日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

5116声 疲労

2022年05月12日

朝からなんだか疲労困憊。よろよろ歩いていたらいつもの電車に間に合わず。まぁ乗り遅れても始業の1時間前には着く。いつものラジオ英会話ではなくショパンを聴き、駅からもバスを使い、階段ではなくエレベーターで職場に着く。体力を温存したおかげか少し元気になったが、やれやれ1日が長い。

5115声 次は冬?

2022年05月11日

ここからは撤収作業。料理につかった調理道具や皿を洗い天日干しにしている間に、火のしまつやタープ、テントなどを片付けていく。帰りは、食材と薪の分だけ荷物が確実に減っているのが良い。妻は娘をあやしながら、寝袋やエアーマットを綺麗に収納してくれる。相変わらずできる人で助かる。また、助手席まで高く荷物を積み上げて帰宅の途に。「なかなか楽しかったと」妻。嬉しくなって「次はいつ行く?」と聞いたら。「冬ぐらい」だって。謙虚にも程がある。来月にはまた連れてくよ~

5114声 2日目の朝

2022年05月10日

ほとんど目が覚めることもなく熟睡したが、気温の急激な低下で目が覚める。日中が22度ぐらいで、朝は3度である。先ずは火を熾す。炊き火から煙りが立つと、人の営みが始まった感じがして、それだけで温かく感じる。娘も早起きしたので、一緒に川の近くや森林を散歩。途中で猿の群れにも遭遇。初めての猿に娘はキョトンとしていた。朝食はご飯を炊いて、昨日の天ぷらの残りで天丼に。醤油を忘れたので焼き肉のタレで代用。キャンプはこういった忘れ物や自然現象を起因とするプチトラブルが幾度となく発生する。これに、どうポジティブに対応できるかが問われる。食後の珈琲もゆっくり飲んだ後、3人でゆっくり散歩した。

5113声 天ぷら

2022年05月09日

なんとか降られることもなく最終日の夕食。直売所で買ってきた山菜やら野菜を中心に、天ぷらに初挑戦。エビの背わたを初めて抜いた。下ごしらえをしたネタを危うく娘にひっくり返されるところだったが、なんとか回避。いやはや油断大敵の怪獣です。メスティンに油を入れバーナーで加熱。市販の天ぷら粉にまぶしていざ投入。シュワシュワと泡が出て良い感じである。ただ、暗くて上げるタイミングが良く分からない。ナスは一口たべて再度、油の中に投入。マイタケが超絶美味。天ぷらと昨日の残りの白ワインが合う。この日も満点の星。テントの中、家族3人で川の字で寝る。なんとか無事に明日の朝を。

5112声 ご機嫌とり

2022年05月08日

妻は授乳があるので夜は飲めない。なので、妻が朝からワインを飲む。ご満悦そう。今日の朝食は手軽にできるホットサンドにしたが、娘のお腹はそれより早く空いたらしく、ご飯をせがむので、試みに食パンを与えてみると、なんと耳から囓って食べ始めた。子供の成長は早いもの。もはや乳児ではないなと成長を痛感。この日は初の温泉も体験。湯船では大人しかったが、休憩室では縦横無尽に走りだすので、マンツーマンディフェンスが大変。とはいえ、家の子は他人に愛想を振りまいたりもしないから、なかなかヒヤヒヤする。私が娘を温泉入れたので、妻はゆっくり入れたよう。風呂上がりのランチビアでご機嫌である。計算どおり。ランチ終わってキャンプ場に帰ると、妻が寝ていた場所にアリの列。なぜ?寝袋をだして払い、虫除けスプレーで応急処置。アリならまだ良いがマダニなら医者に行かないと。ほんとキャンプは自然の脅威と隣り合わせ。

5111声 デキター

2022年05月07日

家ではほとんど料理をしないのに、キャンプ飯は作る。夕飯のメニューは何日も前から妻と相談していた。1晩目はアクアパッツア。鯛の切り身を皮から焼いて、アサリとエビ、ミニトマトを入れて白ワインで蒸すだけという簡単料理。映えもする。アルミホイルの蓋を取りながら娘に「ご飯ができたよー」と話しかけたら、娘が「デキター」とバンザイして叫んだ。初めて聞く言葉にびっくり。大自然ではこどもが目に見えて成長するような気がする。娘を寝かしつけた後、妻と満点の星を見た。

5110声 怪獣

2022年05月06日

もう一つ新しいギアとしてランタンスタンド。ランタンを吊すだけでなく、組み立て方で色々なバリエーションがあり、フックでスキレットやグローブなどを吊すことができる。便利なのはもちろん、炊き火周りがグッとしまる。が、ここで誤算が二つ。先ずはこの日のために購入したオイルランタンを忘れる。ランタンの炎を眺めてゆったりしようとしてたので結構ショック。まぁキャンプに忘れ物はつきものだから仕方ない。そして、こちらは容易に想定できたが…地上から50cmぐらいにゆらゆら揺れているトングや鍋は1歳児の格好のターゲットに。ウォウォ言いながら鍋を外したり、手袋を遠くに捨ててきたりとやり放題。テーブルの上のものも、次々とターゲットにして放り投げている。いやーこの時期の1歳児、舐めてました。まさに怪獣。妻はマンツーマンディフェンスに疲労。ただ、娘が生命力溢れ、楽しそうなのは良い。野生に戻っている感じ。

5109声 設営

2022年05月05日

田園プラザを過ぎて15分ほど、国道64号線から5分ほど入ったところに桐ノ平キャンプ場はある。思ったよりちゃんと整備されていて、1区画150㎡と広めのサイト。新緑と薄根川のせせらぎが気持ち良い。今回は荷物の積載であきらめたが、いずれフライ釣りをしたくなる。今回はタープとテントの連結が課題だったため、小川張りするためのベルトも購入してきた。事前に石原緑地で練習もしてきたので、問題無くタープとの連結ができた。

5108声 前日

2022年05月04日

明日から2泊3日のキャンプ。川場村の桐の平キャンプ場。不便を楽しむ秘境キャンプというキャッチフレーズにグッときた。事務棟にWI-FIがある以外、携帯はつながらないらしい。しかし、さすがに2泊となると少し緊張する。3日分の食料と酒、キャンプギアを入念に準備。今回はオイルランタンを買ったので楽しみである。妻のテンションは低め。。キャンプの最後には笑顔にしないと次がない。

5107声 休息

2022年05月03日

今は周囲の状況を見ながら安全運航し、少し心身の回復を待ちたいと思っている。人間の病気や傷は身体的なものだけでないと痛感している。GWは中日が休めて7連休。家族と自然の中でゆっくりするつもり。

5106声 急速充電と放電

2022年05月02日

昨年は大きなプロジェクトをほぼ一人で回した。走っている時は気づかないが、プロジェクトを完成させ、春の訪れに気がつく余裕が出てくると、相当無理をしてきたことに気づく。子供は産まれたばかりで、一刻も早く帰りたく、朝は誰よりも早く出勤し、チャイムとともに退社した。極めて難易度の高い、高度な調整と、類例のないコンセプトワークなど、毎日、急速充電と放電を繰り替えしているような日々だった。家でも家事は山積しており、ゆっくりしている時間はほとんど無かった気がする。数えるほどしか飲みにも出られなかった。

5105声 21年

2022年05月01日

ここまでの数年4月を担当してきたが、執筆陣が一人増え、久々に5月を担当する。我々は4月1日で人事異動や昇進があるので、4月は何かと騒がしく気も張っているが、5月は新しい環境に少し慣れてきたかなという時期。今年は異動なかったが、初めて部下を持つようになった。思い返せばこの仕事について21年目の春である。

5104声 <表現>

2022年04月30日

朗読劇で何度か撮影をした郡司厚太さんとその仲間によるa/r/t/s labによるインプロ公演があるというので、見に行った。インプロとは即興演劇のことで、ストーリーや役割をあらかじめ決めずに、アイデアを共有しながら俳優たちが自分たちで物語を作っていくものだ。そう聞くと僕は、笑福亭鶴瓶が毎回ゲストを呼んで即興劇をしていた「スジナシ」という番組を思い出す。

 

お客さんには観劇前に「いきたい場所は?」「印象に残っている言葉は?」といった簡単な質問を紙に書いて答える。俳優は箱に入ったその回答をランダムに引き、そこに書かれた言葉を発してそれに続く言葉を考えていく。事前に練られた芝居と違い軽い印象は否めないが、どう終わるかわからないというだけで面白かった。若い俳優たちは真面目に不真面目で、結末がすべて優しく終わることも今の若者を象徴しているようだった。

 

彼らのような若い表現者を見ると、20年前にも同じような場面を見たなと思い出す。映画学校という特殊な環境にいたので、そういう友人たちもいたはずだ。僕も、具体性には乏しかったが<表現>がしたかった。20代後半までは「そこから足を洗ったら負け」と思っていたし、30代の後半にはむしろ続けている友人の方が少なく、続ける人を見ては「まだそこにいるのか」と思ってしまったりもした。僕は今でも表現者ではない気がするし、演劇や映画や歌や俳句や都々逸やアートでなくても、農業も商業も接客業も表現だと思ったりするし、表現の場にいようがいまいが、それでいいと思っている。そして今後はむしろ、若い人たちの表現を応援するケースが増えてくるようにも思う。そういう年代である。でも、未だあきらめきれない何かもある。

 

次月はすーさん。彼こそ実は、デジタルの荒波をゆく若者たちを応援する第一線の人である。

5103声 独立

2022年04月29日

今年の8月に独立することを決めた。

 

会社員だったの?と言われること多数。映画学校を卒業しちょっとだけ制作会社に務め、二十歳過ぎに早々に地元に戻ってきて、映像を仕事にできるはずもなく、伊参スタジオ映画祭のスタッフになると、そこにいた新聞販売店社長と新事業を立てることになった、衣類のクリーニング、魚の宅配、中之条町つむじでのジェラートショップ、そのどれもが上手くいかなかった。そして気づけば、友人の結婚式撮影からはじめた映像制作が仕事の主になった。独立は4年くらい前から考えていたが、社長とも決別ではない話ができ、今年の夏というタイミングとなった。

 

今している仕事を引き続き行っていくつもりなので、まだあまり自覚がない。それで良いのかと自分でツッコミながら、次回このめっかった群馬を担当する頃には事後となっているので、達者で生きていることを願っていただけると幸いです。

5102声 ジーパン

2022年04月28日

先日、8年ぶりくらいにジーパンを買った。急いで買ったら、どうにも裾上げしてもらった裾が長い。

 

裾直しはいつでもしますよ!と言ってくれたのを思い出し、申し訳ない気持ちもありつつ再来店。店員さんに

 

思っていたよりも、足が短くて

 

とジーパンを差し出すと、笑ってくれたので良かった。色々と迷惑なおっさんである。

 

足が長く見える気がして、股上が短いズボンが好きなのだが、急いで買ったこのジーパンは股上が長いやつだった。それは直せぬがしかし、映画祭スタッフからは

 

岡安さん、作業で屈んだ時とかパンツ見えてるんでどうにかしてください

 

と度々注意されていたので、正しい選択だったのかもしれない。長く履きたいと思う。

5101声 あの岡安賢一さん

2022年04月27日

中之条ガーデンズではこの時期に「来場者に花苗をプレゼント」する企画をする。今年も、数日前から母と姉のそわそわした様子が伝わってきた。もらう気満々なのだ。そうなると唯一車の運転ができる僕が連れて行くほかない。花苗は1人あたり幾つ、という割り当てでもらえる。賢一は町民パスポートを持っているのか(中之条町民は、そのパスを提示すると中之条ガーデンズの入場料が通年無料なのだ)と聞かれた無くしたと答えた。

 

するとその日のうちに母親が役場まで行って再発行をしてくれたという。そこまでしてもらう花苗の数を増やしたいのかと思いつつ、ありがたい。本人の再発行でないので岡安賢一と書いたところ、対応した職員の方が「あの岡安賢一さんですね!」と言ったらしい。伊参スタジオ映画祭実行委員長歴も長いものになったし、顔がでかいし(?)覚えていただいているのだろう。それもありがたい。

 

あの岡安賢一さんは、町民パスポートを無くし、年老いた母にわざわざ再発行をさせに行った

 

と噂されるほど有名人ではないが、字面にするとなんだかむずむずするな・・うん、でもまさにその通りなので何の弁解もない。

5100声 5100声

2022年04月26日

5100回目の投稿ってすごいな。僕は一通りは読みつつ熱心な読者ではないので(おいおい)5000回目の投稿は誰かと思ったら堀澤さんだった。

 

『ひとこえが5000声となった。2007年夏に始まって足掛け15年、最初は私堀澤が書いていてある時から抜井に変わり、抜井が一人で書いている時期が長くあった。最近になってすーさんと岡安さんが加わり、来月からは坂口さんも新たな書き手として加わることになった。鶴のひとこえはこれから5人で続けていくことになる。15年は長いのか長くはないのか』

 

いつも良いことを書くなと思いつつ、すーさんや僕が加わったのは「最近」ではないと思う。堀澤さん大丈夫か?・・・と心配したが、なるほど日頃醸造を行っている彼の中で流れる時間は、僕らと違うのかもしれない。

 

で、せっかくなので僕がいつから加わったのか頑張って探してみた。なんと2014年5月、つまり8年前の今頃だった(全然最近じゃないですよねー)。おそるおそる読み返す。

 

『外から見ると、この「日刊鶴のひとこえ」は、SNS最盛期において時代遅れに思える。けれど、日刊でここまで続けてきたことは驚きであるし、関心を持たなければ僕も引き受けていない。例えば、人気サイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の糸井重里氏のコラムとの共通点である「言葉のみ」という事に、僕は感心をもっている。写真の添付もない。「めんどくさいから」というのが立派な理由な気がするが、それはあの二人が「言葉だけで何ができるか?」について地道に思考してきた過程、ととれなくもない。』

 

なんだか恥ずかしい。

 

『唯一心配なのは、僕はあの二人に比べて圧倒的に酒量が少ない。のんべでなくても書いていいのか?「日刊鶴のひとこえ」。』

 

その後加わったすーさんや坂口さんを加えても、僕が一番酒量が少ないと思う。でも8年も続けてはこれたのだ。日刊鶴のひとこえおよびめっかった群馬存続の危機が今までに何度あったかは知らないが、多分このまま「良い惰性」で続いていくのだと思う。もちろん、読んでくださっているみなさまあってのものです。

 

コロナ禍が落ち着いたら「数多なメディアがある令和の今、わざわざ日刊鶴のひとこえを読んでくださっている人」を集めた飲み会をしてみたい。呼びかけをして誰も来・・

5099声 行き届く範囲/余白

2022年04月25日

東吾妻町「Serenite」の進撃が止まらない。といっても、飲食店としてお客さんが列を成して爆売れして早くも2店舗目か?ということではない。店のリーフレットを担当しているのでそれを口実にたまに行ってご飯を食べるのだが、お客さんがいない時もある。そもそも席数も全然多くない。

 

けれど、1度行った人が「特別な場所」として度々通っているのを、話やSNSを通じて知っている。こんなところに店が?という吾妻谷の途中、車を止めて小さな坂を上がると古くきれいな小屋がある。緑の木戸を開くと店主の安田さんがこんにちは、と出迎える。店の中はアンティークで統一されておりどこを見ても落ち着く。提供される食事は地野菜を中心にし毎回内容が少しずつ変わり、それぞれの食材が最も美味しい調理・組み合わせを味わうことができる。ゆっくり食べて、窓の外の山並みをぼんやりと眺める。ヴィーガンレストラン、ということではなく、ドリップコーヒーと手作りスイーツが食べられるのも良い。

 

飲食店には色々な種類があるが、Sereniteは安田さんの気配りが全ての場所に行き届いている。けれどそこに、アンティークな建物や家具がもっている時間、周囲の自然、人工ではない有機が混ざることにより、静かな余白が常にある。それはもしかすると料亭という形式が持ち合わせていた性質なのかもしれないが、もーっとずっとラフ。行き届いた気配りと豊かな余白を持ち合わせている店は、とても少ない。

 

「Sereniteは店じゃなくて場所なの」と安田さんが言ったと聞いた。その断片くらいは伝えられるリーフレットが作れたとも思っている。今後のむふふな計画も聞いてしまったので、また仕事と称してあの場所へ行くことにする。