日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

1648声 湿った朝の風

2012年07月07日

現在、早朝である。
昨晩寝たのが遅かったのに、もう、起きている。
いや、起きてしまっている。
どう言う訳か、年齢のせいなのだろうか。

ともあれ、四万温泉に行く用事があるので、遅刻しなくて済みそうである。
自宅から現地へ向かうとなると、伊香保温泉を通り越して行くルートが最短となる。
温泉地を通り越して温泉地へ向かう。
なんだか贅沢な気分もするが、それほど温泉が身近と言うことなのだろう。

梅雨の曇天ではあるが、ほどよく湿った朝の風が心地好い。
早めに向かって、四万川の清流を眺めつつ、コーヒーなど飲んでゆっくり句作したい。
七夕竹など飾ってあれば、それもまた一興なのだが、どうであろうか。
参加して下さる方にとっても、きっと、そのほうが句を作りやすいはずである。
いやいや。
そのためには、こんなことを書いている場合でなくて、
一刻も早く用意をせねばならないのである。

【天候】
朝より曇天。

1647声 文月の六日

2012年07月06日

現在時刻は午前零時五分前。
しとしと降っているので、この分だと明日の七夕もまた、
例年のように曇りであろう。

今年の七夕は、「温泉郷クラフトフェア2012」の一環で、
四万温泉へ行って句会をすることになっている。
参加者が一人もいないと言う状況は、なんとか免れたので安心して行ける。
句会も楽しみだが、旧知の人たち、そしてなにより四万の温泉が楽しみである。

文月や六日も常の夜には似ず 芭蕉

そんな気分に浸ってもいる。

【天候】
終日、降ったり止んだり。

1646声 かまどうまの屋敷

2012年07月05日

夕立が去った後なのだが、とても蒸し暑い。
この気候の為か、最近頻繁にムカデを見かける。
歳時記を開けば、夏の項に「百足虫(ムカデ)」とあるので、丁度今時期。
彼らの活動が活発になるのかも知れない。

そうなるとムカデのことが気になり、本棚から図鑑を引っ張り出して来て調べよう。
そうは思うが、それが行動に移せない。
図鑑の頁一面に、ムカデの写真と共に図解されている文章を、
読む気にならないからである。
いま、思い返しただけでもいささか背筋が寒くなる思いがする。

最近見かけたムカデは、ごく小さい個体だったので、それほどおぞましい印象は無かった。
体長、3、4cmと言った具合で、チマチマ足を動かし行く姿には、なんだか愛嬌さえあった。
自宅裏のブロック塀と、風呂場で見かけた。
風呂場では他にゲジゲジも見かけている。

それで思い出したが、堀澤氏が昔借りていた四万温泉の家に初めて伺った晩、である。
季節は晩夏だったか初秋だったか、ともかく暑い晩であった。
着いてまず、玄関代わりの軒先で、小さな虫が出迎えてくれた。
良く見ると、竈馬、平仮名で書くと、「かまどうま」と言うコオロギに似た虫。
座敷に上がって、まず手を洗いに炊事場へ行くと、水道のシンクにかまどうま。
手を洗って、さて麦酒を取り出そうとすると、冷蔵庫の脇にかまどうま。
座敷で飲んでいると、テーブルの下にかまどうま。
兎も角、あちらこちらに、かまどうまかまどうまかまどうま。
昆虫が苦手な人ならば、どうにかなってしまうであろう。

はじめの間は、かまどうまを見かけると「ぎょっ」としたが、
かまどうまを踏まないように厠へ行ったり来たりしている間に、気にならなくなった。
そのまま、隣の畳で寝てしまって、翌朝。
居間でも炊事場でも玄関でも、かまどうまたちの姿を見ることは無かった。

【天候】
朝より曇りがちなる晴れ。
夜半に雨あり。

1645声 ひやしそうめん

2012年07月04日

ぐったりするほど、暑い。
まだ梅雨明け宣言も出ていないのだが、
それももう目前と言う具合の空模様である。

あまりに暑いものだから、夕食に今年初となる素麺を茹でた。
あっさりしていて非常に喉越しが良い。
あまりに喉越しが良いので、つるつるつるつると、箸が進む。
小気味良く進み過ぎて、止め時が分からなくなる。
腹八分なのか満腹なのか、素麺の舌触りがあまりに軽いので、
胃から脳への伝達がうまくいかないのかしら。

小耳にはさんだのだが、栃木県の藤岡地区では、近年。
「藤岡冷汁」と言う郷土料理を、町おこしの一環で売り出していのだそうな。
冷汁と言えば味噌ベースの「汁」に、胡瓜や大葉や生姜など旬の食材が、
ふんだんに入っている料理である。
素麺自体、あまり提供している店が少なそうなので、是非食べてみたいと感じた。
夏場の飲んだ後の締めは、ラーメンでなくこの冷汁など、ちょいと粋ではないか。

【天候】
晴れて暑し。

1644声 風の匂い

2012年07月03日

帰宅して、午後七時を過ぎた頃であろうか。
ぽつりぽつりと雨が降り出した、すぐ本降りになり音を立てて降り始めた。
雨音の幽かなる隙間に、祭囃子が聞こえた。
もうそんな時期である。

今週末には前橋市の中心市街地で、七夕祭りがある。
私が学生時分の頃、丁度中間テストの終わる時期で、
夜には前橋の街中に繰り出す生徒が多かった。
それを危ぶんだ先生方が、毎年朝礼で生徒に口酸っぱく注意していた。

そうは言っても、高校生である。
夏休みの前哨戦とばかりに、心弾ませながら、七夕飾りの商店街を練り歩いた。

市中は物のにほいや夏の月 (凡兆)

あの頃の商店街を吹く生温い夜風には、掲句のような「匂い」があったように思う。
その点に於いて、風の通らぬ大型ショッピングセンターなどは、
少し趣向に乏しい気がする。
しかし、現代の学生諸氏のみならず私たちにとっては、商店街でなく、
風の通らぬ方での買い物に、どうも馴染んでしまっているようである。

【天候】
朝より曇り、のち降ったり止んだり。

1643声 夏の宿題

2012年07月02日

或る冊子に「俳句の鑑賞を書いては見ぬか」。
と言う依頼を受けて、何十頁とある中のほんの一頁ほど、連載することにした。
締め切りはまだ数カ月先、連載する期間も短いのと言うことで、まだ特に何もしていない。
夏休みの宿題程度に考えているが、あまり放っておくと後で痛い目に遭いそうである。

鑑賞に使うテキストは、高濱虚子選の「ホトトギス雑詠選集」(朝日文庫)。
稀少本なので、手元に持っていなかったが、この機会にインターネットで探して手に入れた。
朝日文庫では「現代俳句の世界シリーズ」を揃えるので、苦労した思いがある。
なんだか随分とマニアックな方向へ進んでしまったが、購入した雑詠選集である。
この手の稀少本絶版本などは、中古価格を一覧参照できるので、
やはりネットで購入するのが手っ取り早い。
もっとも、この本に至っては、一覧参照できるほど見付からなかったが。

それがつい昨日届いて、四季別に並んでいる俳句を読みはじめている。
虚子の有名な言葉に、「選は創作なり」と言うのがあるが、改めてその感を強く受けた。

性格が八百屋お七でシクラメン 京極杞陽

シクラメンの項に掲句を見つけた時は、思わずほくそ笑んでしまった。
「客観写生」や「花鳥諷詠」を口酸っぱく唱えた虚子の選だから、である。
一寸、面白い宿題になりそうな予感がしている。

【天候】
終日、曇りがちなる晴れ。
気温29度程度。

1642声 清々しい一句

2012年07月01日

今日は終日、梅雨らしい雨降り。
別段用事もなく、日がな一日家でごろごろしていた。

句帖に書き散らかしていた句を整理したのだが、
整理すると毎回であるが、手元に残せる句が僅かしか無い。
つまり、つまらない句ばかりなので、ほとんど捨てることになる。
しかし、その作業を終えた後、句帖の頁をめくり、
まっさらな頁に一句綴るときには、清々しい心持がする。
そして、その瞬間のために、作っては捨てているような気にもなる。

【天候】
終日、しっとりと雨降り。

1641声 ホームとホーム

2012年06月30日

渋川駅から高崎方面へ向かう最終列車は、
21時半を少し過ぎた頃出る。
てぇので、その頃、覚束ない足取りで改札をくぐった。

風通しの良いホームには、気持のよい夜涼があった。
人も疎らなホームとホームを挟んで、
会話をしている若いカップルと思しき二人。
渋川駅を挟んで、互い違いの場所に住んでいるのだろうか。

向こうのホームに下り列車が先に到着したので、彼女の方が見えくなった。
彼氏の方へ目を向けると、奥の闇から列車のライトが近づいていた。
着いた列車に乗り込むと、どちらの列車が先に出発したのか。
そんなことにも気をとめず、新前橋駅へ着いたらどこで麦酒を飲もうかと、
その事ばかり考えていた。

【天候】
終日、梅雨晴れ。

1640声 六月の帰り路

2012年06月29日

梅雨晴れで日ざしはたくましいが、木陰入れば涼風が心地好く、
昼寝でもしたいような穏やかな日だった。
そんな日なので、どうしても夕方。
缶麦酒に手が伸びてしまい、一缶二缶と進んで行って、このざまである。
この「ざま」と言うのは、冴えない時候の挨拶からの文章導入であって、
ほろほろと酔っているからこうなる。

そして、夜半となったいま。
やはり、遠くの蛙の声を乗せて来る夜風が心地好い。
ビアガーデンや屋台など、屋外で飲んだら気分がよいだろう。
それよりも気分がよいのは、帰り路である。
街灯も無い様な一面の水田の中の一本路を、ふらふらと歩く。
心地好い夜風と、降るような蛙の声。
この時ばかりは、都市生活者でなくてよかったと思える。
用を足そうとして、何度暗がりの溝へ足を滑らしたことだろう。

【天候】
終日、雲多くも晴れ。

1639声 蛍の呼吸

2012年06月28日

「蛍の里宮田」
そう言う場所へ、仲間と吟行に行って来た。
「宮田」は「みやだ」と呼ぶ場所で、群馬県渋川市。
つまり、私の俳句の先生が住んでいる地域にある。

自身としては、今年二度目の蛍狩となった。
先生に案内されて暗がりの中を進んで行くと、
葦のような草々が群生する小さな池に着いた。
時刻は八時過ぎであったので、既にぽつりぽつりと蛍火が点いていた。
はじめの間は、我々一同、目の当たりにした蛍火に声が昂ぶっていたが、
蛍火を見つめている間に、だんだん。
だんだん、ゆっくりと明滅する光と呼吸が合わさるように、静まっていった。

ひとしきり句を作り、先生宅へ戻って句会。
紙面に並んでいる蛍の句は、あの池で観た蛍より、
多いのではなかろうかと言う塩梅。
蛍を観る前と後では、どうにも心持が違う。
その心の機微を、うまく捉えられぬのが、いささか歯がゆい。

【天候】
曇りのち晴れ。
綺麗な夕焼け。

1638声 紫陽花の空気

2012年06月27日

梅雨の晴れ間で、たくましい日差しが注いでいた。
徐々に夏が近づいているせいか、
巷の紫陽花は少し疲れたような色になってきた。

下仁田町の馬山にある「下仁田あじさい園」では丁度、見頃を迎えている。
今日も通ったのだが、下仁田インターチェンジ脇。
国道沿いの斜面に、びっしり植えられている。
これだけ数があると、紫陽花の別名である「七変化」もどれがどれだか。
一つの花を定点観測していれば色の移り変わりが、明白だが、
こう数が多いととても分からぬ。
分からぬほどに壮大である。

紫陽花はやはり、からりとした晴天よりも、
曇天の水っぽい空気の中で観るほうが、豊かな情感がある。
その中に、あたりの空気が清浄になってゆく心地がある。

【天候】
朝方は曇り。
その後、日中は晴れ。

1637声 白百合の闇

2012年06月26日

珍しく、部屋に花が活けてある。
先日の授賞式で頂いてきた花束を、いくつかの花瓶にばらしたのである。
赤い薔薇に白い百合に、小ぶりな紫陽花に。
あとの二三本は不勉強で名前が分からぬが、季節の花であろう。
ごちゃごちゃとした部屋であるが、雰囲気がとても華やかである。

中でも百合。
このたくましい香りには驚いた。
渓谷などに自生している山百合などは、芳しい夏の香り。
そう思っていたが、いざ、このせまっ苦しい部屋に置いてみると、
いささか芳香が強すぎる。

就寝時の暗闇のなかでは、それを特に強く感じ、
闇を伝って鼻腔に入ってくる印象を受ける。
俳句の賞のお祝いで頂いたので、やはりこの状況で句を作るのが本筋と思い、
一二句、冴えない句を作ってみた。

【天候】
朝の間は曇天、その後回復し、晴れ間ものぞく。

1636声 目測

2012年06月25日

俳人が集まって酒を飲むと、碌な事が。
いや、それぞれの情熱の炎が「ぱちり」と爆ぜ、
ときに火傷してしまう恐れがあると言うだけ。
その炎にあたりながら飲む酒は、大変美味しい。

さて、また着実に詠む。
欲張ったらいけない、それは例えば今日。
昼食を買うため、スーパーへ入り、弁当を選んでいた。
無論、空腹時に選んでいるので、食欲旺盛である。
弁当のほかに、目ぼしいサンドイッチも買った。
結果、弁当で満腹になってしまい、
サンドイッチが半分しか食べられなかった。
食い意地のために目測を誤っているから、こう言う羽目になる。
それとこれと、どう関係があるのかは、
書き始めた時点ですでに目測を誤っているので、上手くまとめられぬが、
そう言うことなのである。

【天候】
終日、曇天。

1635声 受賞式

2012年06月24日

東京メトロ「永田町駅」などで降りたのは初めてで、
彼の地にはおよそ縁の無い人生だと思っていたが、今日は俳句の縁で来る事になった。

所属している俳句の協会で、新人賞を頂いたので、その表彰のためにやってきた。
群馬県からは、三人。
それもいつも一緒に俳句をやっているメンバーなので、気持が随分楽である。
「都市センターホテル」なる、名は体を表す豪奢なビルの一室で、
まずは通常総会を終えた後、懇親会および表彰式となった。
壇上で花束を頂いて、マイクで一言。
定型の進行だが、あまり緊張せずに終えられたのは、無論、酒の力。
実のところ、来る途中、池袋駅に隣接するビルのレストランで、
昼食時に飲んだ麦酒によることろが大きい。
群馬県の二人。
即ち、さくらさんと素竹さんとは、この駅で待ち合わせたのだが、
来る途中の電車でいつもの如くワインを飲んで来たらしい。
こちらの方が、一枚上手である。

受賞式を終えた後は、もう先輩諸氏と楽しく杯を酌み交わすだけである。
酔っ払いつつも、冷たい生麦酒がしみじみ美味い。
とすると、先程の会場で飲んでいた瓶麦酒に味がなかったのはやはり、
緊張によるものだったのか。
などと、麦酒の爽やかな喉越しと共に、ふつふつと実感が湧いてきた。

どうにか終電まで高崎駅へ戻ってくることができ、最終的にはもう一軒寄ってから、
一安心して帰路へと着いた。
そしていま、花瓶にさしてある昨日の花束。
その中でひときわ華やかな、百合の芳香に酔っている。

【天候】
終日、曇天。

1634声 西日暮里から

2012年06月23日

改札を出てすぐのところにある、立ち食いそば屋の暖簾をくぐる。
冷たい蕎麦を頼んで、急いで口にかきこんで小銭を置いて出る。
こんなにも忙しなく昼食を取らねばならぬのは、いつも遅刻癖のせいで、
立ち食い蕎麦屋を辞した時刻は、句会開始の十五分前。
句会場である高校は、駅から徒歩五分の位置にあるので、
まだ間に合う目算なのである。
開始時刻には間に合うが、開始までに投句、
つまり短冊に句を書いて提出せねばならない。
その時間を考えると、もう瀬戸際に来ている。

教室に入ると、中高生は全員きちんと着座しており、汗みずくになりながらも、
なんとか句を短冊に書いて提出することができた。
句会はたんたんと進み、いつもながら私の成績は振るわぬが、
学ぶことの多い句が多数鑑賞できた。
この日、新入部員の中学一年生が二人参加しており(俳句部を中心としたの句会なのである)、
去年ランドセルを背負っていたとは思えぬ、その力量に驚愕した。
句会が終わり、私は翌日の予定のために辞したが、
結局は両国で地ビールを飲んでくれてしまって、「予定のため」などお構いなしに、
盛大に本末転倒してしまった。

【天候】
晴れたり曇ったり。

1633声 七夕の願い

2012年06月22日

来月の七夕。
即ち、七月七日には梅雨は明けていないだろうが、
晴れてほしいと願っている。
いわんや、台風などは絶対に来てほしくない。
群馬県が誇る奥座敷「四万温泉」で、俳句の句会をする予定なのである。

今月の三十日から十七日間に亘って開催される、
「温泉郷クラフトシアター2012」の一環として、この句会をする。
台風は来て欲しくないが、俳句をやる人には来て欲しい。
そのために、この宣伝文を書いている。
今回は句会の定員があり、十名なのであるが、それがあやしいと考えている。
地方、それも山間部でまったくの無名未知の俳句会に十名、である。
そして、当日のこのこ登場するのはこの若輩者。
とくれば、「あやしい」どころか「あやうい」状況ではないか。

しかし、私自身は万が一句会が反故になっても(最低三名いないと句会が成り立たぬからである)、
四万温泉へ行き、七夕の日の自然を存分に詠んでこようと、いまから楽しみにしている。
さりとて、肝心の「温泉郷クラフトシアター2012」に貢献できないことは、悲しい。
なので、やはり定員十名で句会をやってこそ、本当にこの日を楽しめるのだと思う。
そうとくれば、宣伝宣伝。

【温泉郷俳句ing】
内容:温泉街を散策し思い思いに句を詠み、その後茶事会場で句会を行います。
日時:7月7日(土) 13時30~ (茶事会場には15時以降に入室)
※集合場所は温泉協会前です。
会場:まるみや別邸
定員:10名
料金:500円(筆記具、お茶代含む)
申し込み:四万温泉協会(Tel:0279-64-2321)で予約

【天候】
終日、晴れたり曇ったり。

1632声 夏至の夜涼

2012年06月21日

今夜も蒸して、また寝苦しい夜になる。
そう思っていたのだが、いつの間にか涼しい夜風が窓に来ていた。
そっと耳を澄ましてみると、幽かに聞こえた。
雨の音。
ひと雨来て、一挙に気温が下がったのである。

部屋に夜涼を運ぶ風を感じながら、降るような蛙の声を聞いている。
この声のために、降り始めた雨に気付かなかった。
鬱々とした梅雨の天候の中、こう言う雨はうれしい。
思えば、今日は夏至であった。

【天候】
朝より曇天。
夜半に小雨。

1631声 修道院麦酒

2012年06月20日

「まいった」
今日、何度この言葉を発したことか分からぬ。
ともかく、まいってしまった。
暑さに、である。

台風一過ですっきりと青空。
などと、背伸びしていた朝も束の間。
気温はぐんぐん上がり、高崎市では午前中に33℃を観測した。
夏の暑さに比べれば、などと数字だけ見ればそう思うが、
体感はそう簡単にはいかない。

まだ体が暑さに慣れておらず、みるみる体力を消耗して、
朝からずしりと倦怠感。
昼には食欲不振で、夜には。
つまりいま、思考停止状態に陥ろうとしている。

夏場の食欲不振の時は、やはり麦酒が良い。
これは飲んだくれとしての見解とあなどるなかれ、
とても理にかなっているのである。
中世の頃、ドイツの土地土地の修道院では、地麦酒が醸造されていた。
これを断食の期間中は、ガブガブ飲む。
つまり、パンを食べられないかわりに、同じ原料から作った麦酒を飲んで、
栄養を補給していたのである。
その伝で、夏場で食欲がない時は、無理して栄養のあるものを食べずとも、
麦酒をのんでいれば大丈夫。
おそらく。
当時の修道士たちも、意外と断食の時期を楽しみにしていたりして。

【天候】
終日、晴れて真夏日。