日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

4411声 初夏の気温

2020年05月22日

ここ数日涼しい。昼間でも20℃を越えない。5月はずっと暖かかったから肌寒く感じるが、ビールにとってはいい気温である。冷蔵庫に入りきれずにいるビールもこの気温ならば大丈夫だ。裏庭に建設中のプレハブ冷蔵庫は、6月初旬に完成する予定。それまでなるべく暑くならないことを願う。今日も松屋のベーコンエッグ定食はおいしかった。仕事しよう。

4410声 整理できない

2020年05月21日

朝ザブンでテーブルの補修。ロイヤルホストに行ってひとしきり。ドリンクバーの新商品京番茶がおいしい。さて、今日は何をやったか。テーブルの補修、定期宅配の内容準備、ばっちゃんと打ち合わせ、居間に置きっぱなしのいろいろを確認。この数日、止まってみた。一度止まると、整理できなくなるね。だから皆走るのか。人生の大事なことに、走り続けていられることの大事さと、整理できていることの大事さとある。そんなのはどっちでもかまわない、という天才もいるが。止まらないと整理できない、というのが一般的と思ってるんだけど、走りながら整理できるときもある。走っていないと整理できない、というのも、走り続けたあとに、よし、休むか、といって止まると、走るのをやめると整理できないなと思ったりもする。すべてその人による。その時による。走るのをやめるのが他者との関わりをやめることに直結して疑わない、という人もいる。整理が苦手だ。死ぬまでに整理できるようになりたい。明日からまた走る。走らないと進まない。進まないと終わる。本当か?要するに進めたいんだ。

4409声 格付チェック

2020年05月20日

昨夜は飲みすぎてしまい、今日はほとんど使い物にならず。昨日いち蔵へ行ったら、テレビで芸能人がワインや音楽の格付をする番組をやっていた。バイオリンの音色を当てる問題で、片や国際的に活躍するプロが、18億円のバイオリンで演奏する。片や音大1年生が、100万円のバイオリンで演奏する。これが皆、当たらない。ほとんどの芸能人が大学生の演奏に票を入れる。音程のずれない、逸脱のないリズム、音に心地よさを感じるからか。不可ではない可なもの、という基準がおそらく各々にあって、そもそも日常は、不可ではない可なものだらけ、である。何かの基準に対して厳しく掘り下げていることなんて仕事と趣味くらい、かもしれなければ、あとのことは、自分から遠ければ遠いほど安定していることにいいという判断をしがちになる。そうしたら、ワインの味もバイオリンの音も、わからなくなるだろう。言い方を変えれば、だいたいのことはどうだっていい、ということでもある。思考停止の始まり、だけれども、同調力が増す理由はこんなところにもあった。考えなくちゃいけないのは、うっかりその同調が気になりすぎてしまい掘り下げることをやめてしまう、ということがたくさん起こる、ということである。それを避けられるとしたら、バイオリニストの卓越した技術や、ストラディバリウスの音をわからなくなるのは嫌だ、と思い続けるしかない。最も大切なのは、わかりたい自分、わかっている自分のままでいいと、自分で自分を認めてやることである。

4408声 ネズミ問題

2020年05月19日

昨夜から雨。湿度が気持ちいい。早く寝すぎたため夜中に目が覚めて、ぐずぐずと3時間眠れなかった。日が昇ってから少し寝ることに。シンキチの裏庭の冷蔵庫工事が始まった途端、裏庭に通じている麦芽粉砕室にネズミが出た。糞だけならまだしも、小便までして。駆除したいが、ネズミ駆除の商品にもいろいろある。ネバネバのシートに捕獲するもの。毒を盛って殺してしまうもの。煙で追い払うもの。ひとまず煙を買ってきて試した。けれども昨日の晩、また出た。今朝見たら、おとりにしている麦芽の袋が食い破られている。こうなると、上宿をせっかく見つけたネズミには申し訳ないが、戦争である。ネバネバにするか。毒にするか。ネバネバは昔、学生の頃、新大久保のアパートにネズミが出てネバネバを使って捕獲したはいいが、ネズミが生きているのでその後の始末が大変だった思い出がある。毒か。出ていってくれればいいのに。

4407声 千々に乱れて

2020年05月18日

小雨の朝。セキチューへ。資材館は7時からオープンしている。ザブンのテーブルを留める金具やビスを買いに。道路に車の量も増えたが、車のスピードも速くなった気がする。一昨日までとは様子が違う。日々売上が上がらない中、できるだけスタッフが仕事に来られる環境を作る。休業手当の補助がある前提でやっているものの、ハローワークはパンクしていて申請は進まない。オンラインで申請できるようになると言うが、いつになるか。給与支払い日はやってくる。ひと月以上前に始めた借入れ準備は、ようやく先週振り込まれた。しかしこれ、冷蔵庫と店舗契約更新料で3/4がいっぺんになくなる。そうすると、なんだかんだ、現金があるのは結局6月いっぱいである。申請した給付金が2つ、これは本当に届くのか。届けばプラス2ヶ月、8月までは現金があることになる。せめて届くかどうかだけでも、早く教えてもらいたい。何より、心配なのは、暇な状況の中で働くスタッフの緊張感が保てなくなることである。こんな心配を、従業員2.3人の個人事業主ですらしている。規模が大きくなればなるほど待ったなしだと思う。きっと、ウイルスの数よりも多く、乱れた心が彷徨っていると思う。

4406声 解除

2020年05月17日

休業要請の解除は昨日16日からだった。まちなかの往来も駐車場の車の数も急に多くなったと思ったら、そういうことだった。家にいなさいと言われればいて、出ていいよと言われれば一気に出る。こんなところで同調力の強さを感じてしまった。うちはと言えば、むしろこのひと月半くらいで新たに冷蔵庫の工事を始めたり、店のメニュー改定と準備をしたりしていて、そこにコロナ対応が加わったから、むしろ今ごろ疲れが出てきた。スタッフになにか言うのも疲れるから言いたくないくらい、できるんなら仕事を離れたい。あと少し、店のリニューアルと補助金申請が終わったら、少しだんまりを決め込んで、ステイホームしたい。

4405声 ビールと料理

2020年05月16日

朝から仕込み。5時にはもう明るい。ずいぶん日の出が早くなった。今日は久しぶりにスタウトの仕込み。最後に仕込んだのがヨーロッパに行く前だから、8ヶ月ぶりくらい。麦芽が新しくなってバリエーションが増えたから、全く違うものができそう。レシピを考えるのも楽しい。11時前には終わった。これから少し休憩して、ザブンで仕込み。こちらは料理。週に4日店をやって、加えて醸造を止めずにし続けるのは結構ハード。雨が降ってきた。

4404声 父との会話

2020年05月15日

親父から電話があった。電話などめったにかかってこないのだが、こんな時だからドキッとする。つい先日も、お袋が突然LINEでグループを作った。弟とその嫁、中学3年生の孫に私も。グループの名前が、「親族」。何かあったのかと思ってしまうが、未だとくに説明もない。そんな矢先に親父から電話。もう1年以上話をしていない気もする。去年1度くらいあったかどうか。「元気かい?もう心配でさ。お前の商売が大変だってずっと言ってるから」とてもはっきりした口調で、早口だし、まったくボケてる感じはない。俺は元気で、ビールがあることでお客さんが買って帰ってくれるから助かっている、という話をした。それでも「そうか、いや心配で心配でさ」と、何度も言われた。とても心配してくれていたらしい。「それよりお父さんの方が心配だよ」思わず本音を伝えたが、「いやお父さんは生きてるから大丈夫だよ」だって。得意気だった。冗談を言える元気があってよかった。親父に限らず、近しい人が元気でいてくれる、それだけで人生は明るくなる。

4403声 酒

2020年05月14日

昨日は断食の日、のはずが、飲んじゃった。飲んじゃったなぁ。今飲んだらきっとおいしい、という体調になってしまった。案の定、おいしかった。酒がおいしいとき、世の塵も自分の垢も、全部洗い流してくれる。やっぱりアル中なのかなぁ。結局いつも側にいるのは酒。本当に感謝している。

4402声 母子の棲家

2020年05月13日

ザブンを改装しようと思い、店内をああしてこうしてとぐるぐる考える。ひとまず今の椅子を改造して、壁際に小さめのテーブルを作ることにした。朝自宅の駐車場で椅子の採寸をしていると、倉庫の側でカサカサと音がする。覗いてみると、子猫3匹と母猫が、寝ぼけ眼で寄り添って寝ていた。母猫も眠そうだが、次第にこわばった顔つきになり、こっちを睨んでいる。子どもたちはまだよちよちあるきである。毎年我が家には、同じような猫の家族がやってくる。決まって母と子の母子家庭ばかり。父親はいったい何をやっているのか。駐車場はいらないものが置きっぱなしだったり、庭は雑草だらけだったりするので、野良猫には好都合なのだと思う。毎年生まれても、全部が残るわけではない。そのいなくなった猫たちはとこへ行くのだろうか。若松町は野良猫が多い。

4401声 いち蔵へ

2020年05月12日

久しぶりにいち蔵へ。マスターもおかみさんもマスクをしての営業である。いち蔵もGWに10日間休んだとのこと。その間もマスターは、家のペンキ塗りをしていたそう。働き者に休みは関係ないのだな。メニューの数はいつもより少なめの中、ビールに刺盛りをいただく。お通しにもつ煮。これがまたおいしかった。お客さんが戻るのはいつになるのか。

4400声 緊急事態の静かさ

2020年05月11日

8時過ぎに起きて、瓶詰めから明日の仕込みの麦芽粉砕までひと通り。そろそろ夕方。今日は暑い。醸造所の中まで温度が上がる。珈琲を飲みにロイヤルホストへ。今日はアイス珈琲にした。アイス珈琲もうまい。この2週間、群馬は新しい感染者が報告されていない。他の県も、多くが拍子抜けするくらい、出ていない。しかし夜の街はほとんどの店が閉まっていて、静まり返っている。我々はいったい何をやっているのだろうか。ひと息ついて、この静かな店内に心地よさを感じてしまったら、もう少し緊急事態のままでいいと思ってしまう。

4399声 母の日

2020年05月10日

今日は予約が重なった。日曜日のみ予約が多い。木曜日に、若い女性から予約を受けた。 「予約をお願いしたいのですが」 「いつになりますか?」 「今度の日曜日にお願いします。未成年なんですが、未成年でも買えるものありますか?」 「持ち帰りは寿司なんですけど、寿司で大丈夫ですか?」 「はい大丈夫です。母の日にプレゼントしたいと思いまして」 「お母さんはお酒飲むのかな?」 「そちらで飲んだビールが好きなんです」 買いたいのは、きっと寿司というよりも、ビールだったんだよね。持ち帰りでビールが買えることを、おそらくインスタグラムか何かで見たのかな。未成年の自分がビールを買っちゃいけないことをわかってて、でもお母さんには自分が買って届けたい一心なんだよね。かれこれ20年以上も予約の電話を受けてきたが、まさか予約の電話で泣きそうになるとは思わなかった。ビール始めてよかったな。

4398声 一日を整理する

2020年05月09日

朝醸造所で仕事をして、その後ザブンへ行って仕込み。8時を過ぎたらロイヤルホスト。これが日課。サラダモーニングをトーストで。英国風パンにもできるが、あの薄切りトーストが好き。珈琲は2種類ある。ハンドドリップで淹れたものがポットに。あと機械がその場で淹れる珈琲と。ハンドドリップは毎日味が違うが、ハンドドリップのよさ、みずみずしさがいい。機械のもこれがまた十分おいしい。どちらもそれぞれいい。お茶類はティーバッグだが、種類がたくさんある。アップルシナモンティーか黒豆ほうじ茶が定番。珈琲2種類とお茶2種類を、その時の気分でいただく。いただきながら、今日一日を整理する。ロイヤルホストはほんとに、ロイヤルなホストである。

4397声 やり直そう

2020年05月08日

市場へ行ったらおいしそうなメジ、平目があったので買ってしまう。赤貝と帆立も。こんなに買って売れるのかわからないが、買わないと売れない。魚をどんどん買おう。買って、できるだけ価格を抑えて売ろう。自分がおいしいと思うときは、どうですか?と聞こう。聞いて、ニヤリと笑おう。そして、またよろしくお願いしますと、さりげなく言おう。お客さんとの関係を、全部一からやり直すつもりで。

4396声 コロナウイルスとは

2020年05月07日

コロナウイルスとは何なのか?私なりに考えた結論がある。コロナウイルスは新種のウイルスのため、ワクチンがまだない。ワクチンがない中での解決策は、言い方が強引かもしれないが、ウイルスにかかる、しかない。仮に日本中の人が一時的に活動を停止できたとしても、一時的に減りはしても、ゼロにはならないだろうから。 次に、コロナウイルスの何が最も辛いか、である。そこを考えないと一歩も前に進まないことに、ある時気がついた。私にとってコロナウイルスの何が辛いかと言えば、自分がかかってそれを他人に移してしまい、自分が生き残り、その人が死んでしまったとき、だと思う。あるいはその人に、なにか後遺症のようなものが残ってしまったとき、もあると思う。 コロナウイルスに関して、いろんな恐怖がある。自分がかかって苦しい思いをする。自分が死んでしまう。他人に移してしまい、その人が苦しい思いをする。これらももちろん辛いが、苦しい思いをしても回復ができたならば、それは解決にもなる。自分が死んでしまうと終わりだが。 だから私にとってのコロナウイルスとは、人に移してしまいその人が死んで私が生き残ってしまったら、もしかしたら自分が死ぬよりも苦しいかもしれないもの、である。それ以上でもそれ以下でもない。最期に立ち会えない、など、考えただけで辛い。

4395声 断食

2020年05月06日

連休最終日。人生で初めて経験する静かなGWは、今日で終わり。高崎のまちなかは、5/6まで休業と貼り紙をして休んでいる店舗がほとんどである。はたして明日から、街に人は戻ってくるのか。少しずつ、だましだまし、そういう再スタートなのだと思う。だがそんな調子で、庶民の生活はいつまで成り立つのか。コロナの感染者よりも、生活の成り立たない人の方が増えるんじゃないか。こんな状況に、私はもうずいぶん慣れてきた。社会実験に参加している気分。それは身近な人に感染者がいないからだろうと思う。感染者が出れば、動揺するのだろうなと思う。しかしそうだとしても、私を含めた、いつ出るかわからない身近な感染者を恐れ続けるには時間が長すぎる。慣れてきてしまった。この2ヶ月間、週に一度だけ断食をしている。水以外飲まず食わずで1日を過ごす。なかなか大変だが、自分を落ち着けるには必要な日でもある。前のめりな自分に待ったをかけて、冷静になることができる。コロナ渦のこの状況も、ある意味では断食に違いあるまい。断食は、やると脳で決めないとただの苦痛にしかならない。遊びも仕事も遠慮なくしたいと思えば思うほどじっとしていることにストレスがかかり不健康になってしまう、という今の状況と同じだ。今日は断食の日。仕事も昨日で一旦きりがついたので、ゆっくりする。

4394声 麦芽の味

2020年05月05日

朝から仕込み。今日から新しい麦芽に切り替わる。麦芽は仕込みの度に3種類〜6種類を使う。その種類のすべてを、毎回仕込みの前に食べる。今回はラガー麦芽、ライ麦麦芽、カラメル麦芽、デキストリン麦芽の4種類。新しい麦芽はどれもはじめての味で、どれもおいしかった。それだけで嬉しくなる。温度調整をしながら、味をみながら、丁寧に仕込んだ。麦汁の香ばしい香りがちょっと今までと違う。順調に終わった。集中できた。あー、やりきった。