日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

2249声 セミファイナル

2014年08月28日

路上に落ちて、「死んでるのかな・・」と近づくと突如、ブーンと飛んでびっくりする蝉の状態を、

「セミファイナル」と呼ぶらしい。

今日も木に止った蝉が、あまり元気なくゆったりと飛んでいく様を見たが、少し物悲しかった。

 

知り合いの近しい人が、不慮の事故で亡くなった。

偉人は「明日自分が死ぬと仮定して、今日を生きなさい」という。

なんとなく山田かまちなんかは、そんなことを実践したイメージがある。

僕はといえば、今日もいつも通りの一日だった。

 

蝉は、自分の命が短いことを知っているのだろうか?

2248声 ノミ

2014年08月27日

自分は「ノミ」だと思っていた。
ノミは高く飛ぶが、小さい箱に入れるとその箱の高さしか飛べなくなるらしい。

 

活気のある場所に行けば、その場所にいる人たちに感化されある一定は動くが、
一人でいるとたちまち何もしなくなる、できなくなる。
場所や環境ありきでないと、動けない自分。
20代なかば。休みの日には、一日布団の中にいることもあった。

 

(ほ)の人も良く知る(も)さんとの出会いは強烈だった。
当時は高崎CIPという若者の仕事と地域活性をかけあわせた事業に取り組み、
本業は企業や自治体のコンサルタントという、強烈な個性の持ち主だった。

 

会って間もない僕を、高崎の本町だったと思うが、
知る人ぞ知るような店に連れていってくれて、あぶった油揚げなど、
飾らずに本当に美味しいものをごちそうしてくれた。

 

ノミの話しはしなかったがその席、
「僕は人に合わせて背伸びをしてるんです」と言うと、

 

「俺もだよ」

 

と即答で帰ってきた。タイミングもあるが、それはなんだか心強くて、
その日以降、震災後の活動を共にしたり、酒を飲んだりした。

 

多少去勢を張ってでも、自分の前に少し高い箱を置いていけさえすれば、
ノミだって生きていけるんじゃないか、と今は思っている。

2247声 路上のスリッパ

2014年08月26日

焼肉あおぞら付近の路上に、スリッパが放置されていた。
1日目2日目はちょこんとそこにあったが、
車に踏まれ、雨に降られ、ずたずたになっていく。
そんなに気になるならお前が処分すればいいじゃないかという話だが、
他の人もそうするようにただ放置し、まだあるな、と傍観していた。

 

車に同乗した映画監督にその話をすると、
「それって映画的ですよね。」
と、なるほどなぁという返事が返ってきた。

 

職場に母から電話。
父が倒れたという。
いつも静かな母は、動揺している。
わかった、仕事早抜けして、色々用意していくから、と私。
事情を上司に話し、駆け足で原町日赤病院に向かう。途中のワークマン。
母は父の着替えのシャツや、自分の付添のスリッパは買っただろうか?
もしあれば家で使えばいいじゃない、と、買いこんでバイパスを走る。
途中、スリッパが落ちたことも気づかずに・・・

 

瞬時に浮かんだそんな妄想。主役は30歳OL。少し影のある美人。
・・・阿呆ですな。

 

勝手にそんな妄想をされた路上のスリッパは、
今日になると跡形もなく消えていた。
お父さんは無事に退院したんだろう。

2246声 ミュラー

2014年08月25日

高崎市下小鳥町に「MOMO(モモ)」という名の小さなおもちゃ屋がある。
店はほんとうに小さい。けれどその店内には、
1才の赤ちゃんが口に入れても大丈夫な木のおもちゃや、
部屋に飾っておくだけでロハス感?が出る西洋のパズルなどが並ぶ。

 

以前イベントで知って、行く機会はないかと思っていたが、
8/31(日)までやっている「ミュラー展」の写真がとても良くて、
いいタイミングだったこともあり行ってみた。

 

ミュラーとは、115年続くというドイツの老舗おもちゃメーカーで、
その代表格は「ピラミッド」と呼ばれる木製玩具。
塔のような建物の中は4階建てになっていて、その中には
羊飼いや商人や王様などがいる。
塔の周りに付けられたロウソクに火を灯すと、自然に上昇気流が起き、
塔のてっぺんにつけられたプロペラが回って、塔の中のひとびとも
回りだすという、凝った仕掛けになっている。

 

ドイツでは、クリスマスが近づくとこの玩具のロウソクに火を灯し、
日が過ぎるごとに灯す本数を増やし、回転を速くしていくそうです。
と、店の方が丁寧に教えてくれた。

 

子どもたちは無意識にも、「自分は大切にされているだろうか?」
ということに敏感だと思う。妖怪ウォッチ体操で騒ぐも良いが、
大切に作られたおもちゃで遊び、大切に作られた料理を食べて、
親と大切な時間を過ごした子どもは、自分も大切にできるのかな、と。

 

「MOMO」という店名は、わかる人にはピンとくるが、ドイツの
児童文学者・思想家のミヒャエル・エンデの小説「モモ」由来だろう。

 

そういうことがわかって欲しいと、
姪っ子が産まれた時に姉にその愛蔵版をプレゼントしたが、
部屋の隅っこに積まれていた気がする。
姪っ子は妖怪ウォッチ体操に夢中である。

 

そういう育ち方も、またいい。

2245声 壁

2014年08月24日

六合での宴会は深酒が進んでしまい、記憶にないくらいぶりに
朝二日酔い状態だった。約束が伸びたので、水を飲み車で寝た。

 

13年位前。映画学校に通っていた1年目。ゼミの飲み会。飲む。
気付くと・・・警察のイスに座っていた。

 

聞くと、新百合ヶ丘のイトーヨーカドーの駐車場で深夜、
フェンスに登ろうとしている不審者がおり、駆け付けたとのこと。
僕は、「これを越えなきゃいけないんです!」と連呼していたらしい。
靴も履いていなかった。

 

思い返してみると、そんな心情だったんだなと思う。

 

実は、13年経った今も心情的には同じだったりするのだが、
今は深酒をするとただ、トドのようにごろんと寝てしまうだけである。

2244声 生姜鍋

2014年08月23日

「中之条ビエンナーレ」も来年で5回目の開催となる。
昨年は日本全国から113組のアーティストが参加。
人口の10倍もの人々が、アートや里山を観にやってくる。

 

今年は開催されない年だが、「六合七月小径」と銘打って、
六合地区の作品の一部の再展示が行われた。
それに参加した作家さんと地元の人たちとで飲み会をやるというので、
ひょこひょこ付いて行った。

 

小林正樹さんは、六合の古い蔵に眠っていた民具、徳利、御猪口などを
使い作品を作った。それら道具が息を吹き返すような作品だった。
長い滞在生活の中で、家の持ち主のご夫婦とも仲良くなり、
この日も奥さん特製の生姜鍋をいただき、ご主人も含め日本酒を飲んだ。
飲食店を始めたい、という奥さんのために、小林さんは鉄を溶接して
とてもかっこいい看板をプレゼントした。とてもいい事だと思った。

 

大規模な「越後妻有」「瀬戸内」、都市型の「あいち」「横浜」ほか
日本のあちこちで「アート×地域」のイベントが開催されるようになった。
けれど、「町おこしの為に使われること」に疲弊している作家もいるだろう。

 

中之条ビエンナーレは「作家からの発信」を掲げ、始まった。
画廊ではなく、受け身ではなく、自分で自分の作品を魅せる場を作る、
という趣旨だ。このモチベーションは保たれるべきだと思う。
そして加えるなら、作家と地元の人との交流こそが、大事だと思う。

 

作家は場所や人に接することにより、作品の奥行や人間性を深める。
地元の人はいぶかしげに見ながらも、気づかなかった地元の価値を知る。

 

小林さんも家のご夫婦も初めて会ったが、そんなやりとりを感じた。

2243声 はじらい

2014年08月22日

8/16日に書いた「岩櫃城忍びの乱」ミニドラマの
子役に出てもらうシーンの撮影が終わった。

 

今日もカンカン照りだったので、
主役の小学三年生女子に「帽子持ってきた?」
と聞くと忘れたという。

 

撮影場所となる岩櫃山の麓の潜龍院跡へ向かう途中。
ちょうどのその子の自宅があり、「帽子取ってきたい」
というから、取ってきてもらった。

 

撮影が終わり送っていく車の中。その子が
「妹にいじわるで前髪切られて短いの嫌だったの」と言う。
「それが気になって帽子取りに行ったの?」と聞くと、
うん、とうなずいた。

 

小学三年生にして、人にどう見られるかを考えているのだ!

 

34歳の僕は、ベランダ工事の際にビリッとやぶけた
ズボンの股座の穴を、そっと隠した。

2242声 マブイレス

2014年08月21日

10年近く置いておいた泡盛を開けた。
2003年、山形国際ドキュメンタリー映画祭の沖縄上映の際に
手伝い(半分観光?)で行って買ったものだ。

 

開けなかったもう1本には『ウンタマギルー』で知られる
映画監督・高嶺剛さんにその場で書いてもらったサインがある。

 

『ウンタマギルー』という映画では、小林薫演じる沖縄の若者が
頭に槍が刺さったまま海辺をさまよい歩くシーンがある。
彼は「マブイレスマンだ」と高嶺監督は言う。
マブイとは「魂」のようなものらしい。魂を亡くした男・・

 

先日会った女の子が、
「仕事で行った島国で会った原住民があまりにきれいで、
エネルギーに満ち溢れていて、ここに私を置いてって
ってお願いしたんです!」
と冗談まじりに話していた。
彼ら原住民ってやつは、マブイが強いのかもしれない。

便利になればなるほど、弱くなるものもある。

 

魂を亡くすにも才能が必要な気はするが、
泡盛ばっか飲んでマブイレスになって海辺をさまよう、
なんてこともしてみたい自分がいる。

2241声 捨て看板娘

2014年08月20日

僕がスタッフをしている「伊参スタジオ映画祭」では
映画のシナリオを全国から公募し、短編中編の最優秀賞2本を
毎年映画化させる、という取り組みを、2003年から続けている。

 

昨年短編で受賞した川合元監督の『捨て看板娘』の撮影が
中之条町の山中、東吾妻町の江崎看板、僕の職場等で行われた。
撮影に必要な備品を揃える程度だが、僕も協力させてもらった。

 

川合監督は昨年シナリオが選ばれた授賞式で
「僕は長年シナリオを書いてきましたが賞を獲ることもなく
あきらめようとも思ったが、続けてきて本当に良かった」
というような事を言った覚えがある。それを聞きとても感動した。

 

映画を作るのは、人の手が必要であり、お金も必要だ。
伊参で受賞した監督は映画化の期待と同時に
大きなプレッシャーや苦労を背負うのだが、
川合監督も聞いた話では相当苦労した様子。

 

けれど。撮影現場に立つ彼の顔は、連日の疲れを見せつつも、
今まで見たことのない充実した顔をしていた。
今後、編集作業を経て、11月の伊参スタジオ映画祭で上映となる。

 

「捨て看板」とは、60分10,000円ポッキリ、みたいな
町の立て看板である。しかしこの映画は、きっと泣ける。
どうゆうこと?と思ったあなた!・・・観に来てね。

2240声 道

2014年08月19日

中之条町に帰ってきたのは夜の9時。
酒を飲む場所はあっても、案外食事目当てで行きたい店は少ない。

 

あ!駅前のヤクルトがあった場所が飲食店になっている。
窓ガラスには、パソコンで印刷したであろう料理の写真。
お客はいない。なにより驚くのは、店の外から中を見ると、
ソファに店主とその奥さんらしき人が・・寝ている!
その店の名は、「道」。

 

フェデリコ・フェリーニ監督の『道』は、
死ぬまでにあと3回は観たい名作。
純粋なジェルソミーナの死を知り号泣するザンパノを観て、
「今頃気づくなんてなんて愚かで弱い奴なんだ!」
と憤怒したのは初めて見た時。その後2回観たが、
なぜだか年をとるごとに、ザンパノへの怒りが同情に変わる。

 

「自分だって、人を傷つけたじゃないか」
という経験が、そうさせるのかもしれない。

 

・・と、全く関係ない妄想が広がったが、
やってますかと入店し、起きた奥さんが作ってくれたラーメンは、
きちんと野菜や鶏がらで出汁をとっているであろう懐かしい味で、
おいしかった。

2239声 場所を創る

2014年08月18日

山梨県須玉に行ったのは、知人のお父さんが陶芸のために
制作中だった山小屋作りを手伝いに行くためだった。

 

須玉の山は、僕が住む町の山とも違い、空が広い気がした。
ベランダを作るためにと設置された鉄パイプの足組みに、
長い木の板を何本か乗せて、針金で固定した。

 

4~5人での作業。汗もかいたが、夕暮れ前には終わった。
ひとっぷろ浴びた後、自分たちで作ったベランダに出て
飲むビールは、この上なくおいしかった。

 

翌朝には、その山小屋の周りの森を歩いた。
知人のお父さんは亡くなっており、僕は会った事もない。
けれど、少し離れた場所から小さく見える山小屋を見て、

 

そのお父さんがここに場所を創ろうと思ったから、
今こうして自然に寄り添った体験ができているんだなぁ、
という当たり前の事を思った。

 

日々の生活ってやつは、凝り固まる。僕らは、
そういう生き方をしろと、命令されているわけではない。

 

色々な生き方はあるんだが。と呟いた。

2338声 国道141号

2014年08月17日

道はただ延々続く。

 

思い切って2日間休みをとった。
中之条町から東吾妻町、長野原町、
軽井沢を越えると、遠くへ出ている気になる。

 

軽井沢のレトロかつセレブな雰囲気、

そこから国道141号を南へ。
佐久市のわりと凡庸なチェーン店舗の盛り具合
千曲川をはさんでくつろいだ感のある海尻、
南牧(みなみまき)村の田舎の風景、
嬬恋を思わせる一面の野菜畑の野辺山高原、
ある地点を境にガラッとセレブな清里高原へ、
そして目的地となる山里、須玉。

 

高速なし。4時間近くの国道141号の移動は、
パノラマのように町の表情が変わって面白い。

 

僕は昔から、車窓の外を眺めては
「この町に生まれていたら、どんな生活をしていたか」
をぼんやり考える癖がある。

 

窓を開けて走った。風が通り抜けていくのがわかった。

2337声 歴史で遊んじゃうんまくねぇんかい

2014年08月16日

宣伝です。

 

「よーい、スタート」と声を出す。
結婚式、講演会、音楽ライブなど、映像撮影を
行う機会は、ありがたいことに増えてきた。
けれどいわゆる劇映画的な撮影の経験は少ない。

 

11/1-2。僕の職場のある東吾妻町にて、
「岩櫃城 忍びの乱」というイベントが開催される。
東吾妻町には岩櫃城という名の城の城跡がある。
この城は、真田氏が上野国進出への足掛かりとした
とされていて、その歴史性にちなんだイベントを
この秋、行うことになった。

 

子どもを対象にした忍者修行ワークショップや、
スポーツチャンバラ、城跡を巡る山歩きなど。
信州からは真田鉄砲隊も呼ぶ予定。

 

その一つの試みとして、「忍び」をモチーフにした
ミニドラマの撮影を、先月あたりから行っている。
主演を演じるは、地元の子どもたち。

 

自由に作らせてもらえるということで、
忍者になりたい少女と、病弱の少年の話しを
書いてみた。撮影は佳境。どうなることやら・・

 

そうそう僕は、そのイベントの広報なのです。
よってなんの捻りもなく、宣伝でした。

2336声 落差の価値

2014年08月15日

この時期、人にあげたくなるものがある。
高崎市下里見・富久樹園のプラム。
その名は「太陽」(という品種)。

 

初めて食べたのはもう8年位前。
「プラムなんて、カリッとしてすっぱいもの」
と思い込んでいた。けれど、丸丸大きな実を
カプッとかぶりつけば、さくらんぼのような
爽やかな酸味と甘さが口に広がる。

 

「あのプラムがこんなにおいしいなんて!」
という声が聞きたいから、他人にすすめる。
一般品がたいがいおいしいものだったら、
ここまではまらなかったかもしれない。
つまりは「落差」、大事だな。

 

第一印象、小太りなおじさん。
という低い好感度からコミュニケーションを
はじめる僕は、実は計算の上なのである。

2335声 花火が上がる

2014年08月14日

花火が上がる
ほんの300メートル位先から
六合ふるさとまつり

 

花火が上がる
こんなに人いたのという人山家族連れ

見入るこどもやスマフォいじるこども

 

花火が上がる
たこ焼き屋台に長蛇の列
とうもろこしや五平餅が焦げている

 

花火が上がる
スーパーウルトラスターマイン
見開いた視界の80%を埋める光の雨

 

花火が上がる
明日には住む街へ帰るのだろうか
夜が明ければもう静かな山里の秋

2334声 カレーを囲む

2014年08月13日

僕は友達が少ない。

 

ツイッターフォロワーは3293人、FB友達は741人、
でもそれは「情報の行き来ができる」というだけで、
「実際に会って時間を共にする」こととは別の話し。

 

基本、仕事が終わったら帰宅。
以前は給料の半分を飲みで使っていた時期もあったが(怖)
誘いも誘われもせず、休日に声をかけあうこともない。
それは全然苦ではないが、寂しい気もする。

 

学生の頃は、お金に関しても時間に関しても
責任が薄いので、好きなだけ友達と飲んだり遊んだりした。
「社会人になると結婚するとそうはいかないよ」
とは事実だが、ちょっと年が上の人たちが、
子どもも同伴で休日にバーベキューをしたりしている様子は、
なんかいいなぁと思う。

 

最近になって、「皆でご飯食べるんだけど」と
誘われるようになった。今夜はカレーを四人で囲む。

 

そういう時間の蓄積は、もう死ぬな、って時に、
仕事の成果、それ以上に大事に思うのかもしれない。

2333声 月

2014年08月12日

昨夜は満月。

しかも月が地球に近づいたスーパームーンと呼ばれる月だそうで、

日付が変わる直前の空には、

大きな月がこうこうと輝いていた。

上を向きながら、ちょっと近場を歩いた。

 

細かい雲、薄い雲が、

風に流され、月の周りにも重なり、離れる。

月明かりと雲との紺や金色のグラデーションがきれいで、

へたな映画観るよりずっと見飽きないぞ、と思った。

 

そんなことも知らなければ、眠ってしまえば、

今夜の月がこうこうと輝いていることもわからない。

 

いろんなことを見たり知ったつもりでいても、

ほとんどの事は、気づきもしないままに過ぎていく。

2332声 二郎

2014年08月11日

「ラーメン二郎」という店、いやラーメンのジャンルを知っているだろうか。

「暴食」の二文字がこれほど似合うラーメンはない。

 

群馬にも、二郎の影響を受けたラーメン屋はあったが、

近年、前橋「ばか旨」、高崎「いち大」と、

東京と同様の二郎系の店が出来たという。

・・で行きました後者に。昼飯ぬいて。

罪を軽くしてくれそうな、黒烏龍茶を持って。

 

二個となりの、安田大サーカスの後ろの人みたいな人は

「麵350g、全部増し(野菜から背アブラから全部プラス)」

を頼んでいた。

出て来たのは、スイカ大玉クラスのエベレストなラーメン。

頭の高さまで積まれた野菜の山には、背アブラの積雪。

いやいや、それが胃袋入ったら、人体の不思議だよ、と。

その安田大サーカスの後ろの人みたいな人は、

手品のようにスルスルとその塊を飲み込んでいった。

 

おいしいラーメン屋数あれど、

人体の不思議、を垣間見える店があるとは思わなかった。