日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

2231声 遅咲きの桜

2014年05月02日

中之条町六合地区は、「日本で最も美しい村連合」にも加盟している歴史と自然のある山村。

今月後半、「日本映画大学」の映画製作を学ぶ学生がこの地区に住み込み、

地元の職人や農家を被写体としたドキュメンタリーを制作する。その橋渡し役で六合を回った。

 

六合入山地区は、「弘前よりも桜の開花が遅い」と言われており、

なるほど山桃と桜がまさに見頃だった。

空の青と、新緑の緑と、花のさくら色のコントラストは、見るだけで幸せになる。

この大型連休は、先の「野反湖」含め、ぜひとも行楽におすすめしたい。

 

遅咲きの桜。

僕も12年前はその「日本映画大学(当時は日本映画学校)」の生徒だったのだが、

卒業制作という自作映画の発表会のあと、学内のトイレで、

著名な映画評論家であり当時の校長であった佐藤忠男さんより。

「君は学生の時の作品はぱっとしなかったけど、いいものもってるから頑張りなさい」

と言われた。そういう時の言葉は、トイレであっても心にグサッと刺さる。嬉しかった。

今でも僕は、「遅咲きの桜になら、なれるかもしれない」と思い込んでいるふしがある。

 

大型連休中は、子供や若者と接する機会も多いはず。

そっとひとこと、優しい言葉をかけてみてはどうだろうか。

2230声 言葉

2014年05月01日

ひょんな縁から、長年続く「めっかった群馬」のこの「日刊鶴のひとこえ」のコーナーに
文章を書かせていただくこととなった。

(ぬ)の人こと、日本伝統俳句協会新人賞も受賞している抜井諒一さんと、
(ほ)の人こと、伝統食からクラフトビールまで食を網羅する堀澤宏之さんの、
間に入っての投稿である。僕で大丈夫なのだろうか・・・

このサイトを知ったのは数年前であるし、お二人とは親しくしているが、
気分的には外部の人間なので、「なんとなく新しい風」を入れるのが僕の役目と思っている。

 

外から見ると、この「日刊鶴のひとこえ」は、SNS最盛期において時代遅れに思える。
けれど、日刊でここまで続けてきたことは驚きであるし、関心を持たなければ僕も引き受けていない。

例えば、人気サイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の糸井重里氏のコラムとの共通点である

「言葉のみ」

という事に、僕は感心をもっている。写真の添付もない。
「めんどくさいから」というのが立派な理由な気がするが、それはあの二人が
「言葉だけで何ができるか?」について地道に思考してきた過程、ととれなくもない。

 

お二人のファンには申し訳ないが、僕も時に「言葉」について考えつつ、
時に「書くことがないどうしよう!」といいかげんになりつつ、何本かに一本は
「読んでよかった」と思っていただけるものを書きたいと思っている。

初回ということもあり長く書いたわりに、自己紹介を何もしていない。
岡安賢一と言います。群馬県吾妻郡中之条町に住んでいます。
あとの事はいずれわかるでしょう。5月いっぱいは僕の言葉が続きます。

 

唯一心配なのは、僕はあの二人に比べて圧倒的に酒量が少ない。
のんべでなくても書いていいのか?「日刊鶴のひとこえ」。

2229声 新樹

2014年04月30日

さて、明日からこの日刊「鶴のひとこえ」は新体制に入ります。
新たに岡安氏が加入し、岡安、堀澤、抜井の三人が、
一月ごとに交代で担当いたします。
それでは、いささか長く走りすぎた抜井より、
中之条町の岡安氏へバトンタッチ。

では、しばらくしたら、また。

2228声 夕藤

2014年04月29日

近所のお寺では、藤棚が咲いていて、連日見物客で賑わっている。
夕風に吹かれる藤は、だんだん色の薄らいでゆく風情。

なんとも言えず、良い。

2227声 夕景

2014年04月28日

明日に公休である昭和の日を挟んでいるので、
平日の月曜日と言えど、それほど気持ちは沈んでいない。
巷ではもうゴールデンウィークだそうな。
最近は晴天続きなので、夕焼けが大きくて綺麗である。
夕焼けが夏の季語であることを、実感する。

2226声 浴場

2014年04月27日

劇場にてテルマエロマエⅡを鑑賞。
今回は前作以上に町の銭湯にポスターが貼ってあったので、
楽しみにしていた。
劇場には中高生と思しき若者が沢山いた。
銭湯になじみのない彼等も、きっとテルマエに、
つまりは町の銭湯に行ってみたくなるはずである。

2225声 鯉幟

2014年04月26日

近所の高台から町並みを見下ろすと、はためく鯉幟が見えた。
少子化と言えど、都市にはこんなに子供がいるではないかと思った。
鯉幟が見えることになると、こちらではそろそろ潮干狩りが賑わう。

2224声 本音

2014年04月25日

夜から句会。

酒が入る句会というのは、どうにも議論に熱が入り、

危うい流れになることがしばしばある。

酒が入ると本音が出る言うが、それはもう本音でないのだろうと思う。

途中で宅配ピザを注文したのだが、受付の女性は電話口で「はいく」のことを、

聞きなれないためか何度も聞き返していた。

2223声 純粋

2014年04月24日

先日、モルツの瓶麦酒を飲んでいて、しみじみと美味しいと感じた。

過去に様々な名品があったが、モルツほど純粋なピルスナーがあったであろうか。

辛口なドライ麦酒でも高級なホップを使用したプレミアム麦酒でもないが、

純粋であることこそ、麦酒のひとつの個性ではないかと思う。

市場において、また缶麦酒でじゃんじゃん売ってほしいと説に願っている。

2222声 螺旋

2014年04月23日

スーダラ節ではないが、ちょっと一杯のつもりで飲んでいても、

この頃は暖かくなってきた陽気のせいか、いつのまにやら、はしご酒している。

そういう時は、焼き鳥屋のある日本に生まれてよかったと、感じる。

それが、モルツの瓶麦酒がある店とくれば、はしごはさらに、

螺旋階段になってゆくのである。

2221声 5%

2014年04月22日

近頃、大手メーカーより度数の弱い麦酒が発売された。

3.5%である。

量販店で並んでいる麦酒の大方が、5%ないしは5.5%なので、

ずいぶんと差がある。

私などアルコールに弱いので、5%から1%増えた6%の麦酒を飲むだけで、

いささか重たいと感じる。

ともあれ、飲んでみた。

この次は、5%の麦酒を買おうと思った。

2220声 香気

2014年04月21日

朝から雨。

月曜日の雨と言うのは、格別、気分が沈む。

最近は部屋に花など飾っているのだが、

雨の日は一段と香る気がする。

若葉冷えと言える、一日。

2219声 台車

2014年04月20日

終日曇り。

車検のため、車をカーディーラへ持ってゆく。

車検でもなければ車の手入れをしないので、

その金額が恐ろしくもある。

台車はきれいな普通車を貸してくれた。

群馬時代もきれいな車だったが、丁度連休がらみの混雑で、

きれいな軽トラックしか空いていないと言うことで、

それに乗って帰った。

2218声 神宮

2014年04月19日

卯浪。

代々木駅から代々木公園まで歩こうと思い、

出鱈目に路地裏を歩いた。

何故か明治神宮を経由して行く道順になっていたのだが、

それでも到着できたのでよしとする。

この時期はむしろ、ピクニックで混雑している公園内よりも、

神宮の森閑とした空気の方が美味しく感じる。

森は一面の若葉。

2217声 満腹

2014年04月18日

作ったら作った分だけたべてしまう。

麺類、今日もパスタなど茹でたのだが、

どう見ても三人前位出来てしまった。

麺はご飯と違い、冷凍するわけにもいかないし、

取り置いてもしようがないので、全部食べてしまった。

そうなると、お金はかかるし食べ過ぎて苦しいし、

まるでいい事がない。

外食というのは、本当に理にかなっていると思った。

2216声 活字

2014年04月17日

たまに古本などを買う。

それが、戦前の自費出版の句集などであると、

(今も昔もこの類は大方自費出版なのだが)

装丁も紙質も印刷も、すべてが素っ気ない。

しかし、ガタガタに組んである活字の行間からは、

えも言われぬ味わい深い雰囲気を感じる。

2215声 窓外

2014年04月16日

職場の窓に、ふわりと人影。

窓掃除の人である。

ロープで宙吊りになり、器用に直角に、窓を隅々まで拭いてゆく。

天気の良い日は、とても気持ちよさそうな仕事である。

気持ちよさそうな仕事は良い。

2214声 大根

2014年04月15日

大根の皮が剥けないので、包丁で切り落としている。

なので、剥き終わりの大根が鋭角的で小さい。

包丁は握っているのだが、大根の皮だけが、

どうにも上手く剥けるようにならない。