先生:100点を取ろうとすると、一回やってまた見直して、2回目もまた見直して。
それは、意味がない。確かめる、って事は人間的でない。
そう思ってたから、一回やったら、直ぐ帰る。俺は一回も見直した事が無い。
抜:(腑に落ちぬ表情で)左様、ですか。
M先生:そう。問題に対して、間違っているかどうかなんて、考えてる事がよくない。
その恐怖心が、精神的に良くないんだ。だから、見直さなかった。
堀:聞けば聞くほど、すごい。
M先生:すごくない。普通だよ。間違えるってのは、人間的なんだよ。
それを許容できないのは、おかしい。
だから、100点を取るためだけに努力する、ってのは絶対におかしい。
抜:確かめても、間違いだらけだったな…。
先生の話。
それはまるで、イリュージョンショーを見ているかのよう。
しかし全部、タネあかしの無い、本当の話。
そして、いよいよ明日は、最終回。
※補足
「モリファツァー」ってのは、中国のお茶。
「hugo&victor」ってのは、パリで流行しているチョコレート。
先生から何度も聞いたが、私には発音さえ覚束ない(発音あってるかな)、逸品。

1002声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第3回(全5回)

2010年09月28日

■クレインダンス対談 第3回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
場所:ほのじ(伊勢崎市)
〜話のキャッチボールもままならぬ、酔っ払い対談続行中〜
堀:俺、始めたがりじゃん。
抜:極度の、始めたがりですよね(笑)
堀:始めるって事と、止めないって事。最近、「やめない」って事に、すごい価値があるって気付いた。
抜:ほう、ほう。
堀:抜井なんか、もしかしたらそういうタイプかも知れないけど。
俺は最近、選択肢が狭くなったってのもあるけど、「やめたくない」って事が、沢山ある。
抜:それは、例えば。
堀:「ほのじ」もそうだし、「めっかった群馬」も。二階に演芸場を造るってのもそう。
やめないで繋げて行く、そこには何らかの変化が必要なんだけどね。
抜:今回の、※「めっかった群馬リニューアル」もそうですね。
堀:「やめないでつなげる」これが重要だね、38歳にもなると。
抜井は、後10年くらいはどんどん始めた方がいいよ。
抜:後10年、そうですか(笑)
もう、相当自分にヤキが回ってきたような気がしますが、始めるなぁ…、そうですか。
「始める」って事は同時に、「やめる」って事と繋がってますからね。
やめた事が次に始める事にリンクしてる。つまり、やめる事が終わりでない、と考えて…。
堀:あれ、T女史もそんな事、言ってたな。始まりは終わりの始まりとか何とか…。
T:言ってた、ような、気がする。
抜:この感じですね。
堀澤さん、つまり、この軽くいい加減な感じでなくては、物事は始められないですね。
さっきの僕みたいに、始まりは終わりのナンタラなんて、言っている様ではまだまだ駄目なんです。
〜T女子が淹れて来たお茶で、一寸、一息つきます〜
T女史:はい、これ中国のお茶です。
抜:何茶ですか?
T女史:「がんちゃ」です。
抜:「岩」の「茶」ですか。
T女史:そうです、岩場に生えている茶葉です。
中国の方は商談の時なんかには、この岩茶を飲むみたいです。
抜:リラックス効果?
T女史:頭が冴えるんです。肝臓にも効くらしいですよ。
抜:じゃあ僕らは、ガブ飲みしなくてはなりませんね(笑)
堀:(厨房からウイスキーの小瓶を持って来て)変なウイスキーがあってさ。
抜:また、奥から何か引っ張り出して来ましたね(笑)
堀:これ、「無頼派」。知ってる?
抜:知ってますよ。昔、よくコンビニで買ってました。
堀:この前、知り合いの人がこれ持って来てさ、その時居た、M先生にどんどん注ぐんだ。
そんで、M先生一口飲んで、「これはひどい」って言ってた。
抜:(笑)
堀:「ひどい、けどいい」って人だからね、M先生。この前も聞いてみたんだよ。
「先生、立ち食いうどんはどうですか」って。
抜:ほう、それは気になる。
堀:そしたら、「あれはひどい。ひどいけど食えちゃうんだよな」だって。
抜:まさに、言い得て妙です(笑)
それにしても、この岩茶って、いけますね、美味い。
岩茶で一息ついてから、ぼちぼち、ハードリカーに手を出します。
ウイスキーを飲みながら、対談を再開したところへ、噂をすれば影。
明日は遂に、偶然ゲストの「M先生」登場です。
※現在、「めっかった群馬」を小さくリニューアルしようとしております。
来月下旬頃には、マイナーチェンジしたサイトが、お目見えできると思います。

1001声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第2回(全5回)

2010年09月27日

■クレインダンス対談 第2回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
場所:ほのじ(伊勢崎市)
〜二人とも、酒の酔いも馴染んで来て、舌もなめらかに回って行きます〜
堀:しかし、「めっかった群馬」のアクセス数は伸びないなぁ(笑)
抜:もう何年も横ばいですよね。
堀:始めた頃はさぁ、掘り出し情報と言うか、「群馬県面白情報サイト」を意識してたけど、
県外からのアクセスが、意外なほど少ないよなぁ。
抜:そうですね。リピーターの方は、ほとんど、県内の方だと思いますね。
堀:だけど、まだ4年目だもんな。
抜:そうですね。目指すは5年、と言うところです。
堀:20年くらい経ってから、良さが出てくるんだと思うよ。
抜:老舗の味ってヤツですかぁ…。
堀:ネット社会もその辺の飲み屋と一緒で、新陳代謝が早いからさぁ、10年もやったら老舗になるんじゃないの。
抜:(笑)それは、言えてるかも知れません。
堀:誰かに言われたなぁ、めっかった群馬のTopページが放つ独特なアヤシサが良いって。
抜:巷の店だったら、万人が暖簾をくぐれるような店じゃないですね。
入ろうとすると、一緒に居る人が腕つかんで「ダメ!」っていう様な(笑)
堀:そうだね、絶対に。店構えを見た人は思うよな、この店なんでやれてるんだろ。
丁度、俺の店みたいにさ(笑)
抜:あのサイトの、どこにも収益、つまり「金の匂い」を感じるようなところがないですからね。
堀:こうなってくると、白鵬の連勝記録とか、魁皇の角番とかさ。
抜:おっ、また、相撲に戻った(笑)
堀:つまり、やめられなくなってくる。
〜酔いが回るにつれ、話はさらに深い場所へ〜
堀:お客さんや他人としゃべってたりしてさぁ、
自分の伝えたい事が伝わらないと、昔の俺は、言葉を足してたんだよ。
それが最近は、すっと、引くんだよ、自分がね。これ、抜井の影響だと思うよ。
抜:はぁー、そうですか(笑)
堀:しゃべってると、「あっ」って(笑)
自分の中で「あっ」と思うと、「ふっ」と引く様になっちゃう。
抜:じゃあ、以前は押してたんですね。
堀:押してた押してた。それで、なんだか怒っぽかったし。楽になったなぁ、なんだか。
抜:それは押しの中の引き、だからじゃないですか。
堀:ほぉう。
抜:今までは、押しでやってきた。つまり、押しを知っているからこそ、引いた時に違う景色が見える。
だから、心地好い距離感を見つけたんですよ。
ずっと引いてたら、僕みたいにですけど(笑)、距離が離れ過ぎて、心地好くないですよ。
堀:はぁ、そうか。
抜:そうです。
この後、T女史が買い出しに行ってくれました。
勿論、酒を。
机に並んだのは、「トリス」やら「無頼派」やらのウイスキー。
どうなることやら、また、明日。

1000声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第1回(全5回)

2010年09月26日

■クレインダンス対談 第1回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
場所:ほのじ(伊勢崎市)
T女史:抜井さん「おきゅうと」って知ってますか。
抜井:知らないです。
堀澤:T女史が先週、九州に行って来て、そのお土産。
抜井:九州の郷土料理ですか。
T女史:そうです。
〜おきゅうとで一杯やりつつ、徐々に対談が始まります〜
堀:最近、読書したり文章を書いたりって言う時間がとれてないんだけど、
すごく大事だよね。
抜:大事ですね。
堀:そう言う時間が無いと、時間がダラーっと流れて行って、
一日の中で考える時間が持て無い。
その考える時間を抜井は無理やり、おそらく2時間くらい、
ひとこえの更新で作っているけど、それでも短いと思う?
抜:思いますよ。ただ、また持て余して腐らすほど、
有りすぎてもダメだと思いますね。
堀:そうだ、今回、魁皇が角番なんだよね。
抜:また、考える時間が短いですね(笑)
堀:13回目の角番。
抜:負け越したら終り、と言うヤツですね。
堀:そう、俺は思い入れが強くて。
抜:以前、何度か言ってましたね。
堀:うん、初土俵が昭和の力士って魁皇しか残ってないんだよね。
抜:へぇ、もう、そんなですか。
堀:そう。たぶん、魁皇、貴乃花親方、俺って同級生じゃないのかな。
常々、思ってるんだけど、魁皇がもし引退したら。
昭和が終わるんだよね、俺の中で。
抜:じゃあ、今日の一番には、昭和47年世代の昭和が、かかってるんですね。
厨房のラジオから、大相撲中継が聞こえています。
この後、白鵬×魁皇、注目の一番に、座の一堂、耳を傾けつつ、飲んでおりました。
この続きは、また明日。

999声 未来のテレビ

2010年09月25日

9月17日に放送された、アニメ「ドラえもん」。
いつもの2話の中、「ほんもの3D」と言うタイトルの話があった。
自宅に来た、まだ世間で発売前の超巨大3Dテレビ。
それを、御馴染の仲間を集めて自慢するスネ夫。
皆、3Dメガネをかけて3D映像の迫力を体感するのだが、そこはスネ夫。
意地悪して、のび太にだけ3Dメガネを貸してくれない。
3D映像を体験できなかったのび太は、お約束の行動。
一目散にドラえもんに泣き付くのである。
そこでドラえもん。
そんなのび太を見かねて、未来の道具、かければ、見る映像が本当に飛び出す、
「ほんもの3Dメガネ」を貸してあげるのだ。
こののび太を見ていて、まだ、アナログテレビでドラえもんを見ている私も、
身につまされた。
3Dどころか、のび太の家と同じく、地デジ化もなされていない。
家族の噂で聞いたところによると、私の祖母祖父宅も、
地デジテレビを導入する心積もりが有り、どうやら私が選べと言う風潮がある。
自分のテレビがまだアナログなのに、果たして地デジテレビの選定が出来るか、
甚だ不安である。
先日、祖母からはその意向を伝える電話が掛かって来た時の事。
国勢調査の調査書に記載してある文字が小さくて読めない、と言っていたらしい。
それではおそらく、テレビの文字を読むのも大変なのだろう。
むしろ、3Dテレビの方が、見やすいのかも知れない。
いや、「ほんもの3Dメガネ」の方がもっと見やすい。
ドラえもんに泣き付こうかな。
映像に弱い人も楽しめる。
ってのも、未来のテレビに課せられた、ひとつの課題なのだろう。
【天候】
朝、薄日射す曇天。
空、ビールグラスの中から、泡を見上げているかの如し。
後、回復し雲多くも晴天。

998声 サンドイッチとウイスキー

2010年09月24日

トリスウイスキーの瓶。
その首根っこを鷲掴みにして、ほのじから飛び出しのが、昨夜、23時10分前。
JR伊勢崎駅で、23時発の高崎行き終電車に、どうにか転がり込めた。
通常ならば、悠々、間に合う。
しかしながら、現在状況は酔っ払いの千鳥足。
放置自転車にぶつかったり、電柱に抱きついたり、
券売機前で小銭をばらまいたりと言う、おまけが付いてくる。
車内のシートに着席し、一息付いて、瓶の蓋を開け、ウイスキーをラッパ飲み。
しようと思うのだが、度数40%ストレートじゃいくらなんでも、私にはキツイ。
やはり、西部劇に出て来るならす者の様にはいかない。
派手にむせている私の声が、静かな車内に響き渡る。
斜向かいの席に座って携帯電話をいじっている、ジャージルックのお嬢さん。
どうか、そんな冷たい目で見ないで下さい。
雨降りの今宵は、やけに冷えます。
駅からタクシーに乗って、帰り際。
往生際悪く、コンビニで降りて、サンドイッチを買う。
ミックスサンドイッチを、食いながら歩く。
トリスウイスキーを、歩きながら飲む。
虫の音がさんざめく田圃の畦道を、大威張りで行く。
見上げれば、夜空。
穴を開けた様に切れている雲間から、ぼんやりと満月。
そうか、今宵は、中秋の名月。
【天候】
終日曇天。
時折、冷たい小雨がまじる。
長袖シャツにジャケットを着て、丁度良い気温。

997声 彼岸のぼた餅

2010年09月23日

天気予報通り、気候は一気に秋めいてしまった。
今日は秋分の日。
雨降りの秋の休日と言うのは、どこか所在ない心持になる。
現在時刻は午後3時過ぎ。
冷たい雨も上がって、野原では虫が鳴き始めた。
これか出掛ける予定が1件。
と言うのも、この日刊「鶴のひとこえ」、あと3声で第1,000声を迎える。
その為の記念企画を収録すべく、伊勢崎まで出掛ける用事。
今時期は秋彼岸なので、近所では墓参りをしている人たちを見かける。
私など、もうかれこれ、10年程、墓参りをしていない気がする。
「バチ当たり者」
と、両親含む親族一同から実際に言われたり、言われなかったり。
今日も行けそうにないが、
やはり、彼岸の時期でないと更に行けそうにない。
けれども、ぼた餅ぐらいは、食ってみようと思う。
【天候】
朝から強い雨。
午後には小降りとなり、その後断続的に降ったり止んだり。
昨日との気温差は10度以上あり、空気は一気に秋めく。

996声 稲光

2010年09月22日

へこたれてしまう。
くらいに、暑い。
東京都心において、今日、最高気温が30度を超えた。
これによって、真夏日の年間日数が2004年の70日を更新して71日となり、
過去最多を記録したらしい。
つまり、統計開始以来、一番暑い夏であったのだ。
それでも、今日は中秋の名月。
しかし、関東地方では夕方から雷。
澄んだ空に浮かぶ満月を観賞する筈が、
黒雲に走る稲光を鑑賞する事になってしまった。
現在時刻は午後11時。
雨は上がったのだが、群馬県高崎市からでは、
どうやら名月は拝めそうにない。
去年の今時分は、丁度、群馬の銭湯本を刊行しようと志していた頃。
未だ、「群馬伝統銭湯大全」なんて名前も考え付いていなく、
茫漠と書籍(のような物)にしてみようと考えていた頃だ。
同時に、「自分に本当に出来るのだろうか」と、不安も抱えていた。
そう言う人間には、名月よりも稲光の方が似合う。
一年経って、在庫本の埃を払っている、現在の私には、
名月を覆う夜の曇天が似合っているような気がする。
さればこそ、稲光よ、もう一度。
【天候】
終日、雲も疎らなる秋晴れ。
依然として、残暑甚だし。

995声 敬老の日の悪人

2010年09月21日

今日は運動会の振り替え休日。
って事で、近所の小学校が休み。
それを知ったのは、今朝、通勤の時。
いつも、登校班で列になって行く筈の子供たちが、
沿道に見えなかったからである。
小学校の脇を通ると、お母さんであろうか、低学年生と思しき娘と一緒に、
鉄棒で坂上がりの練習していた。
そう言えば、敬老の日で祝日だった昨日。
高崎市街に映画を観に行ったのだが、館内に溢れかえっているのは、学生。
若者の洪水だった。
掻き分けながら入場し、スクリーンで開演待っていた映画は、『悪人』である。
先頃、カナダのモントリオール世界映画祭において、
ヒロイン役を演じた深津絵里さんが、最優秀女優賞を獲得した映画。
だから、と言う訳でもないが、吉田修一さんの原作に対する好奇心も相まって、
原作を読む前に観てしまった。
映画評。
など、私には出来そうも無いので、感想を少し。
物語の全体を包んでいるのは、「閉塞感」であった。
若者誰しもが内包している、性の鬱屈、生活の倦怠、精神の孤独。
それらが、複雑に絡まり合う。
そのこんがらがった糸を、解かず切ってしまう事で起こる、殺人。
それは被害者と加害者を生み、同時に、被害者の家族と加害者の家族をも生む。
誰しもが持つ「悪」によってもたらされる、悲劇。
市井のどこにでもいる人たちを描いた作品だけに、
観客は、登場人物の誰にか感情移入して観る事が出来るのではなかろうか。
夜の海原を照らし続ける、孤独な灯台の如く、いつまでも彷徨える心。
しかし、登場人物の背景描写が薄く、見終えてから、
原作を読まねばと言う思いに至った。
俳優陣の演技は秀逸で、特に、主演の妻夫木聡さんには、鬼気迫るものを感じた。
【天候】
終日、雲も疎らな晴れ。
朝晩は涼しいが、日中は残暑甚だし。
巷には、未だ半袖の人、多数。

994声 温度計の逆回し

2010年09月20日

夏季は冷涼。
とは聞いていたが、9月現在の気候はもはや寒冷に近く、とても驚いた。
長野県は蓼科高原が、である。
昨日。
諏訪湖から群馬への帰路は、山梨方面へ下って白樺湖へ周り、
蓼科高原を通って来た。
峠道には、のんびり屋の鹿が一匹、ガードレール脇で草を食んでいた。
そんな、白樺が林立する高原風景。
諏訪湖の気温は、半袖で、軽く走ると汗ばむくらい。
それが、諏訪湖辺りから、およそ1,000m登った蓼科高原では、
長袖にジャケットを羽織って、丁度良いくらいの気温。
その体感気温は、もう晩秋であった。
白樺湖畔のコンビニで休んでいると、低いエンジン音を轟かせながら、
バイクの一団が入って来た。
ハーレーのチョッパーに乗ったライダーたちの半数が、
薄手のダウンジャケットを着用していたのには、いささか驚いた。
長野県佐久市から群馬県上野村へ入り、南牧村、下仁田町、富岡市を抜け、
ようやく高崎市へ着いた。
車を降りると、温度計を一気に逆回しに戻したかのごとく、残暑。
先程まで、蓼科に居たせいか、半袖でも暑く感じる。
しかし、冷えた生ビールを飲む時には、こちらの方が好適な気温である。
【天候】
朝から雨。
午後には雨降り止み、雲の切れ間から薄日射す。
夜半になっても、いささか蒸し暑し。

993声 石仏の妙味

2010年09月19日

「万治の石仏」
ちゅう、有名な石仏があって、かねがね見物したいと思っていた。
明日が敬老の日で休み、よって今日の日曜日は3連休の中日。
丁度、誂え向きの日取りなので、行って来た。
長野県は諏訪湖の畔まで。
正確な場所は、長野県下諏訪市東山田字石仏。
「字石仏」と言う地名からして、魅力的な匂いを感じる。
「万治3年11月1日」と石仏の胴に刻まれている事から、
万治の石仏と呼ばれる様になった。
万治ってのは、江戸時代の1658年から1660年の年号。
時の将軍は徳川家綱。
それ以外は、数々の伝説を残している、謎の石仏なのである。
岡本太郎がこの石仏を絶賛した。
と言うエピソードは、観光向きの情報として、広く伝えられている。
確かに、現地に行って見ると、万治の石仏と周辺景観の妙に、圧倒される。
やはり、一番適当な形容が、「妙」。
妙な雰囲気なのである。
【天候】
終日、雲多くも秋晴れの一日。

992声 難攻不落の女 後編

2010年09月18日

昨日の続き。
佐々木女史。
そしてその友人共に、酒には滅法強い。
これが、男性陣敗北の一番の原因になってしまうのだが、話を進める。
何度目かの杯のやり取りの後、酒を進める後輩が、明らかに泥酔状態になってきた。
佐々木女史は、いつもの伝で、ビールジョッキ片手に平静を保っている。
ジョッキを傾けている佐々木女史の耳に入って来たのは、
呂律のもつれた男性陣の会話。
後輩が、先輩の方にしなだれかかって、なにやら耳打ちしている。
その声が、泥酔している事もあり、耳打ちから漏れ聞こえてくる。
「先輩、もうそーとー呑ましてるんですがね、相手のおんなども、
一向に潰れそうにないっすよ」
と言う様な塩梅の会話。
その瞬間に、否、佐々木女史と友人は、序盤から男性陣の魂胆に気付いていた。
つまり、「自分とその友人を酔い潰して、何かヨカラヌコトを企んでいるのであろう」と。
「それでどうなったんですか」
佐々木女史の酒癖を知っている私は、なんだか、男性陣に同情する様な心持で、
話のオチをせがんだ。
「友だちと呑み直して帰って来たわよ」
ビールジョッキを豪快に煽りながら、そう言い捨てた、佐々木女史。
男性陣は店で潰れてしまって、佐々木女史はそそくさと友人を引き連れ、
馴染みの店で飲み直して帰った、と言う。
なんとも、百戦錬磨の身のこなしである。
「そう言う場に居て、こわくないんですか」
一応、私は佐々木女史の後輩であるので、気を使って聞いてみた。
「アンタみたいなヒョロっちいのがいくら来ても、こわかないわよ」
私は、相手が悪かったと、ますます男性に同情すると共に、
二人組の仕掛けた、その安直な作戦を軽侮した。
そんな、とりとめもない昔の思い出話が、ふと思い浮かんだ。
時を経て、あの時佐々木女史の小噺に笑い転げていた私が、
現在は、結婚相談の勧誘を受ける年齢になってしまった。
その話を思い浮かべ、脳内劇場で芝居になぞらえると、
どうもその間抜けな後輩の役が、自分に適役のように思えてならないのである。
【天候】
終日、綿菓子の出来そこないの様な雲が、ぼんやりと浮かんでいた秋晴れ。
近隣の小学校でかいさいされているのであろう。
運動会の声が、風に乗って聞こえて来た。

991声 難攻不落の女 前編

2010年09月17日

「はい、抜井です」
「抜井さんのお宅でしょうか」
「はい、そうです」
「諒一さんは御在宅でしょうか」
「はい、本人です」
「左様ですか。私、結婚相談をさせて頂いております○○と言う会社の者ですが」
この類の電話が、2月に1度くらいの頻度でかかってくる。
私の個人情報をどこでどう調べたのか、甚だ疑問である。
しかし、私は元来、生活の中で自らの個人情報を軽んじている傾向があるので、
その疑問を、左程追求してみようと言う気も起こらない。
それよりも、自分がその類の会社の名簿の中に記載され、
営業の対象となっている事の方が、俄かに信じられない。
昔、私が現在の会社に入社したばかりなので、23,4歳の頃。
知人に当時、32,3歳くらいであった女性がいた。
何かの酒席での事、その女性、
佐々木さん(仮名)が自らの「婚活体験」を話し始めた。
多少酔っているので、雰囲気は慣れた小噺のようであった。
この、佐々木女史。
20代後半に差し掛かると、いよいよ、結婚を視野に入れた活動に勤しみ始めた。
友達の飲み会、知り合いの知り合いとして参加する合コン、
果てはお見合いパーティー。
一見すると、黙っていてもモテそうなタイプに見えたので、話が余計に面白い。
その中で、友達と参加したと或る飲み会での一件の話。
その日、佐々木女史はいつものように、友人二人と知り合いの男性二人が参加する、
謂わば、2対2の合コンの席に居た。
ビールで乾杯し、話も滞りなく進み、雰囲気も悪くない。
しかし佐々木女史、ある一点だけが、妙に気になりだした。
それは、相手の男性。
どうやら先輩と後輩の関係にあるらしい、後輩の方が、
佐々木女史にしつこく酒を勧める事。
佐々木女史も嫌いじゃない。
勢い良く杯を空けると、相手が踊りださんばかりに喜ぶ。
そして、喜んでいる後輩に、返杯。
さて、相手の勧めるまま、杯を空けて行く佐々木女史を待っていたものとは。
明日へ続く。
【天候】
朝より、鰯雲の浮かぶ秋空。
日中は薄日射し、いささか残暑の気配は消え気なぬが、終日、穏やかな秋晴れ。

990声 その日のお天気

2010年09月16日

数日前から、この日刊「鶴のひとこえ」を更新する際に、
その日の「天候」を記する事にした。
それは、先日読んでいた、内田百?に関する、吉行淳之介が書いた随筆の一節による。
吉行淳之介が戦後、内田百?の戦時下に執筆された随筆を読んでいると、
そこに記されていた当時の天気が、
大いに記憶を喚起させた(ちと記憶が曖昧だが、おそらくそうである)。
と、言う一節。
因みに、吉行淳之介が育った麹町では、内田百?も暮らしていた。
つまり、お互い、同じ町内の住人だったのである。
或る日、吉行宅に届いていた新聞に、手書きのチラシが折り込まれていた。
その筆で手書きされた文面を読むと、猫を探しているらしい。
それは、百?が愛猫「ノラ」を探す為に書いたチラシだった。
と言うエピソードもある。
そうか、と思った。
私など、永井荷風の「断腸亭日乗」などを捲っていて、
時折、書かれているその日の天候描写を読むと、生まれる以前の出来事なのだが、
妙に近しい印象を受ける。
記憶で無く、想像力が喚起されるのであろう。
そんな事を考えていて、こうやって、折角毎日書いているんだから、
その日の天候くらい記しておこうと思い立った。
内容が薄いので、後から読み返した場合、天候くらいは役に立つのでは。
と言う腹積もりもある。
記載するのは、私が住んでいる、群馬県高崎市の天候であり、
もし出掛けた際には、その土地の天候と言う事になる。
しかし、いつまで続く分からぬし、読者も、殆ど群馬県内の人と推察されるので、
良しとする。
【天候】
終日、冷たい雨。
夕方に雨上がり、夜には虫が鳴いていた。

989声 愛煙家の受難

2010年09月15日

「これ」と決めると、同じものを食べる癖がある。
行きつけの食堂へ行くと、「ラーメン定食」を注文する。
一度、ラーメン定食と決めてしまうと、夏でも冬でも、
頑としてそれを注文している。
と言っても、店のおばちゃんなどは、暖簾をくぐって来た私の顔を見るや否や、
伝票に「ラーメン定1」と書いている。
私は只、席に着いて黙っていれば事足りる、と言う仕組みに、いつの頃かなった。
その店の厨房で鍋を振るっているのは、私と同級の幼馴染。
今日、彼と雑談していると、煙草の話になった。
来月の1日から、たばこ税が増税となり、1本あたり3.5円の値上げとなる。
それに加え、製造メーカーにおいても、1本あたり1.5円の値上げ価格が上乗せになり、
合計すると、1本あたり5円値上がりすることになる。
早い話、1箱に20本入りのマイルドセブンの価格が、税込300円から410円、
つまり110円上がる訳だ。
銘柄によって、その価格に多少の差異はある。
それを受けた彼は、駆け込みで、煙草を買い溜めしているらしい。
しかし、いよいよとなったら、価格の安い銘柄に鞍替えする事も、
視野に入れていると言う。
愛煙家と言うのは、それぞれに好きな銘柄を持っているものである。
その銘柄の吸い慣れた煙草から、味の馴染まない煙草に替えるのは、
さぞや心苦しいだろう。
私は煙草は飲まないので、好きな麦酒に照らし合わせて考えると、
煙草飲みの心中を察する。
コンビニの冷蔵庫を開け、麦酒を横目に発泡酒、でもなく、懐具合を考慮して、
所謂、第3の麦酒を取り出している心境であろう。
「これを機に止める」
と言う所までは、踏み切れないらしい。
彼の様な鞍替え組が大勢出れば、価格帯の低い銘柄種類が、
増えるのではなかろうか。
そして、価格帯の高い銘柄は、現在の葉巻の如く、高級嗜好品になって行く。
そんな気がする。
【天候】
朝から小雨交じりの曇天。
昨日との気温差も5、6度程度あり、半袖では、肌寒く感じた。
夕方に小雨が降り、夜は涼く、今日を境に、寝具はすっかり秋物となる。

988声 もの思わせる秋

2010年09月14日

未だ、コンビニへ寄った際にはアイスコーヒーを買っている。
しかし、今宵に吹き来る秋風は、私にホットコーヒーを恋しくさせた。
いつになく、随筆調な書き出し。
どうやら筆者、秋気が澄み、虫の音が響き渡る夜風が、身に沁みているらしい。
実は、ここのところ数日、寝不足である。
仕事などで徹夜している訳では無く、只、こうやって、
机の前に座ってあれこれ考えていると、忽ち、夜半。
それからどうにか、冷や汗をかく思いで、文章に目鼻を付け、ここに載せる。
時刻は既に、丑三つ時。
急いで、寝床にもぐり込む。
潜り込んでから、付けた目鼻がチグハグになっている事に気付き、
腑に落ちない心持を抱いたまま、眠るのである。
寝不足なので、当然、昼間眠い。
なので、コーヒーを飲む頻度が著しく増えているのだ。
懐具合から考えても、とても効率が悪い。
では毎晩、サラリと書いて、スラリと寝れば良い。
それが出来ない。
秋が拍車をかけて、毎晩、「もの思わせる」からだ。
もの思いに耽っていると、本棚の黒い背表紙。
「もの思う葦」
なんて言う太宰治の新潮文庫が目に止まって、読み始める。
巧みなる弱さ。
改めて感じて、また本棚に戻して、虚空を見つめる。
とりとめもない考えを、ひとつ引っ張り出して、終える。
例えば100万円の車を買う時、10万円のオプションなど、微々たる金額に感じる。
かかる10万円を、目前の100万円と比べているからである。
その伝で、大きな希望を持っていれば、小さな絶望に直面した際、
翻弄されずに済むのではないか。
かかる絶望を克服する為に必要なのは、広大であり巨大な希望である。
【天候】
終日、雲が泳ぐ秋晴れ。
黄昏時、夕立が足早に通り、秋気澄む。

987声 日々のほろほろ

2010年09月13日

去年くらいからだろうか、9月の連休の事を、
「シルバーウイーク」なんて言い始めたのは。
巷の勤め人(私もその端くれである)連中は、
宿泊の予約と渋滞の懸念で大忙しである。
去年の今時分。
「来年は高速道路が無料化が実現している」
などとタカをくくっていた人たちも、依然として先行きが見えない状況と、
政治の時局を鑑みて、自家用車にETCを装着している模様。
「土日祝日1,000円乗り放題」
ってのを、甘んじて受け入れている。
私はと言うと、「今更」と言う言葉が邪魔をして、どうにも購入に踏み切れない。
しかし、1,000円は魅力である。
その伝で行くと、地上デジタル放送対応のテレビ。
なんてのも、広告などを見ると、
「今更」と言う言葉が脳裏にこだましてしまう。
ここでもまた、エコポイントってのが、私を誘惑する。
政府の政策に、日々ほろほろと翻弄されながらも、
私たちはやはり国家を意識せねばならない。
そうしなければ、いつまでたっても私たちは、
落ち着いて芝居が観られないのではないか。
と言う怪しげな文章を、何故、ETCの一つも買えない様な私が、
夜な夜な製造しなくてはならないのか。
結局、問題は、目下の侘びしい現実に回帰する。
【天候】
朝、小雨のち晴れ。
午後、風が強かったせいもあって空気が澄み、
鰯雲に照る美しい夕焼けとなる。

986声 茨城の銭湯へ出発

2010年09月12日

遂に、足を踏み入れてしまった。
茨城県へ、である。
今日訪れたのは、茨城県古河市。
その場所は、群馬県の鶴舞う形のくちばし部分にある、板倉町の先。
隣接こそしていないものの、渡良瀬遊水地を挟んだ、直ぐ向こう側である。
高崎市からは、一般道でおよそ2時間。
自宅からの距離は、往復150km程度だった。
目指すは、勿論、銭湯。
古河市には、古河駅程近くに1軒、伝統的な銭湯が営業しているのみ。
その名を、「古河浴場」と言う。
古河市内は城下町の面影を残す、古風な景観が残る街並み。
その街並みに調和する事なく、都会的なビル型銭湯だった。
しかし、褪せた暖簾の先には、創業50数年を経た情緒が残されている。
その純度は高い。
番台の親父さんに伺うと、過去、古河市内だけで、
9軒の銭湯がひしめき合っていたらしい。
古河城下が如何に繁栄していたか、の証拠である。
現在は、古河浴場1軒のみの灯火となってしまったが、
早い時間からお客さんが絶えない状況を見て、少し安心した。
今回、初めて出逢った物がある。
それは、浴室内に設置されている、ひとつの蛇口。
それも、公園の水飲み場に有る様な、噴水型の蛇口なのである。
これで、のどが乾いたら水を飲めるので、脱水症状防止になる。
茨城の銭湯。
何か、オモシロい事になって来そうな予感がする。
【天候】
晴れなれど雲多し。
残暑、甚だ蒸し暑し。