日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和8年度は4月(坂)5月(ぬ)6月(岡)7月(す)8月(堀)9月(坂)10月(ぬ)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(坂)3月(ぬ)の順です。

5440声 夕焼けを

2023年05月01日

今日、職場からの帰り際、広報担当の後輩が、夕焼けを撮りに行くんです、と駆けていった。

だいたいの場所は見当がついたので、ゆっくりと後を追ってみた。案の定、烏川越しに浅間が遠く見える場所で、後輩に追いつく。

彼は、一生懸命シャッターを切っていた。すると俄か雨が降ってきた。カバンから出した折りたたみ傘でしのぐも、強風で何度も傘が裏返る。それほどの雨量でなかったのでなんとかなった。

そんな雨の中であったが、なかなか良い夕景色なので、わたしもスマホで撮影してみた。厚い雲の下に天使の階段が現れ、浅間方面の山々に赤い光の筋が降り注いでいた。まあまあの写りだ。

その後、空全体が赤く染まるのを期待して、日没時間まで二人で粘るものの、それ以上空が赤くなることはなかった。

しかし、このほんの数十分で気持ちは結構リフレッシュされた。明日からはGRを持ち歩こうかな。夕焼けを撮るために。

5439声 準備と余裕

2023年04月30日

今日のお客様は同い年の板前仲間。久しぶりに会ったが元気そうで何より。昨日今日で握りもだいぶ改善された。カウンターに仕切りがなくほとんど段差もないため、お客様との距離はある程度近い。カウンターの内側からお客様までを115cmにしてあり、設計した我ながら絶妙な距離だと思う。お客様にこちらの圧迫感があってもよくないし、臨場感がないのもよくない。いずれにせよこちらからお客様がよく見える。昔、最初に始めたなつめという店の時、接客がしたいとずっと感じていた。20代後半の話である。その店もカウンター席がありいくらでも接客はできたはずだが、料理に忙しくそこまでの余裕がなかった。今の店は予約制であることと席数が少ないこと、席数が少なくてもやっていける客単価であることで、接客をすることができる。何より準備の徹底が当時と違う。営業時間中の自分の動きの限界がわかるから、できる限り細かいところまで準備するようにしている。経験もあるだろうが、この準備が余裕を生んでいるのだと思う。もうたくさんのことはできない。歳を取って、これもできるかもしれないなんていう漠然とした観測がなくなった。選択肢が少なくなったことで、できることが増えた。

5438声 脳のデトックス

2023年04月29日

21時過ぎに寝て9時まで寝ていた。カラダは重いがアタマはすっきりしている。脳のデトックスは寝るのが一番だなと思う。歳と共に眠れなくなっているのだから、眠れる態勢、環境を整えるのが大事。夜の営業は若い女性のお客様。飲むのも食べるのもおしゃべりもテンポがいい。最近握りに違和感があったが二手目の左手の位置を変えたらいい感じになった。明日は右手も意識してみる。

5437声 好みの味

2023年04月28日

南浦和でいい店に出会った。料理がおいしくてあくまで好みの味だというだけだが、こういう店がたくさんあるかというとなかなか出会えない。旨みがしっかりあって、味はキレるのに余韻が長く、何を食べてもずっと食べ続けられる。旨いのに軽い。日本酒やワイン、ビールに求める味と同じ。また行きたい。

5436声 案件を抱えながら

2023年04月27日

昨日とほぼ同じ時間配分の一日。朝起きて仕込みをして夜の営業まで。メインは営業時間。ここは変わらない。とにかく寝ないと何もできないので寝ることの優先順位は高い。何かをやりながら献立等を考えることもできないので考えを整理する時間も必要。そうするとビール製造、社長業務、事務経理業務、家事が後回しになる。忙しくてもビシッとした身なりの人であったり、忙しくてもピカピカの車に乗っている人がいるが、いったいどうやったらああなれるのか。案件を抱えながら就寝。それでも翌朝前向きでいるために、寝る前に空腹でいることを心がける。今日も最善を尽くした。

5435声 二刀流は続く

2023年04月26日

知り合いのお客様のご来店。以前この方の結婚式の料理を作らせていただいた。もう5年前になるようだ。その時に、お祝いの記念ビールも仕込んだ。それが蓬のビールだったこともあり、今日は蓬豆腐を作って差し上げた。結婚式の料理を作ったのはとても昔のことのように感じるが、その後の5年間のうち3年間はコロナだったことを考えると、いかにこの3年間が長かったかということを改めて思わされる。振り返ってこの3年間が人によっては空白の3年間の人もいれば、充実した3年間の人もいるかもしれない。私の場合はこの3年間があったから今がある。自分のだらしなさもよーくわかったし、自分の生真面目さもよくわかった。何より終わりを意識することができた。もう少し、まだまだ、頑張りたい。ビールの冷却機が突然壊れた。突然の製造停止。すべてが止まって、お金の工面から考える。その前に、ビール製造の今後や工場の配置からか。二刀流は続く。

5434声 弱い腹

2023年04月25日

朝起きてなんとなく携帯を開いてインスタグラムを見ていたら、魚屋の投稿に「明日は休市です」の文字。慌てて着替えて市場へ向かった。聞けば年に数回、豊洲と休日が異なる日があるのだと言う。今まで知らなかった。一日前倒しで明日の分まで仕入れて仕込みをした。昼頃千晶ちゃんが山菜を届けてくれた。一緒にカレーを持ってきてくれて、それを食べたがとても辛い。とにかく半分くらい食べて、程なくすぐに下痢に。いつものことだが弱い腹だと思う。

5433声 昔話はおもしろい

2023年04月24日

焼物、揚物、蒸物を献立に加える。手数が多くなり大変だったが可能性も感じた。汁→揚→包丁→練か蒸→貝→焼がよい気がする。今日のお客様、市場に勤めていた方で、昔の市場話がおもしろかった。当時は昼から酒を飲んでいた話だとか、板うにを一枚多く仕入れて、ご飯だけ炊いておいてご飯にかけてこっそり食べていた話だとか。奥様の話も負けてない。ご主人が年の瀬におっつけ(余った魚を引き受ける)を大量に持ってくるから、支払いが大変で年が越せないと本気で思ったという。まるで落語の世界だ。多分40年前くらい、バブルへ向かう頃の話かなと聞いていた。時代背景のある昔話はおもしろい。

5432声 長野の春野菜

2023年04月23日

早く起きて長野へ。山菜がピークだろうと行ってみた。想像以上にたくさんあって、早起き正解。たらの芽、うど、こごみ、あさつき、ひろっこ、アスパラ、山ごぼう、よもぎ、春菊、ほうれん草、パクチー、セルバチコ、木の芽、レモンバーム。他に豆を何種類かと、丸麦。帰りにいつも行く売店と違う店にも寄ってみたら、そこがまた大正解。群馬では見ないような野菜がたくさんあった。料理人には宝の山。昼過ぎには帰ってきて、下処理だけで2時間かかった。

5431声 すれ違いとすり合わせ

2023年04月22日

初めてのお客様。多様性の話をされていた。アメリカ暮らしでわかったのは、「違いが一番出るのは肌の色ではなく宗教」と。多様性はすれ違いや軋轢を生む。「それでもアメリカは成り立っている。アメリカができたんだから、他の所でもできると思うんだけどね」。その方は新潟の田舎の生まれらしく、「田舎はもともといる世代とのすり合わせが難しい」とも言っていた。そう言えば朝のラジオで、所ジョージが同じ話をしてた。「憧れで田舎に行ったってずっと暮らしてる人がいるんだからそう簡単にはいかないよ」って。

5430声 今日も夏日

2023年04月21日

桜は葉桜となり、駆け足でつつじが満開。予約がないが落ち着いて。

5429声 眠れる

2023年04月20日

連日の夏日。朝ゴミ捨てをして横になり、そのまま寝てしまった。昼前に起きて2時間くらい献立を考えて、また横になり。さすがに夜は眠れないかと思ったが、眠れた。低速どころかエンジン停止である。

5428声 苺のビール

2023年04月19日

ビールの仕込み。中野さんのやよいひめ20kgを使って苺のビール。貴重な苺を毎年提供してくださる中野さんには本当に頭が上がらない。毎回仕込みのときは気の引き締まる思い。毎回違うやり方を試してきて、今回は煮沸時に沸騰アク取り後の麦汁を半分別釜に取り出して苺を煮込むやり方にした。取り出したあとのもう半分にはホップを加えて煮込む。この別々に煮沸した麦汁をあとからタンクで一つにする、というやり方。こうする理由は、一つは苺を入れるとphが下がるためホップがタンパク質を吸着しなくなってしまうから。もう一つはタンクが小さいため一つの釜で20kの苺を加えると麦汁の収量が見込めないから。はたして出来上がりはどうか。

5427声 休養日

2023年04月18日

休養日。起き上がりたくなるまでベッドにいようと思いグズグズしていたら、12時間も寝ていた。麦芽粉砕をしてジョギングをして珈琲を飲んで。日帰り温泉に行き炭酸風呂に入ったら、あまりに気持ちよくて気が遠のきそうになった。辛いものが食べたい。

5426声 好感は手間に宿る

2023年04月17日

買い出しと試飲会で都内へ。寝不足のまま電車に乗り、上野で降りるつもりが上野に到着するアナウンスを聞いたところで寝てしまった。東京駅で降りて築地へ。昆布、お茶、型抜き、削り節、わさびを購入。八百屋の野菜は夏野菜が始まっていた。高崎の市場は魚屋はいいが八百屋がだめなため、築地に来ると心が躍る。築地をあとにして試飲会ヘ向かい、ワインショップ、ワイン酒場に寄って帰ってきた。ワインショップ、ワイン酒場、共にごく小さい店で、深くナチュラルワイン好きへ向けて仕事をしているのがとても感じられた。決してそれは万人受けするものではなく、傍目には閉鎖的であり、風変わりな店に見えるかもしれない。例えばよく、そういう熱量を言語化できない人が安易に使うヘンタイという言葉があるが、ヘンタイなんかでは勿論なく、とても好感の持てる生き方だなと感じた。好感は手間に宿る。ただナチュラルワインを好きだということだけでなく、随所に準備をしていること、仕事をしていることを感じられた。

5425声 父と寿司

2023年04月16日

両親と弟が店に来る。カウンター越しに見る父はすっかりおじいちゃんで、父の父、私にとってのじいちゃんによく似てきた。声は小さく多少聞き取りにくいが、耳が遠い感じはない。昔から寿司が好きで、子供の頃はいろんな寿司屋に連れて行ってもらった。ゆっくりだが今日もしっかり8貫食べていった。父85歳。母74歳。子供の頃からこの二人が話しているところなんてほとんど見たことがないのに、晩年となった今、いつの間にかつべこべ言い合いながらもコミュニケーションをとっているのがなんだか微笑ましく、とくに父がなんだか、幸せそうに見えた。去年はひょっとしたら店は実現せず、両親に寿司を食べてもらうことはできないかと思った時期もあったが、こうして二人揃って来てくれて食事をしてもらえてよかったと思う。少しでも二人の時間がおだやかに流れてほしい。その助けになるならいつでもまた寿司を食べに来てほしい。

5424声 雨の土曜日

2023年04月15日

朝から雨。今日は一日中雨の予報。昨夜は営業後に飲みすぎた。遅めに起きて風呂に入る。二日酔いではなさそう。ラガーの瓶詰めをして、店の仕込み。ビールが一月以上発酵タンクにいるのにきれていかない。ラガー酵母は酵母を起こしてから加えたほうがいいのかもしれない。夜のご予約は遠方からのお客様。束の間ゆっくりしていただけたらなにより嬉しい。

5423声 定点からの接客

2023年04月14日

店がオープンしてまだ一月半のため、ご来店のお客様は知り合いが多い。ほとんどが以前の店に来てくださっていた方で、何度も接客しているはずなのに、料理がアラカルトからコース料理になっただけでお客様の印象が随分違う。自由度の高いアラカルトはお客様の過ごし方も自由度が高い。けれどもコース料理でしかも15品以上料理が出てくるとなると、ある程度こちらに合わせないと進まないため、不思議と自由度の高いアラカルトの時よりも、お客様の人となりが見える。早く食べたい方、ゆっくり食べたい方、味わいたい方、話がしたい方、そういう様々なことを汲み取りながらやっていると、とてもお客様の人柄が出てしまうように思う。コース料理であることは、それがもてなす側の足場となり、定点から接客を始められるのだなと改めて感じる。もちろんそれを可能にするのは、とことん準備したから、ということでもあるだろう。