日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

1698声 録画装置購入記 後編

2012年08月27日

昨日の続き。

早速、大型電気量販店に行き、こそこそ録画装置のコーナーを物色していると、
ひとつ、機能は十分にして値段は安価なマシーンを一台発見した。
メーカー名は素人目からみても二流だと分かるが、
使用している自分のテレビもこのメーカーのものなので、問題ない。
むしろ、どうしても王道から逸れたものを選びたい自分の傾向に合っている。
片方の耳にイヤホンを付けている店員の方に、価格の理由を尋ねると、
「展示処分品」だと言う。
なるほど、マシーン前面の液晶部分から天板部分にかけて、大きなすり傷が目立つ。

これも何かの運命とか、「処分品」の悲哀とか、自分を納得させて購入する事にした。
ペットショップで動物を購入するようだが、そうでもしないと、
さみしい懐具合の踏ん切りがつかないのである。
帰宅し、早速テレビにこのマシーンをセットすると、ずいぶんと傷だらけな事に気がついた。
それもあの売り場で奮闘して来た勲章ではないかと、納得し頭を掻きながら、配線をつないだ。
小一時間もかけて配線を終え、汗を拭って電源を押した頃には、もう日曜日も終わりかけていた。
二度三度、リモコンの電源を押しても本体装置のランプがつかぬ。
要するに、リモコン内部に入れる単4電池2本が入っていなかったようである。

【天候】
終日、快晴。

1697声 録画装置購入記 前編

2012年08月26日

少しは風邪の症状も緩和してきたが、まだ、
この残暑の炎天下に立ち向かう勇気が湧かない。

家で大人しくしていようと、テレビなぞつけると、
日本テレビでは「24時間テレビ」の真っ只中。
学生時分、この24時間テレビのエンドロールは、
即ち、自分の夏休みのエンドロールでもあった。
あとに残った大量の宿題を一週間で終わらせ、
2学期の学校生活に帰らねばならぬと言う、寂寥感。
それは、日曜日のサザエさんの比でなく、
心に重くのしかかっていた思い出がある。

そんなことから、最近はめっきりテレビをつけなくなってしまったと言う思いに至り、
そもそもテレビ番組の録画装置が無いことがその要因として浮上し、
それならば、安価な録画装置など手に入れて見ようと言う考えに帰着した。
情報収集の為にインターネットで確認すると、HDレコーダーにBRレコーダーにDVDレコーダーに。
そしてともかく、大は小を…方式に、
それらが一体になっているものを購入するのが得策であろうと決めた。

長くなりましたので、続きはまた明日。

【天候】
終日、快晴。

1696声 蝉と扁桃腺

2012年08月25日

依然として、体調は芳しからず。
それでも、酒場へ出掛ける用事がある。
昨日の用事は反故にしたが、
今日はもうヤケクソ的になってきたので、出掛けようと思う。

若い時分。
少しの風邪でも、大いに飲んだ翌日はケロッと治っていた。
その幻想が未だ消え失せずに、頭の隅に滞留している。
これには幾度、痛い目にあわされたことか。
そして、いま、まさにそれを繰り返そうとしている。

夏風邪は厄介だと聞く。
窓の外で、喘ぐように秋の蝉が鳴いている。
その声が聞こえるたび、奥歯の辺りがズキズキと痛む。
おそらく、風邪に起因する歯痛かと思う。
こう言う時は、最初の一口の酒で、勝敗が決する。
その一口をクリアできれば、次の一杯、また一杯。
と、いつもの如く深みにはまってゆく。

さて、首尾よく酒を飲めたとして。
幻想はやはり幻想のまま終わるのだろうか。
それとも。

【天候】
終日、快晴。

1695声 夏風邪

2012年08月24日

今朝起床して、徐々に気がついた。
口腔の違和感に、である。
おまけに、倦怠感と扁桃腺の痛み。

どうやら、夏風邪をひいてしまったようである。
残暑疲れと相まって、遂に体調を崩してしまった。

体調が芳しくないと、これほどまでに堪えるのか。
と言うほど、残暑が辛い。
今日は、栄養ドリンクなど飲みつつ、安静に。
でも、麦酒は一缶くらい飲んで、寝ようと思う。

【天候】
終日、快晴。

1694声 さびしい音色

2012年08月23日

木曜の句会であった。
いつものことながら、大幅に遅れて先生宅に到着した。
車を庭に停めると、もう薄闇のそこかしこに、句帖を握りしめた人たち。

取り合えず、机の上の残り物で腹ごしらえをして、
落ち着いたところで、裏の田圃まで出掛けた。
月は見えないが、降るような星空と一面の虫時雨である。
遠く、伊香保の灯が風に潤んで見える。

ぽつりぽつりと句を作り始めて、ふと、気がついた。
かすかに、かすかに、鈴を振るような音色。
鈴虫、である。
それも野生の。
近年、野生の鈴虫は激減しているので、とても久しぶりに聴いた。
しばしその繊細な音色に聴き入っていたが、
一匹しかおらず、さびしい音色である。
それでも、やはり、鈴虫の音色は他とは一線を画す趣がある。
句としては結実しなかったが、小さな感動を得た。

【天候】
終日、快晴。

1693声 噴水の空

2012年08月22日

もうじりじりと、痛いくらいの日差しである。
今夏の暑さは、本番よりも残暑の方が厳しい。

夏の電力不足を懸念していた節電も、一段落。
そう思ったのは、今日。
通りかかった前橋公園で、噴水が大きく放物線を描いていたからである。

公園内。
利根川の畔に、大噴水がある。
都市公園にしては見事な水量で、見ごたえがある。
力強く吹き上がる、一本の水柱であったり。
四方から中央に向かって噴射したり、その仕掛けも多彩。
水量が強いので、子供の水遊びには向かないが、ぼんやり眺めるには良い。
そして、一人でぼんやり眺める噴水は、ちとさびしい。
「ばちゃ」っと、投げやりに噴水が止んだ後、あっけらかんと残る空。

【天候】
終日、快晴。

1692声 小さな動物

2012年08月21日

この残暑に、ほとほとまいっている。
今日も県内最高気温は館林市で37℃と言う、
洒落にもならない暑さであった。

炎天下、である。
腐食のすすんでいる外の階段で、
およそ煙草一本ほどのゲジゲジを見つけた。
じっとしていたので、何とはなしに靴で階段の隙間から落とそうとすると、
「サッ」と、目にも止まらぬ速さで、逃げてしまった。

ゲジゲジの動きは、自分の知っている限り愚鈍な印象を持っていたが、
その印象を、この一匹に新しくさせられた。
梅雨の頃によく見かけたゲジゲジは、たしかに、のそのそしていて、
その何百本かの足の動きまで観察できた。
しかし、今日の、この盛夏のゲジゲジは観察はおろか、そのスピードたるや、
暑さに浮かされて見た幻影ではなかろうかと、思う次第であった。

本当に幻影だったら、随分つまらぬ幻影なので、実際に見たと思う。
地球がどんどん暑くなっていったら、このゲジゲジのような小さな動物たちが、
幅をきかせるのではなかろうか。
人間は外へ出る事が出来ず、冷房の効いたシェルター住まい。
そして、小さな動物たちが占拠する、新しい地球。
これは、暑さに浮かされた私の幻影であり妄想である。

【天候】
終日、快晴。

1691声 虫の闇

2012年08月20日

お盆を過ぎて、残暑が厳しい。
日中は猛暑で、外へ出るのが危険状態だが、
夕方の風は驚くほど澄んでいる。
そう感じるのは、薄紫色の山陵や涼しい色に揺らぐ夜景など、
風物全体に「澄んだ」印象を受けるからである。

夜は日毎に虫の音が増えている。
俳句をやっているくせに、虫の音はおよそ、
五六種類くらいしか聞き分けられない。
聞き分けて見ようと、外へ出て真っ暗な田の畦道を歩くのだが、
虫時雨が闇と一緒に圧し掛かってくるほど、迫力がある。
よく見れば、大型の精霊バッタなども闇の中でキチキチ跳ねており、
何だか気味が悪くなって、直ぐに夜歩きは止めてしまった。

もし、生粋の都会っ子俳人をこう言う場。
つまり田舎の畦道などへ吟行に誘ったなら、おそらく俳句どころではないだろう。
押し寄せる蚊の大群。
波のように広がる虫時雨。
地面を跳ね跳ぶバッタやコオロギの類。
頬の当たりに蛾の大きな奴が「ピト」っとくっついた日にゃ、
卒倒してしまうのではなかろうか。
かく言う私も、首をすくめながら畦道を引き返して来たので、
偉そうに言えたものではないが。

【天候】
終日、快晴。

1690声 離宮

2012年08月19日

「承応3年に甲府藩主の徳川綱重が…」。
と言うのは「浜離宮」の案内看板にあった説明で、要は将軍家の別邸や鷹狩の場。
そして、幕末には、幕府海軍伝習屯所。
明治時代には天皇もたびたび訪れていた、離宮で、いまは都立公園になっている。

林立するビルに囲まれた人造公園。
と言ってしまえば興もないが、魚や蜻蛉、何より蝉時雨がすさまじく、
都会の緑だが、生態系は息づいていた。

しかしながら、炎天下がどうにも体に堪えられず、麦酒の酔いも手伝って、
早々にビル街へと辞した。
新橋はすぐそこ、あとはもう、小銭を勘定しながら麦酒を飲むばかりであった。

【天候】
終日、快晴。

1689声 江戸のくらしの舟遊び

2012年08月18日

「この前の吟行は船で」
なんて話を、先日。
主に都内で句作している女流俳人に聞いてからずっと、
舟への憧れが頭から離れない。

「舟遊び」
と言うのは夏の季題で、なんだか漠然と、隅田川をゆく納涼船。
と言う江戸趣味を連想する。
芥川の随筆かな何かで読んだ記憶もあり、憧れの下地は出来ていたのである。
聞いた話もこの舟遊びで、俳句を始める前に、
浅草から台場まで水上バスに乗って、たいそう面白かった思い出がある。

思い立ったがなんとかで、行って来た、浅草へ。
浜離宮と浅草間に乗船したのだが、懸念していた混雑も無く、
快適な舟遊びができた。
冷房の効いた船内で地ビールなど飲みながら、句帖を広げる。
スカイツリーが何やら、橋の名前が何やら、
船内の観光アナウンスを聞きながら、ぼんやりと白波を見ていた。

ビル街の谷間を進んで行く舟遊び。
と言うのが、野趣には欠けているせいか、
下船して句帖を見ると、なんだか無機質な句ばかりになっていた。
それもまぁ、真実であろうと咀嚼して、炎天の浜離宮へ歩を進めた。

【天候】
朝より雷雨、のち、快晴。

1688声 夕方、夕立

2012年08月17日

東京は今夏一番の暑さになった、と言う。
観測した最高気温は35.7℃。
昨日の群馬県内が37℃を越えているので、「まだまだ」などと。
やはり群馬県に住んでいると、いささか(暑さに関しては)、
常軌を逸してしまうきらいがある。

夕方、すさまじい夕立があった。
雷が其処此処に落ちて、住んでいる町は一時停電になったほどである。
稲光が遠くにある間は、「なかなか幽玄な光景」と傍観出来るが、
いざ、自分の頭上へ来ると、小さく丸まってやり過ごしている。

雷の落ちてけぶりぬ草の中  鬼城

雷とは切っても切れぬ仲なのが上州人だが、
中でも特にこの句の作者の肝の据わった眼差しには恐れ入る。

【天候】
快晴だが、強烈な夕立あり。

1687声 秋めく

2012年08月16日

残暑。
たって、ここまでひどいのもない。
今日の群馬県館林市は最高気温、37.2℃を観測。

しかし、である。
それも盛夏のような持続力は無く、
夜には虫時雨が聞こえ、星が澄んで見える。
風はいささか「熱風」と言う心持がするが、
それでもぐっと秋めいてくる。
これで台風が一つくれば、
いよいよ今夏も終演を迎える。
この夏がどうであったか、まだ、整理がついていない。

【天候】
終日、快晴猛暑。

1686声 帰路、蝉しぐれ

2012年08月15日

昨日から取りかかっている俳句の鑑賞文にようやくけりをつけて、
いま、これを書いている。
俳句周辺の世界は古風な雰囲気が色濃く残っており、
この文章も指定の原稿用紙に手書きで書いた。
書き慣れぬため、原稿用紙を一枚二枚仕上げるに、
その倍も反故を出してしまった。

ボールペンで書いておれば、誤字脱字が多いし。
鉛筆で書いておれば、消しゴムで用紙を破ってしまうし。

そんなことで書き上がった原稿を碌にチェックもせず、
厄でも払うかの如く、封筒に押し込みポストへ直行した。
帰路、蝉しぐれ。
どの蝉も絞り出す様な鳴き方になっていた。
今日は8月15日。
この日の蝉の声だけは、記憶の中で残響することしきりである。

【天候】
終日、晴れ。

1685声 夕方の麦酒

2012年08月14日

まったくもって規律が乱れてしまっている。
生活の、である。

俳句の鑑賞文。
それもたった原稿用紙一枚程度のに苦戦してしまって、
思いの外、神経をすり減らしてしまった。
作っている方がよっぽど気持が軽い。

そんなこともあって、西日が射しこみはじめた頃、
近所(近所と言っても自転車で20分はかかる)の銭湯へ行き、
帰りにコンビニで缶麦酒を買った。

喉の奥からの突きあげるような渇望に耐えきれず、
コンビニのゴミ箱の前で一缶開けてしまった。
一気に飲んで、ふらふらと帰る。
途中、すれ違った色のくすんだ間抜けそうな犬に吠えられた。
そこからは一缶一缶空けるうち、緩やかに酔いが回って寝てしまった。

【天候】
終日、快晴。

1684声 アウトドアハイク

2012年08月13日

お盆の中日なので、ここ田舎町は静かである。
お墓より、近所の大型ショッピングセンターのほうが栄っている。

終日、ひきこもって句の整理と溜まっている本の頁を捲っていた。
昨日、榛名湖畔にはテントを出して、釣りしたりバーベキューをしたり。
ゆったりと夏の時間を過している人たちがいたが、思えば。

大人になって群馬に帰って来た当初は、そんな時間を過したい思いが強かった。
その為に車を買って、いざ、出掛けよう。
というところで、何故かどんどん野山から遠ざかって、いつの間にか、
じめじめした路地裏で溜飲をさげていると言う有り様になってしまった。
そして今は、俳句の為に野山へ出掛けている。

「山岳俳句」。
なんて言う分類をされている句もあるくらいなので、
そう言うアウトドアの最中で俳句を作ったら面白そうである。
寝袋のひとつも持っていないが、アウトドアへの憧れは今尚ある。

【天候】
終日、曇り。

1683声 夕菅句会二日目

2012年08月12日

隣がごそごそやりだしたのをきっかけに、まだ暗い中を起床した。
昨晩の酒はどうにかのこらずに済んだが、目が開かない。
時刻が午前四時半を過ぎたところなので、当然と言えば当然である。

身支度もそこそこに、沼の原へ移動。
朝霧の中の木道を進み、朝日が昇るまで夕菅を見ていた。
夕菅を撮りに、早朝から沢山のカメラマンたちが来ていたのには驚いた。
宿へ帰って句会。
朝食をとってから、下山して滝を見物。
それも二カ所の異なる滝を吟行した。

渋川市内で行った句会最後に、解散となった。
句会は10句出しで計7回。
最低70句は作っている計算になる。
今回、2日で100句を目指して臨んだが、それよりも少し欠けると思う。
そして、手元に残せるような句は、片手で足りるくらいである。
いや、丹念に見返せば、もっと少なくなる可能性も。
ともあれ、楽しかっただけに、そんな俳句のチマチマしたことなど忘れて、
いまはとてもすっきりしている。

【天候】
終日、雲多くも晴れ。

1683声 夕菅句会初日

2012年08月11日

下山してきた。
榛名山、からである。
近所なので、わざわざ出掛ける、と言う感覚も無いが、
県外の人など交え、何名かでゆくとまた新鮮な感覚がある。

恒例の俳句の合宿で、素竹さんたちと榛名湖へ行って来た。
行っている間は更新できなかったので、この回は行った日である。
夏の景色を想像してのだが、お盆の榛名湖はもうすっかり秋めいていた。
湖の水も澄んでおり、何艘も浮かぶ釣船が湖面に寂しげな影を落としてる。

吟行して句会。
その繰り返しで一日が終わる。
霧の中へ浮かぶ夕菅で随分作ったが、結局、手元に残せそうな句は出来なかった。
夕方から雨になり、急遽、題詠で句会をしてから、半ば泥酔しつつ早々に就寝した。

【天候】
曇りのち雨。

1682声 お盆セット

2012年08月10日

本格的にはじまっているお盆の潮流に流されつつ、帰宅できた。
帰宅した私も明日から、僅かながらのお盆休みである。

今日、スーパーへ寄ったら「お盆セット」なる小さなバスケットが、
店頭に販売されていた。
内容物を見ると、胡瓜、茄子に線香など。
つまりは、お盆のお供え物と墓参りのセットである。

なんだか、ハンバーガーチェーン店のセットを買うように、お盆セットを買う世代。
と言うのが、継がれていけば面白い。
文化の浸透と言うのは、つくづく、面白い。

【天候】
終日、快晴