日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

5152声 非合理の抹消

2022年06月17日

朝から瓶詰め。昨日飲みすぎてしまいフラフラする。きた産業から電話があり、この秋から瓶の小ロット注文ができなくなるかもしれないとのこと。どの企業もコロナ後へ向けて利益体制を整えようとしているのがわかる。合理化はまず、小規模事業者が真っ先に影響を受ける。それは銀行とやり取りをして身に沁みた。非合理なものの否定は加速するのだろうな。結果的に、格差社会は進むのだとも思う。

5151声 予算削減

2022年06月16日

見積りの精査をする。多くのモノが軒並み値上がりする中、可能な限り初期投資を抑えてスタートする方向へ切り替えようと決めた。外壁、門扉、アイランドキッチン、スチコン、食器洗浄機などは後回しにすることにした。500万円は削減したい。明日の日銀総裁の会見いかんでは、さらなる貸し渋りも起こるかもしれない。先行きはまだ不透明。

5150声 ワイン樽

2022年06月15日

朝からワイン樽のビール移動の続き。先週ポンプが壊れたので新調したらパワーがすごい。移動がスムースにできた。ようやく空になったワイン樽を洗う。空になれば持ち上げられるかと思ったが樽がビールを吸っているため動かない。満量で220㍑入る樽は自分よりも大きい。だましだまし少しずつ動かす。こういうときに狭い醸造所は大変である。ひとまず水を張りまで終え、今日はここまで。群馬に戻ってから身体が重い。低気圧を感じる。

5149声 釣り針

2022年06月14日

朝ケグ詰めをしてザブンに夜の酒を運ぶ。昼からワイン樽の熟成ビールをタンクに移動しようとしたが想像以上に時間がかかり途中で一旦終了。そのままザブンで仕込みをして、そのままお客様を迎えてほぼ0時まで。料理にすっぽんを出したら鋭利な釣り針が肉にかかっていて、危うくお客様が飲み込みそうになるという事態が起きた。もしそのまま飲み込んでいたらと思うと恐ろしい。髪の毛が混じっていたというのとは訳が違う。同じことがシンプルな構造の魚で起こることはまず考えられない。すっぽんは魚と違い構造が複雑だから起こったのか。すっぽんは部位解体の手数も多く、湯引き皮むきがあるから何度も手で触る。それでも防げないとしたらどうすればいいのか。今回は天然のすっぽんだから起こったことではある。二度と起こらないよう肝に銘じたい。

5148声 一歩下がって体制を整える

2022年06月13日

朝市場で仕入れ。明日ばっちゃんの結婚祝いをするのでそこで使う魚を探しに。いい脂ののどぐろ、縞鯵、天然のすっぽんなどを買ってきた。おいしいものを食べさせてやりたい。仕込みをして店舗打ち合わせへ。やはり通常より資材が上がっているようだ。1割くらいと言っていた。少し前までが見積もりで2,000万なら2,200万、3,000万ならば3,300万になっているらしい。やむなく、店を始めるためにどうしても必要とは言えないものは削ることにした。理想像からは距離ができるが始まってからよく働いて、またそこに近づいていけばいい。それよりも、新店舗の可能性が断たれずつながったことが嬉しい。

5147声 充電完了

2022年06月12日

木曜日から3日間、よく食べてよく飲んだ。店ごとの出汁の違い、仕立て方、バランス、それから接客、とても勉強になった。京都での残像があるうちに、可能であれば具体的な工事をスタートさせたい。さて明日は最終見積もりの打ち合わせの日。どんな内容でもしっかり受け止めて精査していこう。帰りの新幹線の中、むせび泣く赤子を母親がデッキでなだめ続けている。

5146声 美しいもの

2022年06月11日

和久傳の昼の予約までに時間があったので大徳寺孤篷庵へ。利休、織部とともに三大茶人と言われる小堀遠州の晩年の建築が期間限定公開されている。庭の隅々まで意匠を凝らした敷地内は、もうどこもかしこもわけのわからない美しさだった。建物の見学で鳥肌が立つのなんて今までに覚えがない。こういうのは見なくちゃいけない。食事をしてその後は電車で高槻まで。民芸の器を見に。カフェと併設の店だがそこの椅子が小島優さんの椅子だった。いつか座りたいと思っていた椅子でコーヒーをいただく。あーこの椅子がほしい。

5145声 樂家

2022年06月10日

樂美術館へ。汗ばむ暑さ。桃山時代の開祖長次郎〜当代16代吉左衛門まで、450年の樂家の歴史を器を通して見ることができる。一樂二萩三唐津と言うように、お茶の世界で樂焼は特別扱いされる。本家本元はそれぞれの時代で個性を持ちながら器を作り続けてきた。その時間の長さだけでもどこまでも深く、簡単に時を越えた錯覚となる。タフな物語が詰まっているんだろうなぁ。今日はよく歩いた。それにしても観光客が多い。

5144声 歴史の情熱

2022年06月09日

京都へ。2月頃の予定ではすでに工事が始まっているはずだったがまだスタートラインに立てず。気も落ち着かずそわそわするばかりなので、ならば一度切り替えようと旅に出ることにした。京都にはスピリットがある。人間のよくわからないどろどろしたものもたくさん感じるが、そこら中にある歴史という歴史は静かで、こちらさえ丁寧にそれに向き合おうとすれば、そこから歴史の情熱だけを取り出して感じることができる。何日か過ごす予定。まずは身体を休めながら。

5143声 リスクの割合

2022年06月08日

金融機関に2度目の借入れ相談。この前の銀行とは別のところ。無理なく返せると思う理由を改めて説明したが覆らず。今の年齢、今の売上高の私を基準としたときの返済期間の長さと事業規模の大きさが貸せない理由だという本音を聞くことができた。いろいろ聞けた中で、前回も同じことを言われたことだが、あなたならば返せると思う、と言われる。でも貸せないと。リスクの割合の話なのだなと理解した。返済についてはあなたが何事もなくそのまま働き続けてパフォーマンスを発揮していけば無理なく返せる額だとは思うが、十分な利益が継続的に出ている実績がない今、今後何が起こるかわからない面をリスクの割合として2022年6月の基準で計算したとき、そこそこ我々にリスクが生まれる、ということなのだと思う。つまり、金融機関側にリスクがない、あるいはリスクがほとんどない、という前提がないと話が進まない。本人にしてみると、自信はあるが、リスクもある、そこを行こう、という話だから、それは、わかり合えるはずがない。

5142声 仕込み加速

2022年06月07日

朝からケグ洗浄、ケグ詰め。プライミングのグラニュー糖が足りなかったので買い物ついでにスタバへ。コーヒーがおいしい。今日は割と動けそうだ。もしかしたら仕込みまでできるかもしれない。最近空樽の回転が早い。できるときにやったほうがいい。気合いを入れ直し、明日やる予定だった仕込みまですることにした。

5141声 雨漏り

2022年06月06日

深夜から明け方にかけて強い雨。先々週も同じように降った日があって、その時シンキチの麦芽置場が雨漏りした。いくつか麦芽がだめになった。秀ちゃんに応急処置をしてもらったが、雨が降るたびに気がかりで眠れない。早めに起きて重い身体を引きずりシンキチへ。ひとまず大丈夫そう。よかった。疲れと酒が抜けていかない。低気圧の影響もあるか。その後はぐったりと夕方近くまで寝ていた。

5140声 二日連続

2022年06月05日

昨日今日と食中酒百席だった。今回は二日連続で行った。出しているものは同じなのに、お客さんが変わるだけで違う店となる。それでもしっかり本来のその店の時間が流れていなければならない。料理であり、設えであり、接客がまず大事だと思う。歌のうまい人の歌はざわつきも抑えてしまう力がある。そういう店を目指さなければならない。

5139声 閉店

2022年06月04日

今日も市場へ。鰹を探しに。4尾あった中の一番脂が乗っていた気仙沼で採れた鰹を購入。鰹はもう北へ向かい始めたらしい。上り鰹である。昨日、SNSでザブン閉店の投稿をしたら、予想以上の反響があり正直驚いている。どういうことなのだろうか。1つ思ったのは、俺の葬式は案外多くの方が来てくれるのかもしれない、とは思った。しかし本音を言えば、たまにでいいから、生きているうちにお店に来てほしい。

5138声 資金繰り

2022年06月03日

朝市場に行って蛸、穴子、あん肝を仕入れる。すべて炊きもの。火を通すものこそ鮮度が大事。身が活きていないといくら火を通してもふっくらとは仕上がらない。仕込みを終えて銀行へ。一度断られた融資を再度お願いに。細かく数字を点検し、どう考えても無理なく返済できると思うから再チャレンジ。しかしダメだった。実績不十分とのこと。「あと1年今の実績を継続して利益を確認できたら貸せる可能性がある」コロナの間中、2年かけて準備をしてきた私はワインに例えるなら今が飲み頃。あと1年したら酸っぱくなるだけである。それも説明した。でもだめだった。別の金融機関を当たろうと思う。

5137声 8年経って49歳

2022年06月02日

朝から快晴。今日も熱くなるようだ。今日でザブンの営業は一旦終了。土日の食中酒百席が終わるとあとは月末に少し営業するかどうか。ザブンがスタートして明日でちょうど丸8年となる。5年も経てば顔立ちも変わる。8年はそれなりの時間だと思う。若い頃のようには体が動かない。けれども歳を重ねたからできる表現もある。そろそろまっすぐ歩きたい。

5136声 むくんでいる

2022年06月01日

朝からビールの仕込み。今日はふきのビール。夕方から千晶ちゃんのところに行くが身体はむくんでいるしまったく元気が出ない。千晶ちゃんは元気。

5135声 言い訳

2022年05月31日

テレ東大学のRe:Hackのビックダディこと林下清志さんの回に感銘を受けた。林下さんは何事か成すために産まれた男だと幼少期から思った早熟系の男子だったが、高校時代に、周囲と比べ自分の才能の限界に気づき、成せることなどたかが知れていると思っていた。ただ、子どもが生まれた時に自分の人生を駅伝のように考えるようになったと。俺はこの子らが、自分でご飯を食べられるようになるまで育てるということ。これだけで自分の役目としては十分で、そう考えられたときに人生が気楽になったと。私は、基本的に人が生きていることに特別な意味はないと思っているが、自分の人生という箱だけで色々と完結して考えようとすると、苦しくなることが多いと思う。たまたま子どもを授かっただけだが、孫子の時間軸ぐらいまで、自然と思考の時間軸が伸びている。伸びた分だけ、現在のタガもゆるくなって、帰りにらーめん次郎を食べてしまった。はい、ただの壮大な言い訳です。