日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

4427声 麦酒と胡瓜

2020年06月07日

朝は夏らしく曇っていたが、日が高くなるにつれ快晴になった。外に出ると汗ばむほどであったが、からっとして心地よかった。何をするでもない一日であったが、シャワーを浴びて夕風に吹かれつつ飲む麦酒は格別であった。アテは味噌を付けたきゅうり。心の疲弊はいかにして癒せばよいか、それを考えつつまた缶麦酒を注ぐ。担当の選句、同人誌の作品入稿を済ませる。

4426声 帰る場所

2020年06月06日

緊急事態宣言が解除されたが、まだ各地では人が大勢集まるイベントなどご法度となっている。夏祭り関連、花火大会関連はことごとく中止になり、いささか寂しい夏になりそうである。ちょうどいま、蛍の時期を迎えようとしているが、各地の自然公園では蛍狩りイベントが中止になっている。その中、俳句関連ももちろん大きな句会関係など、ことごとく中止になっている。自身も9月に開催される西の方の俳句関連の依頼があり、楽しみにしていたので、どうなることやらと気をもんでいる。俳人と会わず、俳句を作る日々が続いている。こんな時期だからこそ、初心に帰ろうと思う。そう書くのはたやすいが、果たしてそれができるか。現在、真夜中だが激しい雷雨が窓硝子を叩いている。

4425声 雰囲気戻りつつ

2020年06月05日

今週は、昼飯に日高屋によく行っていた。その前は吉野家など、「屋」とか「家」のつくところにどうも足が向いてしまう。つまりは芸がないのである。しかし、そんな店も嫌いではない。近頃はどこへ行くにもだれと会うにもマスクをつけているので、平気だろうとタカをくくって、においなど気にせずW餃子定食などを平然と食べている。今日も日高屋で餃子などつまんでいたら、斜向かいの席の三十路がらみの営業と思しき男女が来て着席した。少し経って運ばれてきたのは、餃子と麦酒ジョッキである。ぐいぐい麦酒を空けていく二人に、平日の昼日中から呑めるとは、どんな仕事なのだろうと興味がわいた。よれよれの服を着ている私とは対照的に、スーツ姿の洗練された容姿である。そんな光景を見ていて、先日、堀澤さんが4417声の「雰囲気」を思い出した。該作の中に、「例えば、なぜ高崎には昼飲みの飲食店が根づいていかないかの理由も同じだろう。きっと、雰囲気だ。」という一節がある。都内の繁華街には高崎の雰囲気とは逆に、とくに夏場などは昼から呑める雰囲気が根づいている。物見遊山の観光客なども多いためであろう。緊急事態宣言の発令で、そんな雰囲気も絶えていたが、徐々にその雰囲気が戻ってきているようである。二人が二杯目のハイボールを注文している姿を横目に、店を後にした。

4424声 真剣

2020年06月04日

曇天ながら蒸し暑い一日だった。五月に入稿した俳句の雑誌関係のゲラが、今週一挙に返ってきた。重なる時は重なるものだが、どれも短文なので、さほど労はなかった。それよりも、修正点を見つけるたびに自身の確認能力の無さに、我ながらあきれてしまった。今年から担当する会報誌の選句を終えた。よく練られた句に接すると、気が引き締まる思いがする。刀に向き合ったときにような鋭角な感覚。「真剣」という言葉はよくできていると思った。対象に真剣に向き合っている作品は光る。

4423声 若い警官

2020年06月03日

入梅前であるが、終日、曇ったり晴れたり。夕方に飯田橋駅付近を歩いていると、前方にパトカー数台の赤色灯が回っていた。近くまで来ると、どうやら事故で、警官の奥にレッカー車に載るひしゃげたバイクが見えた。それよりも、交差点にはペンキ缶を倒したように血が残っており、そちらの方に気が取られた。用事を終えた帰り道、先ほどの事故現場を通ると、まだ黄色い規制線が張られており、警官がところどころに居たが、レッカー車などはなく、パトカーの数もだいぶ減っていた。交差点に目を向けると、若い警官が柄の長い箒で、ざりっざりっと血を掃いていた。洗剤のようなものを入れたのか、掃くたびに泡立っていた。彼はうつむき加減で、めんどくさそうに手を動かしていた。まるで、一人でプール掃除をやらされている学生のように。

4422声 涼しい顔

2020年06月02日

東京都で新型コロナウイルスの新規感染が新たに34人確認されたとの発表があり、感染の第二波への危機感が強まっている。今朝のテレビニュースではリーマンショック時よりもさらに厳しい経済情勢になるなんて涼し気な顔で言っており、いささか滅入った。ネット句会の選句を終え、募集句の選句に取り掛かる。

4421声 密

2020年06月01日

今日から水無月。担当は(ぬ)です。そして、県をまたぐ移動の自粛要請がようやく解除された、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、北海道を除いて。つまり、私はまだ自粛が要請されていることになる。しかしながら、今朝からは爆発的に人出が増えた。通勤時間帯はバスも列車も密であった。苦しいくらいの「密」である。今月の19日以降は往来の制約がなくなるとのお達しだが、それまで持ちこたえることができるのか、不安になるほど。入梅前の明るい季節だが、人々の顔は暗い。そう見えるのは私の心が暗いからだろうか。

4420声 コロナはどこへ

2020年05月31日

5月も今日で終わり。5月はあっという間に過ぎていきました。今の状況に慣れてきたのだろうけれど、変化する日々にやるべきことが噛み合っていかなければ落ち着かない。運良くコロナの速度が落ちてきて、こっちの達成度がそこに追いついてきたのだと思う。外の状況にこちらの行動が噛み合うことが増えれば、1日を予測して過ごすことができる。予測して過ごすことができると、時間は短く感じられる。4月は長かった。日々変わる出来事が初めての出来事ばかりで。まったく対応できている感覚を持てなかった。6月はどうなるのか?このまま引き続き、慣れてきたと感じられるのか?

4419声 身体的な時間

2020年05月30日

昨日一昨日と、ザブンの店内営業が再開した。久しぶりに会うお客さん同士が楽しそうに飲んでいるのが印象的だった。昼間ラジオを聞いてたら、京都大学学長で霊長類学者の先生が話していた。「人間が猿と違うのは、信頼によって関係を築くことなんだよね。猿は力が強いか弱いかだけだから。信頼は合わないとだめなの。スマホは言葉だけでしょ。言葉は軽々と身体を越えてフィクションを作るから、勝手に妄想を膨らませてしまう。受け手次第なんだ。その場にいれば、表情や言い方で同じ言葉でも全然意味が変わってくるでしょ」フィクションはこれからますます増えるだろうなぁ。ますます人間は脳的になる。脳的というのは知的とは違うんだよね。脳的は脳だけだけど、知的というのは身体から生まれてくるものだから。歳をとる意味もあるのは、そういうところだったりする。身体的時間を重ねないと知的にはなれないわけ。ところが歳をとると、考えることをやめるんだよなぁ。歳をとってこそ考えなくちゃもったいないんだけどね。今まで頑張って生きてきたんだから。

4418声 あなたのままでいい

2020年05月29日

判断を遅らせる、というのは、判断をしない、ということではなくて、考え続けるということなんだよね。逆に言えば、判断を早めたい、というときは、もうこれ以上考えたくない、ということだってあるわけ。「白黒つけたがるところがあった」亡くなった木村花さんを、所属会社の社長がそう言う。わかるんだよね。自分もそうだから。俺が言うのもなんだけど、真面目なの。物事の白黒、いいか悪いかみたいなことは、時間とともに変わる宿命を持っている。だから、簡単には決められない。でも決めないと、現在にコミットできなくなるわけ。停滞してしまう。白黒つけたがるのは、進まなくちゃという切実さと表裏一体 なんだ。判断を遅らせる、というのは、灰色を抱え続ける、ということ。これは一歩間違えると、いったい何が白なんだかがわからなくなる、ということだって起きかねない。それを承知で、判断を遅らせてみなよ、と言える大人が少ないよね。判断を遅らせてみなよ、は、白黒つけたいままでいいんだよ、という逆説的な前提に基づいていないときっと伝わらない。あなたはあなたのままでいから、判断を遅らせることも覚えようよ、ということだから。

4417声 雰囲気

2020年05月28日

ひとまずコロナウイルスは、どこかにいなくなったのかもしれない。そう思えるくらいの、感染者の推移になった。ゼロになったわけではないが、いったん収束するまでに要した時間は2ヶ月だった。感染拡大だけを見れば、群馬県はもうこの1ヶ月は感染者がほとんど出ていない。昼間の施設は再開し、人出も増えている。しかし、依然として夜の街に人はいない。これはなんなんだろう?と考えた。理由は、感染のリスクではないのかもしれない。夜の街に人がいないのは、「まだ今は、飲み歩いていたら何を言われるかわからない」という、雰囲気なんじゃないか。この2ヶ月を辿ると、とても日本人は言うことをよく聞くということが、よくわかった。じゃあ、いったい誰の言うことを聞いているのかといえば、きっとそれは「雰囲気」の言うことを聞くのだと思う。具体的な誰かでも、いろいろ考えた結果のあり方でもなく、その時の雰囲気にならば、従うのだと思う。雰囲気が出ていい雰囲気、となれば出るし、まだそこまで行かない雰囲気と判断すれば、出ない。きっとそうに違いない。例えば、なぜ高崎には昼飲みの飲食店が根づいていかないかの理由も同じだろう。きっと、雰囲気だ。人が外で昼飲みをするかどうかは、その街に昼飲みを好きな人がどれだけいるかではなくて、街の成り立ちや、歴史的に昼飲みが受け入れられているかどうか、今現在そういう雰囲気があるかどうか、という理由だけなように思う。改めてそんなことに気づいてしまった。それが、思考停止に直結していることも。その思考停止を前提として、ビジネスも政治も進められていることも。

4416声 営業再開

2020年05月27日

今日から店内営業再開。排水管の洗浄をして、片付けが終わったところで、仕込みを考える。昨日仕入れをしておいてよかった。それでも足りないものがある。料理は案件が多い。もう昔のように、朝から仕入れを何軒もして仕込みをして営業もすることはできない。まずは仕入れの時間を減らすこと。仕込みは時間を決めてそれ以上やらないこと。でないとビールがおろそかになる。その前にお客さんに会いたくなくなる。と言いながら、今日はこれから富士見に自然養鶏の親鶏をもらいに行く。そこまでしてもほしいし、お客さんに食べてもらいたい。これがなくなったらおしまい。

4415声 中心は郊外

2020年05月26日

朝から客席に作った仕切り板の柿渋塗り。柿渋ってつくづくなんでも合う。今後配達もあると思うと電動自転車を買いたいと思って、イオンへ。電動自転車って、ごついのばかりだった。再検討の余地ありだ。開店前に行ったが、すでに車がたくさんある。モール内9時開店のコメダ珈琲でモーニング。ここも朝から人がいる。駅近くのロイヤルホストとはまるで違う賑やかな雰囲気が、朝から。今の高崎のメインスポットはまちなかじゃなく、ここなんだな。そういえば、抜井の実家はこの近くだったはず。落ち着かないな。まちなかに戻ろう。

4414声 店舗の改装

2020年05月25日

ザブンで店内営業再開の準備をする。寿司屋の寿司ネタの札メニューよろしく、木札に手書きでメニューを作る。瓶ビール、ホッピー、煮込み、もつ焼など、所謂大衆酒場、古典酒場にあるメニューも加えた。高崎にありそうでなかった、個人店の古典酒場を作りたい。店舗作りでいつも行き詰まるのが、照明。明るさ、色、配置をなかなかイメージできない。水曜日から再開の予定。腰板も作りたいが、そこまではいかないだろう。できればTVもつけたい。店が始まると仕入れ仕込みで手一杯になるので、今のうちに気づいたところを全て直したい。

4413声 プロ

2020年05月24日

昨日仕込んだビールは順調に発酵が始まった。昨夜様子を見に行ったら、すでに発酵が始まっていた。今までは早くて翌日の朝、遅いと翌日の夜にならないと動き出さなかったのだが、食いつきがよくなった。酵母を投入するときの酵母の状態と量が、もっとも大事なことがわかった。水の活性、煮沸時間、エアレーションも全部意味があることもわかってきた。発酵が始まる、ということに加えて、発酵が終わる、ということもわかってきた。どのタイミングで2次発酵に移行すればいいか、どのタイミングで2次発酵を終えればいいかがわかってきて、仮にジアセチルが出ても、その対処法もわかった。そしてビールはこれらがわかった分だけ、おいしくなっている。わかるってまったく、こんなにも安心するんだなと思う。もちろんそれは一時で、すぐにまたわからない、が出てくるが、重ねてきたわかる、は一時の、大きな安心、満足感を与えてくれる。満足感はエネルギーになる。満足感を得たエネルギーで、不満足を生み出していかないと進歩がない。せめて、レシピを見なくとも30〜40くらいのビールは作れるようになりたい。同じように料理も、季節別に30〜40くらいの料理は、平気で作れるようになりたい。プロなんだから。

4412声 他者前提

2020年05月23日

昨夜は眠れなかったが、酒もあまり飲まなかったため今日は調子がいい。仕込みをして、ネズミも昨夜は出なかったから麦芽を戻して、冷蔵庫の整理もして。ちょっと外に出ると、街の雰囲気、活気、道路の状況、全部いっぺんに変わった。テレビも新聞もないから、なぜ急にそうなったのかわからない。何かもう、元気なのか機嫌がいいのか、ストレス発散なのか、有り余る何かをドバっとこぼしている感じ。こういうのに混じっていける人が、生き残っていくのだと思う。昨夜眠れなくて久しぶりに落語を聞いた。落語って改めて、言葉とリズムを他人贈る芸なんだなと思った。それは全て、受け取る側の受け取りやすさ、心地よさを目指している。他者前提なんだ。

4411声 初夏の気温

2020年05月22日

ここ数日涼しい。昼間でも20℃を越えない。5月はずっと暖かかったから肌寒く感じるが、ビールにとってはいい気温である。冷蔵庫に入りきれずにいるビールもこの気温ならば大丈夫だ。裏庭に建設中のプレハブ冷蔵庫は、6月初旬に完成する予定。それまでなるべく暑くならないことを願う。今日も松屋のベーコンエッグ定食はおいしかった。仕事しよう。

4410声 整理できない

2020年05月21日

朝ザブンでテーブルの補修。ロイヤルホストに行ってひとしきり。ドリンクバーの新商品京番茶がおいしい。さて、今日は何をやったか。テーブルの補修、定期宅配の内容準備、ばっちゃんと打ち合わせ、居間に置きっぱなしのいろいろを確認。この数日、止まってみた。一度止まると、整理できなくなるね。だから皆走るのか。人生の大事なことに、走り続けていられることの大事さと、整理できていることの大事さとある。そんなのはどっちでもかまわない、という天才もいるが。止まらないと整理できない、というのが一般的と思ってるんだけど、走りながら整理できるときもある。走っていないと整理できない、というのも、走り続けたあとに、よし、休むか、といって止まると、走るのをやめると整理できないなと思ったりもする。すべてその人による。その時による。走るのをやめるのが他者との関わりをやめることに直結して疑わない、という人もいる。整理が苦手だ。死ぬまでに整理できるようになりたい。明日からまた走る。走らないと進まない。進まないと終わる。本当か?要するに進めたいんだ。