日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

1734声 リフレイン

2012年10月05日

まとまった俳句作品を作らねばならぬ。
考えているのは、一つの題で、例えば、「秋桜」だったら秋桜で、10句くらい揃える。
山村暮鳥作「風景 純銀もざいく」の「ひちめんのなのはな」の詩みたいに、
並べてリフレインさせることで醸し出る、一面の菜の花感。
そう言いう俳句の連作。
すでにあるけれど、作ってみたいと思う。
思ってはいるのだが、中々、難しい。
庭の直ぐそこに、秋桜が揺れているのが、もどかしい思いである。

【天候】
終日、秋晴れ。

1733声 曼珠沙華

2012年10月04日

久方ぶりに二日酔いである。
昨夜の酒席では、同席した方が日本酒党だったため、
私も麦酒党と言うことはひとまず露わにせず、合わせて飲んだ。

最近、殊に麦酒ばかり飲んでいるせいもあって、
乾杯の麦酒の速度をそのまま受け継いで、お猪口を口に運んでしまった。
二合、三合と飲む間に、だんだん脳内にも日本酒が浸透してきて、
いい心持になってくる。
そうなったらもう駄目で、気がつけば翌朝の蒲団である。

「わっ」
と、寝床で驚いたのが、真っ赤なのである。
真っ赤でも、よくよく見れば、ジーンズのポケットが綺麗に赤い。
その赤いのを持ち上げて見ると、彼岸花であった。
昨夜の帰路、酔っ払って畦道の彼岸花をポキリと一本折りとった記憶が、
おぼろげながら残っている。
あの妙に「ポキリ」とした感触がいささか不気味だった。
いま、こうやって朝日の中で眺めると、別段、感興を魅かれるでもないので、
庭へ出て土に刺しておいた。
遠目には、あたかもそこに咲いていたかのように、しっかりと見えた。

【天候】
晴れのち曇り。

1732声 山廬忌

2012年10月03日

今日は山廬忌。
甲斐の俳人、飯田蛇笏の忌日である。
朝刊の上毛新聞に目を通していると、一面の「三山春秋」に、
この蛇笏の句がいくつか引いてあり、思わずニヤリとしてしまった。

没後50年らしい。
そんなものかと、意外と近く感じた。
その句業の大きさから、漠然と、もっと古い時代の俳人。
と言う、印象を持っていたのである。

俳句の世界では、高齢の方々が一線で活躍している。
主流はまだまだ、旧かなづかいで文語体の句である。
それらも時代を感じさせないことに起因しているだろうが、
一番の大きな要因は、蛇笏の句が古びていないことにあろう。
つまり、50年やそこらでは色褪せない、硬質で清新な詩。
それが、少なくとも私の感じている蛇笏俳句である。

くろがねの秋の風鈴鳴りにけり  蛇笏

【天候】
終日、曇り。宵の口に小雨。

1731声 撮り手

2012年10月02日

胸の内が微かにふるえるような、写真。
例えば、その写真の構図は、花弁に乗る露の一粒。
その一葉には、もはや浮世とは思えぬ清浄な世界が写し出されている。
そんな写真を観ると、自分もすぐさま、何某かの一眼レフカメラを購入して、
野山へ出掛けたい衝動に駆られる。

しかしながら、仮にそんな立派なカメラを手に入れたところで、
私の撮る写真など、たかが知れている。
つい先日のことである。
酒席で出された料理を、座の隣人が熱心に一眼レフで撮り始めたので、
自分も釣られて、愛用の、と言うかそれ一台しか持っていないカメラで撮ってみた。

料理を撮る。
てぇのは、意外と難しくて、室内の光の具合などの関係だろうが、
なかなか素人では美味しそうに撮れない。
自分の例外でなく、がちゃがちゃとボタンを押すのだが、一向にうまく撮れない。
「あっ、それGRDじゃないですか」
と、先の一眼レフの隣人。
どうやら同じ機種のカメラを持っていらっしゃるようで、丁度よいので、
私のカメラを渡して一枚撮ってもらった。

何かのボタンを2、3回押して、焦点を合わせてパチリ。
「はい」と返されてモニターをのぞくと、美味しそうに照る、
鯛の刺身が写っているではないか。
撮り手によってこんなにも写りが違うものかと、愕然とした。
このカメラを購入してから、もう4、5年経つのである。
野山へ出掛ける際は、カメラよりも俳句帖のほうが、
自分に合っているとつくづく感じた。

【天候】
終日、雲多くも快晴。宵の口に一時的に小雨。

1730声 古漬け

2012年10月01日

「あれでもないこれでもない」
などと、パソコンの画面を眺めつつ、もう小一時間。
写真を送っては戻している。

今週の7日日曜日。
新宿で開催される「銭湯ナイト」で紹介する、
群馬の銭湯の写真を見繕っていた。
会場に来るのは、ほぼ銭湯フリークだと思われるので、
普通の味付けでは満足はしないであろう。
せっかくなので、舌の肥えた都会っ子の銭湯フリークたちに、
群馬県が誇る銭湯の古漬けを味わってほしい。

お口に合うかどうか。
などは最初から念頭にない。
銭湯によって発酵した文化の力を、私は信じている。
もう酸っぱいくらいの銭湯を、当日は紹介するつもりである。

【天候】
終日、台風一過。

1729声 台風の余波

2012年09月30日

ガタゴト揺れるたびに、家が傾いでいる。
風が、殴りつけるように当たっているからである。

台風17号が、日本列島を通過しているせいで、
大荒れの一日となった。
群馬県は主に午後から、雨風共に激しく、交通の足やイベントにも影響が出た。
私も夜、知人のライブに出掛ける予定があったのだが、中止となった。
夕方は高崎駅にいたのだが、JR湘南新宿ラインの運休や、
新幹線各線の運行調整の為、構内は騒然としていた。
みどりの窓口には行列が出来ていたので、おそらく遠方へ帰る方は、
交通の足が無くなってしまったのであろう。
気の毒である。

そんな訳で、例によっていま、麦酒を飲みながら大人しくしている。
明日は、台風一過で綺麗な秋の空が広がっている筈である。
あの台風が連れてくる、それまでの風ではない。
そこはかとなく、異国的な雰囲気漂う、青空が好きである。

【天候】
午前中曇り、午後より風雨激し。

1728声 紅葉渓谷

2012年09月29日

最近、日々の酒量が増えてきている。
その伝で、これを書いている午後9時半を過ぎた頃合いには、
もう随分と、手元が覚束ない。

県内の渓谷、例えば吾妻渓谷などは、
もう紅葉が始まって来ているらしい。
来月、つまり10月の下旬に吟行に行く予定があるが、
その時まで観られるか心配でもある。

ともあれ、これから始まる紅葉の時期を、
大いに楽しもうと考えている。
そうすれば、この紅葉イラストがプリントされた缶麦酒が、
もっと美味しく感じるはずだから、である。

【天候】
終日、曇り。

1727声 観月

2012年09月28日

もうすぐ仲秋の名月である。
もちろん、月を観て何句か残すことになるだろうが、
毎年、同じ様な光景。
つまり、群馬県の野山で月を仰いでいるので、
たまには、違う視点から観てみたくもある。

例えば。
飛行機に乗りながら、山の頂上から、都会の中から。

船の名の月に読まるる港かな  日野草城

山国の人間としては、こう言う句が殊に新鮮である。

【天候】
終日、曇り。時折、にわか雨。

1726声 ペールエール

2012年09月26日

仲間内で、麦酒を飲みに行って来た。
ただ「飲みに行く」と言うニュアンスではなく、
「麦酒」を目的とした集まりなのである。

太田市にあるブルワリーの麦酒が、賞をとった。
若干、詳細を書くと、
そのブルワリーのペールエールと言うスタイルの麦酒が、
謂わば、国際麦酒大賞と言える権威ある賞の、銅賞を受賞した。
受賞に釣られて行く、と言うのも現金なものだが、
ひとつのきっかけとして、こんないい機会は無い。

平日なので、席には余裕があって、ゆったりと飲めた。
私たちのテーブルだけ、麦酒のガイドブック片手に、
麦酒の歴史だの小難しい話をしながら、飲んでいる。
やはり、職人の作る麦酒は美味しい。
堀澤さんは「近所にあったら毎日来る」と言う、
いい店を見つけた時に、決まって言う文句を連発していた。

美味いし、なにより安い。
どんどん飲めば、どんどん美味しくなって行く。
麦酒は生きているから、育つのである、
このブルワリーの麦酒も、もちろん、どんどん美味しく育ってほしい。
皆で、ふらふらになりつつ最終列車へ乗り込む。
もちろん、缶麦酒片手に。

【天候】
終日、快晴。

1725声 真実の句

2012年09月25日

ここへ来て、すこし来月用の俳句の締め切りが重なって来た。
とは言っても、取り立てて「忙しい」、と言うほどでもない。
先の新人賞からの派生であるので、一過性だろう。
若干空しい気持もあるが、気が楽でもある。

先日、都内で開催された句会へ参加した際、
数年前に大きな俳句賞を受賞された俳人が来ていらした。
二次会の席で、受賞当時のことを少し伺った際、
受賞直後からの忙しさを聞いて、いささか恐ろしくもなった。
ともあれ、その大きな賞には勿論、
憧れはあるが挑戦しようともおもっていないので、その場では気楽に麦酒が飲めた。

当然、賞をとる為に俳句をやっている訳ではない。
自分の感動の結晶。
そう言う、「真実の句」に、賞がついて来たら、それはうれしい。

【天候】
終日、曇り。

1724声 尻の裂けた日

2012年09月24日

昨日、一日かけて雨が降った為か、一挙に秋めいて来た。
いつしか、庭にある山帽子の木の美が朱に色づいており、
裏の田圃の畦には、彼岸花がちらほら開花している。

そんな爽やかな秋の日に、ついに起こってしまった。
恐れていたことが、である。
今朝、起床すると、やや肌寒さを感じたので、この機会に夏服から冬服に、
(と言っても、この二パターンしかスーツをもっていないので、必然的にそうなる)
換えることにした。
ズボンのウエストがややきつく感じるが、夏場に肥ったと言うことは棚上げにして、
そのタイトなデザインが原因だと言うことにした。

ボケっとして路上。
メモをとろうとしてペンを落とした。
屈んでペンを拾った瞬間、である。
「ベリッ」と、生々しい音が臀部から。
おそるおそる、手を当てて確認すると、やはり、であった。
そう、平たく言えば、「尻が裂けた」。

ぱっくり裂けていて、指に当たるのは下着の柔らかな感触。
幸い、黒いズボンに黒い下着だったので、よかった。
いや、よくないよくない。
バックで尻を隠しつつ、ちょこちょこ歩きで、駐車場の車まで戻った。
これが、街のど真ん中だったらと想像しただけで恐ろしい。
このまま、量販店に行って安価なズボンを買おうか、とも思ったが、
まさか、この尻裂けズボンで入店することも出来まい。
急いで自宅へ戻り、今朝、別れを告げたばかりの夏服をひっぱりだして着がえた。
明日から、まだ当分夏服を着ることになる。
それよりなにより恐ろしいのが、尻が裂けた原因を、自分の肥えたことにはせず、
生地が弱っていただの、あのズボンには構造的欠陥があるだの、
責任を転嫁している、自分の思考である。

【天候】
終日、秋晴れ。

1723声 ボールペン放浪顛末

2012年09月23日

木工作家の平井氏と料理家の堀澤氏。
この同級生コンビが、堀澤氏が店主をつとめる「ほのじ」において、
今日まで二人展を開催している。

昨晩はその交流会に参加し、当然、千鳥足で終電に乗り込むと言う、
コースを辿ることになった。
最寄りの新前橋駅に着いて、すこし夜風に当たろうと思い、
ふらふらと駅前の噴水広場のベンチに向かった。

思えば、伊勢崎へと向かう往路の時、電車の接続が悪く、
夕方のこの噴水広場で、30分ほど枯れた噴水を眺めていた。
その後、何時間か経ったいま、酔眼朦朧として、
やはりこの枯れた噴水を眺めている。
「あっ」と思い、バッグから句帖を取り出して、
一句書きとめようとして、気が付いた。
「このボールペン、夕方にこのベンチで拾ったヤツだ」

夕方にこの同じベンチで、ひとつボールペンを拾った。
拾ってはみたものの、何だか得体が知れぬし、書けるかもどうかあやしい。
しかし、こんな地べたで風雨にさらされては、このペンも浮かばれぬだろうから、
駅まで連れて行ってやろう。
駅に着いたら、まぁ、時刻表の脇に置いておくか、ゴミ箱に入れるか。
そんなことを考えつつ、ポケットに入れた。
それが、すっかり忘れてしまい、また元のこのベンチまで戻って来てしまったのである。
私は、むやみにこのボールペンを連れまわしただけだった。
なんだか、得体の知れぬ感情が込み上げて来て、一夜明けたいま。
自分の机の上のペン差しに、ささっている。

【天候】
終日、雨降り。

1722声 銭湯の玄関

2012年09月22日

「銭湯ナイト」
と言う、銭湯フリークが銭湯フリークに贈る、
銭湯の湯以上に熱いイベントが、毎年、新宿のロフトプラスワンで開催されている。
今年で第8回を数え、私も観覧に行ったり、著作を売らせてもらったり、している。

今年のテーマの一つに、「関東の渋銭湯」と言うのがあり、
私も関東最北端である群馬県の、渋い銭湯を幾つか紹介する運びになっている。
紹介するのに、情報の裏付け、と言うか、より最新の情報のほうが良かろうと思い、
紹介候補の銭湯を当日までに幾つか回ることに決めた。

今日は前橋から、伊勢崎市へと足を伸ばそうと思う。
伊勢崎では夜にほのじに行く予定があるので、丁度良い。
と言っても、今書いている時点で、家から近い前橋の一軒に行って来た。
街の景観は変われど、銭湯の佇まいは変わらない。
佇まいは変わらないが、時の流れは止められない。
その銭湯の玄関には、「9月1日よりしばらく休みます」と手書きの張り紙がしてあった。
主もご高齢である。
体調など崩されたのかと、一抹の不安を覚えながら、玄関を後にした。

【天候】
終日、快晴。

1721声 首だけのジョン

2012年09月21日

秋の彼岸である。
それに合わせるように、一挙に秋の気配が訪れた。
夕方、自転車走っていると、半袖ではもう寒いくらいであった。
そうなると、そろそろ、畦道では彼岸花が咲くころである。

宵闇が訪れて、暗がりの田圃の畦道。
虫時雨の中を、特にどこに行くでもなく、気分転換のため、自転車で走っていた。
遠くの夜景から、田圃に目を移して、「ぎょっ」とした。
「なななな、なまくび」
そう、紛れもなく生首なのである。

ぼさぼさの髪、精気の無い眼、薄汚れた肌。
しかし、みな、よく見れば欧米人のような端正な顔立ちをしている。
これは、もちろん案山子用のマネキンなのであるが、
なにも、首だけをグラスファイバーの棒に刺して、さらし首のようにしなくても。
おかげで、こちとら、心臓が「きゅーっ」となるほど、驚いてしまった。
一番手前のマネキン、仮に「ジョン」とするが、この首だけのジョンは、
往来からくるりと逆を向いていた。
そのまなざしの先には、煌々とショッピングモールの灯が見える。
ジョンはこんな姿になりながらも、
2階、レディースファッションコーナーに残してきた恋人のことを、
考えているのかもしれぬ。

【天候】
終日、曇ったり晴れたり。

1720声 ハッピーアワー

2012年09月20日

「麻布十番」
東京メトロのその駅の、何番出口だったかは、
乗り換えにてんやわんやしていたので定かでない。
兎も角、その出口を出た。
そこから、スマートフォンの画面に出した地図を眺めながら歩く。
今思えば、小型探知機で獲物を探しているようで、甚だ滑稽な姿であるが、
田舎者は必死である。

何度もおなじ辻を通り、ようやく、目的の店を見つけた。
その店の、カウンターの奥に滑り込んで、とりあえず、一杯。
ここはビアバー、つまり、ちょいと質の高い麦酒を提供しているバーなのである。
国内の地ビールが主なのだが、オープン記念として、「パッピーアワー」と銘打って、
特定の時間だけ半額になる。
その時間を目がけ、まだ日も沈まぬうちから一杯やろうと言う魂胆である。

落ち着いて店内を見まわすと、なるほど客筋もひとくせありそうな人ばかりである。
雑誌ライターなのであろうか、タイトな黒パンツを履いた女性は、
先程から写真を撮っては、なにやらメモしている。
自分の右隣の席には、若い女性二人なのだが、会話がネイティブな発音の英語である。
二人とも、注文の際は日本語になるので、日本人である。
左はと言うと、白人系のおっさん二人、かなりできあがっており、声が響いている。
そんな中で私、リュックを懐に置いて、ハイペースで黙々と麦酒を飲んでいる。
酔いも手伝って、注文の時の身ぶりが、欧米人野それのようにそこはかとなく、
大袈裟になっているのが悲しい。

ともあれ、数を飲んだ中でも、和歌山県のナギサビールのペールエールは絶品であった。
国内の美味いエールビールが飲めると、無性にうれしい。

【天候】
曇りのち夕方より雨。

1719声 途中下車のタイミング

2012年09月20日

ひねもす雨降りの一日だったせいか、とても蒸し暑い。
九月も半ばだと言うのに、この熱帯夜にはうんざりしてしまう。

太った。
唐突だが、太ったのである。
去年から比べ、3キロほど太った。

主な理由は見当たらぬが、見たところいま、
机の上にセールで買ったチョココロネと、缶麦酒が一本乗っている。
近所のスーパーの中にあるパン屋は、前日の売れ残りを袋詰めし、
セール品として販売している。
価格はもちろん、概ね半額かそれ以上に安くなる。
麦酒を買うついでに、つい、手が伸びてしまうのである。
麦酒の方も、昨今の「糖質ゼロ」だの「プリン体何%カット」だの、
派手な惹句が踊る、新手の第三の麦酒には一切目もくれず、
「麦酒」を買うことに決めている。

「麦酒っ腹」とは良く言ったもので、実際、麦酒っ腹を切符に、
こんなにも簡単に、「おっさん」世界へと続く列車に乗車できるとは思わなかった。
それは、どこで乗り換えたかもわからぬほどで、気付いたら、
その車内にどっかり腰を下ろしていた。
なんとか、途中下車できぬものかと一駅また一駅とやり過し、
椅子に深く腰かけつつも、企んでいる。

【天候】
終日、雨。

1718声 野分

2012年09月18日

週末に九州をかすめていった、台風の余波。
つまり、野分が時折、強く吹く一日だった。
いま、夜の窓を開けていても、この野分によって、
机の上に散乱している書類などが、更に床に散乱し、
もはや収集がつかぬ事態になっている。

不精な性格が災いし、封筒など届くと、
その中身の書類を机の上に打ち捨ててしまう癖がついてしまった。
中には、金融機関から届いた「親展」と書かれた封筒や、
払込取扱票などと言う、抜き差しならぬ帳票の類も折り重なっているが、
どうにもケリがつかない。

窓を閉めると、窓枠にしがみく風の、呻きにも似た声が聞こえる。
途端に、秋も深くなっている感がしみじみと湧き出て、
カレンダーに目をやると、九月も後半になっていることに気が付く。
今年の終わりが、はや見えて来たような気がしている。

【天候】
終日、野分あるも快晴。

1717声 けいろうの日

2012年09月17日

今日は敬老の日である。
それなので、「剃刀日記」でも読み返してみようかと思う。

いま、心の中でつっこんだ人とは、どうも話が合いそうである。

【天候】
曇りがちなる晴れ。