日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

2319声 鰻丼

2014年07月29日

暑気にあたって腹具合がどうにも芳しくないので、このところ麦酒を控えていた。
今日は土用の丑の日なので、夕食を鰻重、とまではいかないにしろ鰻丼にした。
そこで辛抱たまらず、麦酒に手を出してしまったが、味は格別だった。
美味しく飲むための禁酒と言うのも、ひとつの手であると感じた。
鰻と麦酒なので、腹具合の悪化を懸念していたが、調子がよかった。

2318声 複雑

2014年07月28日

最近、「モルツザドラフト」なる銘柄の生麦酒を、酒場でよく見かける。
まだ飲んだことはないのだが、プレミアムモルツももちろんだが、
なにより 従来の「モルツ」フリークとしては、飲みたいような飲みたくないような。
複雑な思いを、その「ドラフト」と言う文言から喚起される。

2317声 廊下

2014年07月27日

今日も炎天。
朝から濃く霞んでいて、山並みはまったく見えなかった。
お昼ごろから強烈なる風雨があり、
きれいな夕映えの山並みを見ることが出来た。
猫は一日中、廊下にぐったりと腹ばいになっていた。
赤城山の麓をぐるりと回り、館林方面から川口を通って帰ってきた。
家の前の桜並木の蝉時雨が、出かけた日よりも厚く高くなっていた。

2316声 竈馬

2014年07月26日

吟行地である群馬県桐生市の山奥に着いたときには、
森の中のあちらこちらにそれと分かるいでたちの人たちが見えた。
今日は群馬県内は最高気温37度を観測する、とてつもない暑さであった。
そのためか、昆虫やら小動物の活動が活発で、隠沼の周辺には、
青蜥蜴やら糸蜻蛉やら玉虫やらナナフシやら、
都会ではあまり見かけない様々な生き物が跋扈していた。
当然、虫など怖がっている人など一人も居らず、やぶ蚊を叩きながら、
みな句作に熱中していた。

日射病、熱中症の人など出ず、句会は無事に済んだ。
参加者の大半がご高齢の方々だったが、むしろ町の若者よりも頑丈である。
私は全然集中できず、句の出来栄えも惨憺たるものだったが、
他の作品から学ぶところが多かった。
薄暗い厠の中で用を足していて、ふと大きな竈馬に足を這われた時には、
流石に背中に寒気が走り抜けた。
いささか取り乱して、慌ててそいつを振り払ったが、
町へ降りて来てみればなんとも笑える光景であった。

2315声 蝸牛

2014年07月25日

芭蕉は桜を眺めていると、思い出すことがさまざまあると詠んだが、
この石にしみいるような蝉時雨を聞いても、思い出すことがさまざまある。

そう言えば、去年の夏は堀澤さんと一度、都内で会った。
もちろん、麦酒から麦酒を求めてはしご酒となり、
千鳥足でなんとか東京駅前までたどり着いた。

その時に、ざぶんの移転計画を聞き、一年たった今では、
無事に店舗移転を済ませ、お店は活況を呈している。
私はと言えば、去年の夏から一応、物事への取り組みは、
蝸牛くらいの速度で進んではいると思う。
ただ単に、馬齢を重ねているだけとも思うが。

2314声 夏鍋

2014年07月24日

連日、麦酒を飲むことによって体が冷えるのが、
毎日のこの倦怠感に繋がっているのではなかろうかと思い、
昨日は鍋を食べながら麦酒を飲んでみた。
鍋が熱いので、麦酒は普段より進んでしまうし、
部屋の冷房は効かせてしまうしで、かえって体に悪く、
体調をさらに崩した。

2313声 畏敬

2014年07月23日

連日の猛暑である。
今週末も群馬に行く予定なので、今から熱さがおそろしい。
土曜日には吟行があるが、高齢の俳人が多いので、心配でもある。
私など、すでに夏バテ気味と言うか、完全に体調が悪い。
極寒と酷暑なら、後者の方が生命の危険がありそうに感じる。
しかし、熱くとも、老練な俳人たちの衰えざる詩魂には、
毎回、畏敬の念を抱かされる。

2312声 平静

2014年07月22日

世間は夏休みに入ったので、通勤の電車などは空いている。
と言うのも、路線によりけりで、観光地など停車駅に有している路線では、
朝から子供たちでごった返している。
この時期は、週末ともなれば祭囃子や花火の音が聞こえるので、
なんだか心がを保てず、そわそわしきりである。

2311声 朝霧

2014年07月21日

昨晩の大雨が合図だったのか、 朝刊には関東地方は梅雨明けしたと出ていた。
榛名湖は随分と涼しく、朝霧の中にゆうすげの黄が浮かんでいた。
しかし、高崎へ降りると蝉のさんざめく炎天で、 途端に盛夏になってしまった。
夕方には千葉へ帰宅し、麦酒を冷やした。

2310声 夏霧

2014年07月20日

夕方から伊香保温泉へ。
三連休の中日と言うこともあり、 石段は観光温泉地らしい賑わいがあった。
射的や土産など、四五年前より新しい店が随分増えていた。
旅館の人たちはハワイアンフェスティバルだとかで、 みなアロハシャツを着ていた。
伊香保神社から望む連山には夏霧が濃く、 時折、夕方の薄日を零していた。
夕方には雷雨があり、朝方まで雨が残っていた。

2309声 白風

2014年07月19日

所要で高崎へ帰省。
白々とした風に広々とした青田が美しかった。
夕方からは局地的に大雨で、高崎も例外なくさっと雨雲が通過した。
隣町の花火大会の開催を案じながら、中央銀座を通ったら、
かすかに祭り太鼓の音が聞こえた。
高崎祭りの練習だろうか。

2308声 六十

2014年07月18日

日頃からお世話になっている、俳句の先生の還暦祝いがこのあと赤坂である。
俳人の句境は単に年齢と比較できないが、ライフロールと言うか、 人生の四季の中で、
いよいよ落ち着いて物事に向うことのできる季節ではなかろうか。
俳人の集う祝いの席だと、かなり高い確率で句会ないしは、 祝句など書かねばならぬ状況になる。
それもまた、この短詩を愛好する者として、醍醐味のひとつである。

2307声 街並

2014年07月17日

都会の街並みは綺麗である。
昨日、夕方の東京駅前に警官が数人しゃがんでいた。
その中に中年のやせた男性が横たわっていた。
鮮血、とまではいかないが頭部から顔面に至るまで、 べったりと血がついていた。
その一角を避けて、丸の内の雑踏は整然と絶え間なく流れてゆく。
程なくして救急車が来たようだったが、駅の中へ入ってしまったので、
その後はどうなったのか分からない。
都会は街並みは綺麗である。

2306声 題材

2014年07月16日

花火でまとまった俳句の連作を作ってみたい。
とは、ここ二三年考えているが、どうにも数が揃わない。
花火大会の始まりと終わりと言うのでは、あまりにも定石すぎるし、
そんなことでは、類句類想の山を登るようなものである。
つまり、花火や蛍などは似たような過去の句が山積みになっている題材なので、
よほど気の利いた感覚を持っていないと、作れない。
作れないと言うのはもちろん、新鮮な作品を、である。

七月中旬の今週末を皮切りに、花火大会が各地で開催される。
群馬県の方では、まず玉村の花火大会がある。
周りが田んぼなので、とても見やすいし、個人的には都内の花火よりも、
田舎の花火のほうが好みである。
私の場合、観に行ったは良いものの始まる前に飲み過ぎてしまうことの方が、
俳句ができないことよりもこわい。

2305声 怪獣

2014年07月15日

岡安さんと会う時は、大方は久しぶりなので、 毎回、「最近観た映画」を聞くことにしている。
前回聞いたのは、正月二日の吟行をしている時。
酔眼朦朧としつつ聞いたので間違っていたら恐ろしいが、聞いた中の一つに、
「パシフィックリム」があった気がする。
そんなことをふと思い出したので、先日、レンタルで観た。
ハリウッドが作ったロボット映画で、敵は怪獣(カイジュウと言う呼称の敵)である。
それ以上の内容は、人口に膾炙しているので、留めておく。

やりたいことをやっている作品と言うものに、魅かれる。
私が男だからか、ひねくれているからは分からぬが、 何にしてもそうである。
打算的に作られたいわゆる大作よりも、 作者の実感の伝わる作品のほうが、
作品の価値が大きい気がする。
岡安さんに、「最近の映画」を聞く機会が最近はないので、
この日刊「鶴のひとこえ」にそれを見つけるときが、ひそかな楽しみである。

2304声 感動

2014年07月14日

根底に必要なのは実感。

2303声 初蝉

2014年07月13日

今週から近所の桜並木で、蝉の声を聞くようになった。
いわゆる初蝉と言うやつである。
しかしまだ、風の音にかき消されるほどのものであった。

2302声 精彩

2014年07月12日

吟行。
炎天の新宿御苑である。
草いきれの芝生の上で、レジャーシートを引いて談笑している、 大学生風の若者が多く居た。
その脇を句帳を持ってうろうろしていると、 不審人物と見なされかねないので、
離れの売店に腰掛け、氷菓をなめていた。
どうも心身とも暑さに慣れていないためか、 自身の俳句も精彩を欠いたものばかりだった。

吟行を終えた午後からは、定例の句会。
火事場の馬鹿力ではないが、過酷なる環境下では佳句が生まれるらしく、
私以外の面々の句にはみな、精彩があった。