日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

1794声 一緒に歩く

2012年12月04日

修理した。
靴を、である。

日々履いている革靴のひとつが、大分草臥れてきた。
その状態は靴底の減り。
特に踵などは、ゴムの部分はおろか、「芯」まで削れてしまっている。
その靴を今日、ショッピングセンターの中に入っている専門店へ持って行った。

新しい靴を買っても良いのだが、「ためしに修理とはどんなものか」、と思ったのである。
削れている踵の部分にゴムを張り直し、さらに補強の為に靴底全体に一枚ゴムを張る。
作業時間は二時間程度で、しめて五千円にお釣りが少々。
新しい靴に足を通す瞬間もうれしいが、履きなれた靴が再生し、
また一緒に歩けるのもうれしい。
「良い買い物をした」
と言うことで、自分の心の中に異存はなかった。

【天候】
終日、冬晴れ。

1793声 曇りなき麦酒

2012年12月03日

昨日は、東京ドームで開催中の「スーパーオクトーバーフェスト」に行って来た。
「オクトーバーフェスト」はドイツのビール祭り。
近年、その小型版の祭りが、都内や横浜など各地で開催されている。

飲んで食って唄う。
ともかくこれに尽きる祭りだった。
会場に入場し、隣の堀澤氏は早くもパンフレットに何やら書き込んでいる。
目ぼしい銘柄を、片っ端から回る。
ドイツ麦酒の「生」は、どれをとってもやはり、クリアな味わいで、うまい。
曇りがない、と言うか、国内クラフトビールに比べ、圧倒的に雑味がない。

因みに、一杯平均千五百円也。
懐具合も考慮し、その後は堀澤氏が目を付けていたと言う、
浦和駅前のビアパブへはしご酒。
この店がまた、関東圏屈指の優良パブだったので大いに満足できた。
十杯を越えてからはカウントすることを止めてしまったが、
ともかくも、この日は麦酒のみをとことん楽しんだ一日となった。
やはり、麦酒が良い。

【天候】
終日、曇り。時折、小雨。

1792声 全力睡眠

2012年12月02日

思いっきり、寝てみた。
つまり、起床の時間を定めず、寝れるだけ寝ようと試みたである。

夜十時に就寝して、朝十時に起床。
正確には、十時に床に着いたのだが、眠りに入るまで三十分が経過している。
それを差し引き、睡眠時間はおよそ、十一時間三十分。
いつものごとく、夢は一切見なかった。

二十代の時分はもっと寝れたが、寝過ぎたことによる頭痛なども、しばしばあった。
現在は、寝過ぎて頭が痛くなることなど、滅多にない。
若者は頭痛でもないと、何時間でも寝続けてしまうからだろう。
いまでは、二日酔いの頭痛の方がおそろしい。

【天候】
終日、冬晴れ。

1791声 師走の夏

2012年12月01日

締め切りはまだ当分先なのだが、
体を休めようと思い、俳句の観賞文に取り掛かっていた。
掲載時期はおそらく、来年の初夏。
今日から師走に突入と言う時に、夏の俳句を観賞している。
季節感があるのだか無いのだか。

【天候】
終日、風強くも晴れ。

1790声 私の中の羅針盤

2012年11月30日

句会やら忘年会やらが立て続けだったので、
生活のリズムが乱れている。
酔っ払って帰って来て、夜中にカップラーメンを食べたり。
また翌日も酔っ払って帰って来て、夜中にカップ焼きそばを食べたり。
食べてすぐ寝るものだから、翌朝の胃部不快感と言ったらない。
こう言う時こそ、じっくりと銭湯に浸かりたくなる。
湯に浸かっていると、狂ってしまった羅針盤が、
正常に戻ってゆくような心持になるのである。

【天候】
終日、冬日和。

1789声 凶暴な寒さ

2012年11月29日

夜、定例の句会であった。
席題で十句。
天候が芳しくないので、室内にある季題が多かった。
補足しておくと、「席題」とは、その場で出したお題で俳句を作りましょう、と言うこと。
例えば、「セーター」なんて言うのがあると、
この「セーター」と言う冬の季題を入れて俳句を作る。
さりげなく、その場に居る人のセーターを見たり、セーターの話をふってみたり。

素竹さんは風邪をひいていらしたが、この「風邪」自体が冬の季題なので、
句作にはむしろ好都合なのかもしれない。
「咳」もそうだし「水洟(鼻水のこと)」もそう。
私は「寒さ」などで揃えたが、あまりうまくはいかなかった。
小高い丘の上にあるこの邸宅の周りは、夜の闇が深い。
その中に蔓延っている寒さが、随分凶暴だと感じた。

【天候】
晴れのち曇り。

1788声 二日酔い週間

2012年11月28日

来週からは十二月。
いよいよ本格的な二日酔い週間に、突入である。

一般に、日本酒や麦酒などの醸造酒よりも、
ブランデーやウイスキーなどの蒸留酒の方が、悪酔いしないと言う。
理由は、それの原因となる夾雑物が少ないから。

しかし、度数の強い蒸留酒を舐める様に飲んでいるわけにもいかないから、
麦酒や日本酒を飲むことにする。
それよりも酒と体との対話で、上手に飲む事の方が大切だと思う。
思ってはいるのだが、体の奴は口下手なので、その対話がいつもうまくいかない。

【天候】
終日、冬日和。

1787声 スイング

2012年11月27日

今日の昼ごろ、山奥の村である。
川べりの空き地の横に車を停めていると、
どこからともなく、一人二人とお年寄りがやって来た。
みな、長細いバッグを背負っている。

おじいさんおばあさん。
六人ほど空き地に集まって、バッグから棒のようなものを取り出す。
一人の腰の曲がったおばあさんが、ちょこちょこっと出てきて、
地面に玉を置く。
そして、一呼吸置いて棒をスイング。

どうやら、地元のゲートボール仲間らしい。
木の葉舞い散る空き地の風景に、溶け込んでいた。

【天候】
終日、冬日和。

1786声 風景を噛む

2012年11月26日

ローカル線のリズムは、つくづく、眠気を誘うものである。
乗車時間が二時間近くあるので、高崎駅の書店で、一冊分厚い文庫を購入した。
乗車して頁を開き、ほんの二、三頁を読み終えたところで、眠気に襲われ、
以降小一時間は記憶なし。
読んでいたのが句集だったので、物語に引き込まれなかったと言うこともあろうが、
それにしても、良く寝てしまった。
乗降率の高い路線よりも、一駅の区間の長いローカル線の方が快眠できる気がする。

ぼんやりとした商店で、ローカルな風景を眺める。
枯野に荒れた田圃、朽ちた看板と疎らな人家。
そんな蕭条たる景色を眺めていると、胸の奥が締め付けられるような思いがする。
そんな風景は、眺めるのではなく、噛み締める様に味わうものだと、感じた。

【天候】
日中、冷たい雨。
夜には回復。

1785声 チェックアウト

2012年11月25日

ビジネスホテルの殺風景な部屋での目覚めは、良い訳きゃない。
差し迫るチェックアウト時間にまくし立てられながら、シャワーを浴びると、
昨夜の酔いががぶり返して、血液の中で暴れだす。
ふらふらと風呂場から這い出て、取り合えず、血液が平穏を取り戻すのを待って、
身支度を済ませた。

ローカル線の街なので、電車の接続は悪い。
駅の時刻表を眺めつつ、どうしたのもかと悩んでいる私の隣には、
仲間内でも一番の飲んだくれである、Wがいる。
聞けば、昨晩さんざん飲んだ挙げ句にホテルに帰り、
それからまだ日本酒四合と缶麦酒一本飲んだらしい。
缶麦酒が350mか500mは、あえて訪ねなかった。

天気は小春日和であるし、この辺りはまだ紅葉も残っていると思い、
散策してみることに決めた。
昨晩の夜の顔だった街が、今度は朝の顔になっており、
いささかバツの悪い印象であるが、商店街を抜ければ渓谷がある。
入間川の清流が流れており、予想通り、冬紅葉が綺麗に日に透けていた。
川沿いを小一時間ばかりあるいて、ラーメンを啜って帰路に着いた。
Wは、その時点でまだ生麦酒を飲んでおり、聞けば、
家路に着くまでにも居酒屋で杯を空けて行ったらしい。

強靭な内臓。
それが無い為に、私などは毎回、酒との付き合いでは辛酸を舐めることになるが、
このWのように、それを持っているがために舐める辛酸と言うものもある。
更に重たくなった体と、更に軽くなった財布を携えて、
よろよろと高崎駅へと帰って来た。
駅を出るともう夕方の風が吹いており、帰りのバスの車窓風景には、
えびす講の終わった商店が、祭りの片付けに勤しんでいた。

【天候】
終日、冬日和。

1784声 片田舎の街

2012年11月24日

「日刊」、と謳いながら、ここ二日ばかり更新に穴を空けてしまった。
体調が芳しからぬことと、酔っ払っていたことが、原因である。
それでも、催促など来ぬので、別に良いと考えている。

軽く頭痛がする。
それより何より、全身倦怠感が甚だしい。
こりゃ熱があると思って、恐る恐る体温計を覗いてみると、36度。
全くの平熱で、きつねに化かされた思いであるが、依然として体はだるい。
この結果を動力にして、以前から約束していた旧友との酒席に出掛けた。

ローカル線に揺られること二時間近く。
埼玉県の片田舎の街の片隅で、飲んでいたのだが、予想に反して飲める。
風邪ならば、一口目の麦酒がうまく喉を通らぬのだが、これがするする入る。
結局、その街に泊まって散々、飲む羽目になってしまった。

【天候】
終日、冬日和。

1783声 風邪感覚

2012年11月23日

勤労感謝の日である。
毎年、この日はすきっと晴れる印象があったが、
今年は終日曇天である。

体調が芳しからぬこともあり、終日、机の前に座っていた。
性分に合わぬ為か、とても肩が凝った。
更に体調も悪化したような心地である。

風邪をひくと、髪の毛の伸びが早くなるような感覚に陥る。
感覚が鈍くなっているのか、はたまた、鋭くなっているのか。

【天候】
小雨交じりの曇天。

1782声 風邪心地

2012年11月22日

風邪が流行っているようで、かく言う私も風邪心地である。
今月締め切りである俳句賞の連作を、
そろそろまとめようと考えていたので、丁度、良い機会である。
風邪によって億劫なことを、すこしでも逆手に取らねば、
気が滅入ってゆく一方である。

【天候】
終日、冬日和。

1781声 朝の香

2012年11月21日

味噌汁と目刺しの香りよりも、
トーストと珈琲の香りの方が落ち着く。
冬の朝は、殊に。

【天候】
終日、冬晴れ。

1780声 電子媒体

2012年11月20日

アメリカから上陸した電子書籍端末、「キンドル・ペーパーホワイト」の販売が、
今日、日本各地の家電量販店で始まった。
アメリカではこのキンドルが、電子書籍の市場を開拓したので、
日本での注目度も高い様子である。

電子書籍が発売されたからと言って、紙媒体がすぐに無くなる訳ではない。
財布の中には、電子マネーと紙幣と小銭が共存しているように、
用途によって使い分けるようになるのではないか。
長期に家を離れる場合など、この電子書籍は随分便利そうである。

因みに、俳句の場合は、辞書は電子、歳時記は紙と言うパターンが多い様である。
句作する時は、歳時記の頁をぺらぺらと捲り、句会などで回って来た短冊に、
分からない字があると電子辞書で調べる。
他にも、吟行していて分からない花や鳥などがいると、電子辞書で調べるのである。
中には、スマートフォンで、句のメモを含め、これらの一切をこなす人もいる。
そんな最先端の利器を駆使して、旧かなづかいで文語体の句を作っている。

【天候】
北風強くも、冬晴れ。

1779声 一句の重み

2012年11月19日

「〇〇さんは若いわよ、だって戦後生まれでしょ」
こう言う会話が飛び交っているのは、私が参加している俳句会でのこと。
開戦の時には女学生だったと言うこの俳人の方は、
齢八十を越えても元気に各地の句会に参加しており、次々に佳句を作っている。
私よりも声が大きくて、私よりも食って飲む。
その一句は、重い。

【天候】
終日、冬晴れ。

1778声 倉渕吟行

2012年11月18日

協会群馬支部の句会に参加した。
場所は旧倉渕村の山奥である。
高崎駅からバスに揺られること、一時間弱。

吟行場所である森林公園へ着くと、木枯らしまた木枯らし。
蕭条と落葉が鳴いている園内を、30人弱で吟行した。
標高千メートルを超える場所なので、眺望は素晴らしい。
彼方には、筑波山まで見渡せる。
そう言う絶好のスポットなのだが、如何せん、寒い。
刺すような寒さに耐えられず、ポケットに手を突っこんだまま、
小一時間うずくまっていた。

誰からともなくワンカップが回って来て、それでどうにか寒さを凌いだ。
真っ白な句帖をポケットに入れたまま、またバスで句会場に移り食事。
暖かな室内をいいことに、先程の寒さなど忘れて、生ビールを飲んでいる。
暖かな場所で飲む冷えた麦酒は、夏場のそれを凌ぐ美味さがある。

当然、句会の方は惨敗だったが、気分良く帰ってこれた。
高崎へ着いてからも、はしご酒となり、俳句の事などを肴に一瓶二瓶。
みなご高齢だが、この元気はどこから来るのか。
俳句、の力なのだろうか。

【天候】
終日、木枯らし一号あるも、冬晴れ。

1777声 想像のこと

2012年11月17日

男性は、「もしも、こうだったら面白い」と言う。
女性は、「けっしてそんなはずは無い」と言う。
「笑い」の世界の演者において、圧倒的に男の比率が多い理由の一端が、
隠されているのではないかしら。

【天候】
曇りのち雨。