自分は「ノミ」だと思っていた。
ノミは高く飛ぶが、小さい箱に入れるとその箱の高さしか飛べなくなるらしい。
活気のある場所に行けば、その場所にいる人たちに感化されある一定は動くが、
一人でいるとたちまち何もしなくなる、できなくなる。
場所や環境ありきでないと、動けない自分。
20代なかば。休みの日には、一日布団の中にいることもあった。
(ほ)の人も良く知る(も)さんとの出会いは強烈だった。
当時は高崎CIPという若者の仕事と地域活性をかけあわせた事業に取り組み、
本業は企業や自治体のコンサルタントという、強烈な個性の持ち主だった。
会って間もない僕を、高崎の本町だったと思うが、
知る人ぞ知るような店に連れていってくれて、あぶった油揚げなど、
飾らずに本当に美味しいものをごちそうしてくれた。
ノミの話しはしなかったがその席、
「僕は人に合わせて背伸びをしてるんです」と言うと、
「俺もだよ」
と即答で帰ってきた。タイミングもあるが、それはなんだか心強くて、
その日以降、震災後の活動を共にしたり、酒を飲んだりした。
多少去勢を張ってでも、自分の前に少し高い箱を置いていけさえすれば、
ノミだって生きていけるんじゃないか、と今は思っている。

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